149話 質問(後編)
「パーティーを組みたいって本当に言ってるんですか~!?」
「ええ、パーティーを組んで一緒に冒険がしたいわ。私…あんな綺麗な女性の人と一緒に冒険がしたかったの!!」
目をキラキラさせながら、私は言う。
「ハァ、そうですか~!!」
「だけど…ボク達の目的は、ここサウスヴェルで開催される魔術品オークションに特別な来賓として招待されて、嗜む事でしょう。また目的を忘れてるんじゃないの~!?」
ゼニィーは呆れ顔で言う。
「フフフ、目的は忘れていないわ」
「どうやら…リルさんは、トコナッツ大商会から依頼を受けた、騎士みたいね。要するに、トコナッツ大商会専属の騎士と言っても良いわ。騎士というのはね…時に色々な所から依頼を受けて、色々な人達と共に依頼をこなすからね、ゼニィー」
「そして…」
「魔術品オークションは、王国内外から沢山の魔法具や美術品が集められて、売り買いがされるわ。そこには…サウスヴェルの物資の流通を牛耳る大きな商会が関わっている可能性が非常に高い。まだ魔術品オークションが開かれる場所も分からないからね…」
「だから、まずはリルさんと一緒に行動する事で、オークションや商会の情報を集めましょう!!」
「ふ~ん…」
「一応、考えてはいるんだね~!!」
「でも、リルさんは騎士だから忙しいんじゃないの~!?」
「フフフフ…」
「そこは問題ないわ」
「!?」(ゼニィ-)
「コンコン、ガチャン-!!」
「ごめん、お待たせ…」
私がゼニィーと打ち合わせをしていると-
リルさんが部屋に戻ってくる。リルさんは、また私の前の席に座ります。
「ええと、それでどこまで話した…」
「…」(私)
「「リルお姉様アアアア-!!」」
「「私を弟子にして下さあああ~い!!」」
「「か弱い私を強くして下さあああ~い!!」」
私は-
リルお姉様に抱き付きます!!
地球の頃の私でしたら、即効で警察を呼ばれる行動ですけどね…今の私は可愛らしい少女?なので、それは許されるのです。
(スンスンスンスン…)
(ああ~、良い匂い…)
リルお姉様に抱き付いて、スンスンと匂いを嗅ぐ私。地球の頃にも、こんな綺麗な女性と出会いたかったです。
まぁ、出会っても何も出来なかったけどね!!
「いや、弟子って…」
「イブ、何を言っているの~!?」
ゼニィーは…
抱き付いてニヤニヤしている私を気持ち悪そうに見ていました。だけど、私は気にしない。私は、あの時…リルお姉様が弟子を欲しがっているという豚さんの言葉を聞き逃していませんでした。
((さぁ、返答は-!!))
「ええ、良いわよ…」
リルお姉様は、少し考えた後-
そう答えた。
「…」(私)
やったアアアア-!!
告白?が成功しましたアアアア-!!
「「有難うございます」」
「「リルお姉様、宜しくお願いします!!」」
「リルお姉様って…」
「宜しくね、イブ!!」
「は、はい!!」
「フフフフ…!!」
お互いを見つめ合って、軽く笑い合う2人…
私的には、凄く頼りになる助っ人が来てくれた感じです。まぁ、結果的には…パーティーとは少し違う感じになりましたけど、一緒に行動が出来れば良いのです。
フフフ、とりあえず今はそれでね!!
(あっ、そうだ…)
話が何となく一段落した所で、私は気になっていた事を聞く事に。
「そういえば、リルお姉様…」
「私が迷い込んだ倉庫の中には、人形が沢山ありましたけど…あの人形は売り物なんですか!?」
「えっ…!?」
リルお姉様は、首を傾げた。
「あの倉庫は…長い間、使われていない廃倉庫よ」
「倉庫の中には、何も置かれてないわ…」
「はぁ、そんなんですか…」
「…」(私)
と言う事は、つまり…
人形が見えていたのは、私とゼニィーだけという事でしょうか。
「最近の人形は凄い高性能だね~!!」
ゼニィーは、気まずそうに言う。
私も…冷や汗を掻きながら、ゼニィーの言葉に頷きます(汗)
(いや~、最近の人形はそうゆう機能も付いているのか…)
(す、凄いわね~!!)