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65話 イブVS口の悪魔






      「ヒュウウウウウウウウウウウウウウ―」


      「サアアアアアアアアアアアアアアア―」





私は、草原の上に立っていた―


弱い雨の音と共に、風の吹く音も聞こえる。


そこは異空間とは思えない程に、遠くの彼方まで草原が続いていました。




弱い雨は、風に吹かれて草原をパラパラと舞っている。





私は…



静かに、草原の向こうを見つめています。







その向こうには、準備体操を終えたカコシが待ち受けていた。










   ― イブVSパーシャの地下を巣食う悪魔 カコシ ―










カコシ…巨大な漆黒の鎧を纏った騎士は、禍々しいオーラを放つか如く、身体中から黒炎が吹き出していた。そして辺りは、相変わらずに猛毒の雨が降り続けています。



「ゼニィー!!」

「ルイアを頼んだわよ!!」


「はいよ~!!」


ルイアは、ゼニィーがバリアを張って守っている。

バリアで守らなかったら、ルイアは猛毒ですぐに死んでしまうでしょう。



心配そうな目で見るルイアとゼニィーを背に―


私とカコシ…両者は、草原の丘の上で見つめ合います。






「ヒュウウウウウウウウウウウウウウウウ―」



草原を吹く風は、私の髪を靡かせる。








【やっぱり、決闘と言えば、草原よね。良いステージでしょ?】




「…」(私)




【そういえば、貴方が…ルイアちゃんが言っていた大切な人なのね】

【私も一目会いたいとは思っていたけど、何だ…見れば只のガキじゃないの!!】





「ムっ…」





【フフフフ、冗談よ、冗談…】


【私の斬撃や毒を防ぐとは…流石は、ルイアちゃんの友人と言った所かしら…と言うか、一緒にいるその変なストラップは何なの?(笑)】



「「コラ~、ボクの事を変なストラップって言うなー!!」」


ゼニィーは、カコシに怒っている。

そういえば、カコシには、ゼニィーの姿が見えているらしい…



カコシは、私達の事をからかっている様に軽く笑っていた。








「「友人じゃないわ、家族よ!!」」


私は、カコシに強く言います。









            【…】(カコシ)









        【ええ、勿論知っていたわ】







          【只の意地悪よ…】





   【もう、とっくの昔に死んでいたと聞いていたから―】









      ―貴方、一体どんな魔法を使ったの?―








だからね…






【【本当は、目が飛び出る程にビックリしているわ。まぁ…私には、目は無いんだけどねええええええええええ!!】】





             「…」(私)





  【【では】】   【【では】】   【【では】】


      【【では】】   【【では】】


  【【では】】   【【では】】    【【では】】


 【【では】】   【【では】】   【【では】】


      【【では】】   【【では】】


 【【では】】   【【では】】    【【では】】


 


【【ではアアアアアアアア!!】】

【【【そんな貴方に親しみを込めて、この技を送りましょう!!】】】


カコシは、巨大な剣を天に高々と突き立てた―



「「「「「「「ピカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―!!」」」」」」」


そして、突き立てた剣の切っ先は、禍々しい不気味な紫色の光を放つ!!



「「「!!」」」(私)


((な…何て、眩しさだ!!))



ま、まるで…


太陽の光を見ているかの如く、眩しくて直視する事が出来ない。そして、凄まじいエネルギーが、剣の先に集約されていくのが分かった。


さっき、カコシが放った一撃を遥かに超える威力でしょうか。


それが今、放たれようとしている。





「「あれは、闇の攻撃特化の超高位魔法だよっ!!」」


「ボクのバリアも、全く意味がありません…」


ゼニィーが、慌てて言います。




超高位魔法とは―


奥義の更に上位にあたる技の事を言うらしく、その威力と効果は、とりあえず全てが半端無いらしい。


主にC6(カテゴリー6)以上の大魔獣や、世界に数える程しかいないシックススター(6つ星)以上の冒険者が、必殺技として使う魔法みたいです。


そして、今回の攻撃特化の魔法の場合は、一撃で国を沈める技も存在するという。カコシは、恐らく…この攻撃で私達ごと異空間をぶった切り、現実の世界に出ようとしているのでしょうか。例えるならば、この異空間という巨大な繭を破り、今まさに成虫になろうとしている害虫の様です!!







「そう、なるほどねぇ…」



「これは、そんなに強い魔法だったのね」







          「んっ…!?」(ゼニィー)







私の頭の中では、先程から『この魔法を強化しろ!!』と、誰かのうるさい声が聞こえていました。それは、どこか…



オッサンの声に似ていましたが、多分気のせいでしょう。



どこまで『強化しろ!!』かと言いますと…





それは―








         ― 超高位魔法まで!! ―









   【【【【【さあアアアア、いくわよ!!】】】】】】



     ― 闇の超高位魔法 親怨なる一刀 ―




カコシは、声高々に叫んで凶悪な大魔法を発動させようとする!!




がしかし、その魔法が発動する事は無かった。






           「チャリ~ン…」






どこからか、小銭が落ちる小さな音が聞こえた。




そして、気付いたら―






大きな魔法は、掻き消されていた。















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