177話 魔術品オークション
【これより、中央の会場にて魔術品オークションを行います。紳士淑女の皆様、是非お越し下さいませ!!】
(この放送は一体…!?)
突然、闇夜の墓場に館内放送?が流れます。
(ゾロゾロゾロゾロゾロ…)
(ゾロゾロゾロゾロゾロ…)
「ウオオオ…」
すると-
今まで自由に墓場で遊んでいたお化けの人形達が、どこかに向かって移動を始めます。ゾロゾロと1つの列にまとまって歩いている。
こ、これは大移動ですね(汗)
妖怪の百鬼夜行みたい。
(と言いますか…)
「「ど、どうゆう事なの!?」」
「「魔術品オークションはまだ先なんじゃ…」」
キャロットさんから聞いた話しですと、魔術品オークションの開催まではまだ数週間先であると思いますが…
「詳しい説明は後よ!!」
「とりあえず、オークションの会場に行くわよ」
「私について来なさい」
「「は、はい!!」」
私はマーシャルさんの言われるがままに行動します。人形達の後をひたすらについて行く私達。
そして…
しばらく、進みますとサーカスの会場みたいな大きなテントがありました。
どうやら、ここが会場みたいですね。
入り口前には長い行列が出来ていまして、とても賑わっています。
「「ザワザワザワザワ-!!」」
「「ザワザワザワザワ-!!」」
私達は近くの墓場の影から様子を伺います。
お化けの人形達は、入り口で入場料を払っているみたいですが…
なんと良く見たらお金じゃなくて、泥だらけのゴミ屑を手渡している。
(これは一体…!?)
私は釘付けになって、見ていますと-
「「「「えええええ!?」」」」
私は思わず声を出してしまう。
な、何とお化けの人形達の行列の中に…その中に…
リルお姉様の姿があったのです!!
「何故、リルお姉様がこんな所に…」
「それも行列に並んでいるなんて…」
「マーシャルさん、どうしよう!?」
私はオロオロしながらマーシャルさんに聞くが返答が無い。
ふと、マーシャルさんの方を見てみますと-
「!!」(私)
マーシェルさんは時間が止まったかの様に、動きが止まっていた。彼女は、何故か私以上に驚いている様だった。
「アナタ、今なんて言ったの!?」
「そ、その人の名前はリル・ウェーズかしら!?」
そして、声を震わせてながら言う。
「リルお姉様の名前ですか!?」
「多分、そうだったと思いますが…」
「そ、そうなのね」
「リルはあれから生き延びていたのね。良かった」
「でも、何故この場所に…まさか、捕まっているのね」
「マ、マーシャルさん…!?」
「アナタはリルの妹なの!?」
「でも、妹は…」
「!?」(私)
よく分からないですが、マーシャルさんは混乱している様だ。と、とにかく、リルお姉様をここに連れて来ないと-!!
私は墓場の物影から飛び出して、リルお姉様の所に行こうするが…
「「ガシイイイイイ-」」
「「えええ!?」」
マーシャルさんは、私の手を力強く掴んで止めます。
「「マ、マーシャルさん、どうしたの!?」」
私は咄嗟に、マーシャルさんの顔を見てみますと-
「「「!!」」」(私)
マーシャルさんの顔が一瞬、リルお姉様の顔に見えた。私は背筋が凍ります。
周りが暗くて、更に彼女は金髪だったので気付きませんでしたが、マジマジと良く見れば…彼女の顔はリルお姉様にとても、とても良く似ている感じがした。
金髪の髪を黒髪にしたら、それはもうリルお姉様だ。
「マーシャルさん、アナタは一体…!?」
「あの人達とは、入る道が違うわ」
「私達はこっちから入るわよ!!」
マーシャルさんは真剣な眼差しで言う。
そして、手を大きく振ると-
振った手から水の刃が飛び出して、テントを切り裂きます!!
おおお、凄いです!!
水の魔法『水刃』でしょうか…
リルお姉様の水刃の様な鋭い刃です。
私は…
早速バサッと開いたテントの切れ目から中に入ります。テントの中に入ると、すぐに何十にも重なったカーテンの様なカラフルな布がありまして、私はそれを一生懸命掻き分けながら進んでいきます。
進めば進む程、また不気味な音楽が聞こえてくる。
そして、カーテンを掻き分けた先には-