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128話 果ての話し合い





「怒りに任せて…」

「関係が無い人まで、巻き込んでしまって申し訳ない」


グリフィードさんは、言う。



「そ、そうなのね、そんな事が…」

「でも、それならば、悪いのは村の方なんじゃ…」


ミズナさんは、驚いて言う。




「まさか、私の村がグリフィン達にそんな酷い事を…村人達は皆、裏でグリフィンの子供を密猟していたのかしら…?」


そして、ミズナさんは申し訳なさそうに言う。





「いや-」

「もしかしたら、違うかもしれないよ」






       「!!」(ミズナさんと私)





今度は、緑の首輪を付けたグリンちゃんが言う。




「ボクはその時、村にいたんだけど…」

「急いで、村に戻って来た村長と黒いフードの人が村の皆に、こう言ったんだ」








    -王国騎士団から緊急の連絡が入った-




「理由は、分からないが…怒り狂ったグリフィンの群れが、この村に向かっているとね。そして、黒いフードの男は、星屑の天蓋に、たまたま観光で来ていた王国御用達の武器商人と名乗っていた。王国騎士団からの緊急の連絡があった事を知って、加勢してくれると言っていたよ」




「…」(ミズナさんと私)




「村人の皆は突然の事に勿論、困惑していたさ」

「そして更に、黒いフードの男は、アタッシュケースから色々な武器を取り出すと、こう言った。この武器は-」







  -王国の騎士が使っている非常に優秀な武器だ-






「まずは、これを使ってグリフィンの群れを速やかに、追い払う事が先決だ。襲って来る理由は、その後に考えよう…とね。そして、村人達はその優秀な武器を手に取ったのだ」




「そ、そうなのね…」


ミズナさんは、黙々とグリンちゃんの話を聞く。




「そう、それで-」

「問題なのは、その武器なのさ」


そう言って、グリンちゃんは古びた剣を見せる。



「武器…!?」

「これは、グリフィンに刺さっていた剣かしら!?」


ミズナさんは、言う。



「そうです-」

「因みに、この剣はグリフィードさんに刺さっていたものです。この剣は手に持ったり、これで傷を受けたりすると、どうも正常な判断が出来なくなってしまう効果があるんだよ」



「えっ、そんな効果が-!?」



「この効果は…この剣で身体を刻まれた私達…グリフィンが実証済みです。何か、ヤバい魔法が掛けられている事が、魔獣の本能で分かるんだ」






「…」(ミズナさんと私)







「この剣は、軽い呪具だね~!!」

「曰く付きの魔法具とも、言われていま~す。使用すると攻撃力が向上するけど、代償として正常な判断力が低下してしまう危ない品物だよ~!!」


ゼニィーは-

一旦、通訳を止めて、言う。





「へぇ、そうなんだ…」(皆)





「…」(私)



流石は、呪具の専門家ですね!!

少し見て触っただけで、効果が分かるとは。

しかし、軽い呪具…曰く付きの魔法具とは一体!?



「これも、呪具の一種なんだけどね-」



ゼニィー曰く-


曰く付きの魔法具(軽い呪具)とは、通常の呪具とは違い、簡単に作る事が出来る魔法具みたいです。


呪具というは、闇の魔法 “呪具創成” で作られますが、その魔法の発動時にも、生け贄が必要であるそうです。生け贄の血肉を捧げる事で、発動が出来るらしい。



その生け贄の目安として-


通常の呪具を作るには、数百から数千人の生け贄が必要だとか。そして、高位の呪具になれば、それ以上の生け贄が必要になるらしい。


超高位の呪具は…もう想像したくもありませんね。




その逆に-


少ない生け贄で作った呪具を『曰く付きの魔法具』と言うそうで…その効果は、通常の呪具と比べて、強くはないが、メリットとして大量に生産が出来る事らしい。


この『曰く付きの魔法具』は…よく呪具を広めたい人が宣伝の為に、大量に作っては、ばらまくそうです。





「この剣は、更に『精神の魔法』が仕掛けられてま~す。この剣を持ったら、自身の上の立場にある人の命令に逆らえなくなってしまう暗示が掛かってしまいますよ~!!」



「えええっ、暗示!?」





「俗に、この剣は『服従の剣』と言われていま~す。呪具界隈では、有名な呪具でね…悪に染まった軍隊が、よく使用している剣なんだよ。これで、上官からの命令を拒否が出来なくなるからね。部下の意思に関係無く…効率良く作戦を遂行させます。まさに、理想の軍隊を作る事が出来るんだよ~!!」




「…」(私)



つまり-

『上官からの命令は絶対』を具現化した魔法具でしょうか。



「そういえば、確かに…」

「村人が皆、武器を持ったのを見て、村長は言っていたね」












 -あれは最早、我々が知っているグリフィンでは無い-



 

       -全て、殺せええええ-







グリンちゃんは言う。








「…」(ミズナさんと私)

「…となると、剣を手に取った村人達は、訳も分からず闘っていた可能性が高いのかしら?」


「そして、村長の無茶な命令で、村人達は死に絶えた。そういえば、村長だけの死体は無かったわね。勿論、黒いフードの人の死体も…恐らく、黒いフードの人と一緒に逃げたのかしら。グリフィンと村人達を闘わせたのは、これも逃げる為の時間稼ぎなのか…村人を巻き添えにしてまでの…?」


ミズナさんが、推考していると-








 「もしかしたら、別の理由もあると思うわ!!」







        「んっ、誰…!?」(私)










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