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133話 新技(前編)





「「マネーカウンター!?」」



「うん、そうだよ~!!」

「マネーカウンターは、敵の攻撃を数倍にして跳ね返す事が出来る技で~す!!」


「へぇ、攻撃を跳ね返すんだ…」

「凄いわね、どうやって使うの!?」


「使い方は、簡単だよ~!!」

「まずはね、頭の中で『攻撃を跳ね返たい』と強く念じま~す。そしたら、何と…体表バリアが数秒間、青白く光るので~す。バリアが光っている間に、敵の攻撃が当たると、その攻撃の威力を数倍にして、跳ね返してくれるので~す!!」



「ふ~ん…」


「マネーカウンターは、マネーバリアの応用技になりま~す、敵の攻撃の威力を増大させて跳ね返す、防壁の魔法の奥義 “増大反射魔法陣” を、バリアに上手く融合させた技なんだよ。用途は、しつこく攻撃をしてくる敵を追い払う時に使う感じかな~。因みに1番、光を強く放つ瞬間…つまり、発動させた瞬間に、敵の攻撃が当たると、何と数十倍の威力にして跳ね返してくれますよ~!!」



「おお、マジで!!」


「これは、ジャストミートと呼んでいます。まぁ、タイミングは滅茶苦茶難しいけどね。発動後0.1秒以内に敵の攻撃が当たった場合のみ、発動する特別な効果なので~す!!」



「そ、そうなんだ…」




補足として…


ゼニィーが言っている『増大反射魔法陣』とは、防壁の魔法 “反射魔法陣” の上位の技になります。『反射魔法陣』は、出現させた魔法陣に敵の攻撃が当たると、そっくりそのままの威力で跳ね返すだけの技ですが…『増大反射魔法陣』は、その威力を増大させて跳ね返してくれるのです。



その仕組みは、魔法陣には強化魔法が付与されていまして…魔法陣に触れた衝撃、熱、電気などのエネルギーを増大させる効果があるのです。



増大させる程度は-


術者の魔力の強さに比例して、大きくなりますが…マネーカウンターの様に、威力を数倍にして跳ね返してくれるなんて、そんなの聞いた事がありません。『増大反射魔法陣』を使い手の殆んどは、少しだけ威力を増大させて、跳ね返えす事が出来る程度ですから。


トップクラスの冒険者で、良くて2倍でしょうか…



流石は、高性能のバリアです。







「とまぁ、こんな感じかな~!!」

「一応、攻撃手段になるのかな。でも、敵が攻撃して来ないと使えないけどね。それにジャストミートじゃなくても、タイミングが凄く難しいよ~!!」


「ふ~ん…」


(まぁ、攻撃手段ならば、試しにやってみようかしら…)




「あとは、1回5000Gで~す!!」


「「えええっ、そうなの!?」」

「「高アアアアアア-!!」」


いきなりの事実に驚愕する私-



「成功しても、失敗しても1回5000Gだよ~!!」

「だから、ボクは1回も使った事がありませ~ん!!」



「ま、マジで…」


なんちゅう設定だ。銭の魔法、恐るべし…

私は、理不尽な設定に驚愕していた。

まぁ、ですが…今は100万Gもあるし、少しだけ試してみますか。




「ほらほら、ちょうど向こうにゴブリンがいるよ。早速、やってみたら~!!」




「…」(私)


ゼニィーが指差す方には、1匹のゴブリンが佇んでいました。そして、私に向かって走って来ます。手には、錆びた剣を持っている。


おお、これはグッドタイミングな出現ですね!!









(跳ね返したい…)    (跳ね返したい…)




(跳ね返したい…)




(跳ね返したい…)       (跳ね返したい…)




早速、私は頭の中で強く念じます。

すると-





「「ピカアアアアアアアアアアアアア-!!」」 




おお、身体が青白く光ります!!

凄いわね、ホタルイカみたいに青く綺麗な光を放っています。そして、徐々に光が弱くなり、消えていく。





「…」(私)



「「ガキキキキーン!!」」 


「「ガキキキキーン!!」」


光が消えた後に、ゴブリンの剣が私に当たる。




「イブ、イブ~」

「発動させるタイミングが早すぎだよ~!!」


「中々、タイミングが難しいわね!!」


「今ので、5000Gですよ~!!」



「…」(私)




とりあえず、練習しましょう!!









~十数分後~








「ハァハァハァハァ…」


「なんとか、成功したわ…」


私は、息を乱しながら言う。疲れた果てた私の目の前には、気絶したゴブリンが倒れていました。ゴブリンの持っていた錆びた剣は、粉々に砕けて、破片が道端に散らばっています。


私は、ゴブリンを倒していました-


どうやって、ゴブリンを倒したかと言うと…

まぁ、マネーカウンターで倒したんですけどね。それで倒すまでに10回も、発動させてしまいましたね。10回目…最後に、発動させたマネーカウンターが成功した感じです。


青白いバリアに当たった、ゴブリンの剣は粉々に砕け散り、ゴブリンは衝撃で弾き飛ばされて、1発KOでした。ん~まさに、カウンターね!!


成功すれば、中々の威力ね。




「ハァハァ…」


「ふぅううう~」




だけど、やっぱりタイミングが難しいわね。もう5万Gが無くなってしまった。あっという間に、お金が消えてしまうわ。パチンコで、5万円を負けた気分です。



「どうにかして、成功率を上げないといけないわね…」



しかし…

敵の攻撃に上手くタイミングを合わせる事は難しい。だって、バリアが青白く光るのは、たったの数秒だから…いつも、ズレてしまう。多分、私の戦闘センスが著しく無い事も理由として、あると思うが…ん~、どうやったら成功率を、もっと上げる事が出来るのか。


これ以上、お金を捨てる事は出来ない。



悩む私…


(というか、そもそも…)



ゼニィーが言う様に、敵が攻撃して来ないと使えない技よね。こちらから、好きなタイミングで攻撃する事が出来ない制限もあるし、結構不便な所があるわね。せめて、こちらから攻撃が出来れば、楽なんだけどな~






「…」(私)



       


いや、待てよ…!!









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