159話 いざギルドへ
「ファアア~ア…」
「さぁ、行くわよ!!」
「は~い、やっと出発だね~!!」
私はアクビをしながら、宿屋を出発します。
久しぶりに、ワクワクした1日が始まりそうですね。
それで今の時間はですが…控えめに言って、もうお昼過ぎになってしました。
いや、本当は夕方に近い時間ですね。
昨日は凄い疲れていたので…滅茶苦茶寝てしまいましたね。1日が始まるどころか…もう1日が終わってしまう様な時間ね。
「「ワイワイワイワイー!!」」
「「ガヤガヤガヤガヤー!!」」
私は人混みを掻き分けながら…
傾いた陽が差す町のメインストリートを進んでいきます。昨日、リルさんから聞いた道を歩いているので、もう迷う事は無いでしょう。もうじき、辿り着きますよ。
冒険者ギルド『ヴェル王国サウスヴェル支部』へ-!!
冒険者ギルドと言う機関は-
この広大な世界を繋ぎ止める、唯一の存在とも言われ、世界中のあらゆる国や地域に設置されています。その目的は、ザックリと言うと『国の垣根を越えて、皆で協力して害獣の討伐をしましょう』になります。
ギルドを通して…
世界中のどこの国でも手軽に依頼が受けられるので、旅をする冒険者にとったら、嬉しいシステムなのです。また、この世界には害獣が多く存在します。その中には、稀に…町や国を滅ぼす様な、強い害獣も出現しますので…その様な有事の際は、周辺の国のギルドに応援要請を出して、手練れの冒険者達を迅速かつ円滑に集結させて、討伐するのです。
つまり…
国にとってもギルドがあれば安心と言う訳なのですね。
因みに-
ギルド発祥の地である…
現在のギルド総本部が置かれている
この星の中心とされる大都市は、ここヴェル王国からあまりに離れ過ぎていて、ヴェル王国では、おとぎ話の中の存在になっていますからね。
幾つもの海や山脈を超えて行かないと辿り着かない…
多分、地球数十周分位の距離はある事でしょう。
ベオン星は地球より遥かに大きいので。
「イブ、ここなんじゃないかな~!?」
「あっ、そうね…」
色々と考えている内に、ギルドに到着します。
その建物はサウスヴェルの町の中でも、特に目立つ5階建ての大きな建物でした。お城の門の様な大きな扉が、私の目の前に開かれています。
でわでわ早速、中へ入りますよ!!
「「ワイワイワイワイ-!!」」
「「ガヤガヤガヤガヤ-!!」」
「おお…」
中に入ると、凄い賑わっています。
大勢の冒険者達で、ごった返してますね。
皆さんの凄い熱気を感じます。
んん~、それで中は少し薄暗いですね。
まるで…大きな映画館の受付ホールにいるみたいです。天井の照明は、夜空に浮かぶ星の様にキラキラと煌めいています。そして、そのホールの中心には、こん棒を持った巨大ゴブリンの剥製が飾ってありました。
いや、凄い圧巻の光景だなアア。
更に、その剥製以上に目立つのは…
巨大ゴブリンと同じ位の大きさのドデカい掲示板です!!
そこには…沢山の張り紙が貼ってあります。
あれは全部、依頼なんでしょうか…!?
これは凄い数ですね。
(へぇ、フムフムフム…)
《依頼》
~素材採集~
巨大ゴブリンの大牙×10
※但し状態が良い物に限る。
~推奨~
☆×2以上
~報酬~
3万G
《依頼》
~害獣討伐~
小人の森での大蜘蛛の討伐です。
※蜘蛛の巣の掃除もお願いします。
~推奨~
☆×3以上
~報酬~
30万G
《依頼》
~商人の護衛~
サウスヴェルからウエストヴェルまでの
道中(約2500km)の護衛になります。
募集人数が上限に達し次第、受付を終了します。
~推奨~
☆×1以上
~報酬~
☆×1 5万G
☆×2 10万G
☆×3以上 要相談
「…」(私)
ふ~ん、なるほどね。
私は適当に依頼を流し見ていきますと-
「んっ、何これ!?」
私は変わった依頼を発見します。
この依頼は-!?