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126話 遥か雲の上





        「ポオオオオオオ…」







私の掌の上には、蛍の様な小さな白い光が灯っていました。


その光が灯った瞬間に、周囲に強い風が吹き荒れる。そして、星屑の天蓋を覆っていた深い霧を一瞬で吹き飛ばします!!




「「ゴオオオオオオオオオオオオオオオ-!!」」




私は、その場から一歩も動く事は無かった。

風を受けた、朽ちたグリフィン達の戦意は喪失して、私に懐いてきます。



この魔法は…






          そう、私は-






果ての魔法で『安らぎの匂い』を極限まで強化していました。安らぎの匂いの上位の技である、我が懐かしの奥義-



親和の芳香



そして…

前世の私にとって、遥か雲の上の存在だった憧れの魔法…親和の芳香の上位の技である







         -親愛の凝香-







その更に、上位の技-








魔獣使役の超高位魔法 “果ての抱擁”






魔獣使役の魔法 “安らぎの匂い” の効果は…

親和を築ける心穏やかな魔獣(俗に言う親和獣)に使えば、その魔獣の心身の緊張が解れて、リラックス効果を高める事により、精神状態を安定させる事が出来ます。



ザックリなイメージとすれば…

アロマキャンドルの効果に、近いでしょうか。

心が、ホッコリと癒されるそうですね。



悲しみ、怒り、不安、恐怖といった…負の感情から湧く上がるストレスを軽減して『負けないで、頑張るぞ~!!』みたいな気持ちが湧いてくるみたいです。また敵との闘いでは、敵の精神攻撃で錯乱状態になった時に使う事で、正常な精神状態に戻す事が出来る効果もあります。



なので、一般的には…

魔獣の心の傷を癒す事が出来る、精神回復魔法ともされています。



因みに、後ですが…

魔獣同士が喧嘩をしていた時に使うと、お互いの頭を冷めさせて、更に両者に互いを思いやる気持ちを持たせるそうです。これにより、仲直りがしやすくなると言われています。


つまり、お互いの非を認めて『ごめんなさい』する感じでしょうか(多分)




…と言うのが 



“安らぎの匂い” の効果です。



そして、上位の技になるにつれて、勿論その効果も強くなっていきます。ですが、あくまでも魔獣使役の魔法なので、その名前の通り効果があるのは魔獣だけです。








 「「ゴオオオオオオオオオオオオオオオ-!!」」






「…」(私)



そう-

それは、親愛の凝香までの話だけどね!!

まぁ、親愛の凝香くらいになると…多少、人間にも効果が出るそうですが、基本的には魔獣専用の技なのです。







果ての抱擁の、効果範囲は-


種族を問いません、そして生死も問いません!!


人間だろうが、動物だろうが、悪魔だろうが…

それが、生きていようが、死んでいようが…





 

         一切、関係無い





そして、その効果の強さは-

どんなに酷い精神状態でも、正常な精神状態に戻してしまう…






     究極の精神回復魔法である。





地球で言いますと…

あらゆる精神疾患を治し、正常な精神状態まで戻してくれます。また、闇の魔法の代償による精神異常にも効果があり…つまり、闇の魔法の代償とは精神疾患を何十にも重ねた様なグニャグニャに歪んだ精神状態と同義であり、その精神状態を正常に戻す事が出来ます。



そして更に、人を思いやる気持ちを強くさせます。



悪霊に使えば、悪霊になる前の精神状態に戻してくれますよ。キャロットさんが…光彩の指輪の光で、記憶を取り戻した時と、状況は近いでしょうか。




まぁ、同じ光でも…

その威力は、懐中電灯と星の光くらいの違いはありますけどね!!


その強き星の光が、腐ったリンゴの様なミズナさんの心を、新鮮で取れたてのリンゴの様な心に蘇らせたのです!!



因みに、C5以下の害獣ならば、一瞬で戦意を喪失させる事が出来ます。


例えば-

親愛の凝香でも…鎮めるのに数日は要する、襲い狂う猛炎の超巨大サラマンダーでさえ、すぐにアクビをして、地中に帰ってしまいます。そして、それ以上の…闇深きC6以上の大魔獣にも、対抗する事が出来る-



数少ない魔法なのです!!





えっ、果ての抱擁を使うのは初めてなのに…

何で、そこまで詳しいのかだって!?



何故か、私の頭の中には、果ての抱擁の知識が浮かんでいた。









「ウォン、ウォン!!」



「グ、グリンちゃん!?」



少し離れた場所には、緑の首輪をつけたグリフィンの子供がいます。あれは…綺麗な廃屋で、私を襲ったグリンちゃんですね。


ミズナさんは、グリンちゃんを見て驚いていた。

グリンちゃんは、何かを訴える様に、必死に吠えてますが…





「どうやら、伝えたい事があるみたいだね~!!」

「ボクが翻訳するよ~!!」


ゼニィーは、言った。





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