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179話 本当の目玉商品?





【【【ワアアアアアアアアアアア~!!】】】




「「パチパチ-!!」」 「「パチパチ-!!」」



      「「パチパチ-!!」」



「「パチパチ-!!」」  「「パチパチ-!!」」




大広間の会場は、不気味な拍手と歓声で包まれています。眩しくライトアップされた大広間の壇上にはドップスがいました。


あっ-!!

あとギレン執事長も隣に立っていますね。


それからですが…


黒いスーツを着てシルクハットを被ったブタさんや、海賊風の入れ墨の男、あと人間を何匹か喰ってそうな不気味な笑みの狼さんもいた。


そう彼らは…

私が徘徊人形の葬路でお世話になった3人組でした。ちょっと、トラウマになっている私は身体中の毛がブワっと逆立ちます(焦)



彼らもオークションのお手伝いでもしているのでしょうか…

と言いますか、ギレン執事長は部屋で寝ていたはずなんじゃ!?




(ゴクン-)



それでドップスはオークションの司会なのか…

眩しいスポットライトに当たりながら、意気揚々にマイクで話しています。





【皆さん、大変長らくお待たせ致しました】

【でわ、早速本日の目玉商品を紹介しま~す!!】

【皆様は既にご存知かと思いますが、この国の宝具と言われる優秀な魔法具で作り出した至極の商品になりますよ~!!】






【【【ワアアアアアアアアアアア~!!】】】






そう言って、ドップスはカメラ?みたいな物を取り出す。それは…ネットで『昔のカメラ』で検索すれば、出てきそうな古びた大きなカメラでした。



【これは『無錠の牢獄』と言われる魔法具になります。この魔法具の被写体になった者は、身体が硬質化してしまい、ザックリと言いますと人形になってしまいま~す。こんな感じにね!!】




「「パンパン-!!」」




「「えええ!?」」(私)


私は驚愕する。

ドップスが手をパンパンと叩くと-

壇上の隅から、可愛らしいメイド姿をした…

サ、サーラちゃんが出て来たのだ!!

で、でも人形になっているか、動きがカクカクしてぎこちない。




【ハハハハ~!!】

【とてもリアルな人形でしょ。そして、更に只の人形ではないんですよ。何と持ち主の簡単な命令ならば、その通りに動いてくれるので~す!!】




【オオオオオオオオオオ~!!】(歓声)




【この事に関しまして言いますとね~!!】

【人形になる前の経験と知識が大分、引き継がていますので、例えばこのメイド姿をした女の子の人形…人形になる前もメイドをやっていまして、屋敷の家事や掃除や洗濯など色々頑張っていましたからね。それらの行為は人形になっても、とても上手なんですよ。私も試してみましたけど、屋敷の雑用なら全部やってくれましたよ】



【それからですけど…】

【これは『無錠の牢獄』の所有者である私にしか出来ない事なのですが、人形のサイズも変えらる事が出来ま~す!!】



「「パンパン-!!」」


「おお、凄い…」


ドップスがまた手をパンパンと叩くと-

サーラちゃんの人形がみるみる縮み、手乗りサイズの可愛らしいメイドの人形になります。



【落札して頂けましたら、そのお客様のお好みのサイズにしてお届け致しま~す。勿論サイズが変わっても、しっかりと屋敷の雑用もやってくれますのでご安心下さい。ねっ、素晴らしい商品でしょう】





【オオオオオオオオオオ~!!】(歓声)




【これが今、人気の屋敷の雑用までやってくれるメイド人形になりま~す。一家に1体是非どうでしょうか~。皆様、頑張って競り落として下さいね~!!】


【【【ハハハハハハハハ~!!】】】






【【【ワアアアアアアアアアアア~!!】】】



「「パチパチ-!!」」 「「パチパチ-!!」」


  

    「「パチパチ-!!」」



「「パチパチ-!!」」  「「パチパチ-!!」」





大広間の会場は、また不気味な拍手と歓声で包まれています。



「パチパチパチパチ~!!」

「あれ凄いね、ちょっと欲しいかも~!!」


ゼニィーも一緒になって拍手をしていた。



「「コラアアアア、拍手するんじゃないわよ!!」」




「それでどうするんですか~!?」

「目の前に、お目当てのサーラちゃんと宝具がありますけど~!!」


ゼニィーは人任せな感じで私に言う。



「いや、どうするって言われても(汗)」

「もうちょっと、このまま様子を見ま-」




「バアアアアアアアアアアア-ン」





「「!!」」(私)


突然、スポットライトが私に当たる!!




【イブさん、アナタ…】

【もう十分、様子を見たでしょ】


そして、遠く離れた壇上にいるドップスは-

私の事を一直線に見ながら、そう言った。







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