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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第一章 始まり
9/76

戦漸弩兇 鷭碑鷲膳 諷昂舞嶄 夢想無双

「ここがイベント会場?」


 光が収まって、シロンが目を開けてみると、知らない森の中にいた。

 かなり高い木で、根の方は見えない。

 緑は置いておいて、ピンク色の葉をしている木は、毒みたいで不気味な雰囲気になっている。


「ここで、できるだけ沢山の人を倒せばいいんだね!」


 周囲から、他のプレイヤーのものと思われる羽音が聞こえてきたので、そっちに飛んで行った。




「ん?……誰かいるな」


 イベントに参加したけんた君は、羽の音に反応して振り返った。

 前やっていたゲームで耳を鍛えたお陰で、索敵は簡単にできる。

 剣を構えて、音の主を見てみると……白い塊がすごいスピードで飛び回っていた。


「スピード強化タイプのスキルか?」


 だが、けんた君のスキルは【タカ】で、ターゲットを一人設定し、そいつの位置がいつでも分かる上、与えるダメージが上昇する。

 タカは執念深い性格をしていて、一度狙いを定めるとしつこく追いまわすので、こういう能力になっているのだ。

 もう白い塊にターゲットは設定してあり、どう動いてるか分かる。

 どうせスピード特化で、ろくな火力は出せないだろうから、このスピードに慣れた後に攻撃したらいい。

 そう思い、白い塊が近づいてきて……


「グア!?」


 火力はないハズなのに、一撃で吹っ飛ばされた。

 HPバーを見ると、残り2割まで減っている。

 さらに、ターゲット設定したやつが、けんた君が吹っ飛ばされた先に回り込んだみたいで、


「とー!」


 残り2割のHPも消し飛ばされた。




「うあ!」

「ック!」

「な、なんだあいつ!?」


 バトロワの最中、数十人が集まっている場所があったので、木に隠れてハイエナ狙いをしていると……数十人で乱戦をしているのではなく、数十人で一人を狙っているらしい。


「〈ファイアボール〉」

「〈地槍〉」


 様々な種類の魔法が飛び交い、剣や槍が振るわれる中で、狙われている幽霊みたいな奴はその全てを避け、


「パーンチ!」

「グフッ!」


 また一人、蒼い拳で吹っ飛ばした。


「……なんだありゃ?」


 どんなスキル使ったらああなるんだ?

 あんなのに構っていられるかと、踵を返した所で、


「ドーン!」

「ヴッ……どけぇ!」

「はぁ!?」


 こっちに吹っ飛んで来た奴に圧し潰されて、死んだ。




「本当になんなんだアレは!?」


 その後も途中で合流してくる人も合わせて幽霊に立ち向かうが、一向に勝てる気配がしない。

 そして遂に、


「こんな強いプレイヤー……そうか、分かったぞ!あれはプレイヤーじゃなくてNPCだ!」


 間違った結論にたどり着いた。


「どういうこと?」

「あんなチートみたいな奴がいる訳ないだろ。あれはきっと、イベントマップに特別に配置された、ボスモンスターみたいなもんなんだよ」

「そうか……そうに違いない!」

「やってられるか!俺は降りるぞ」

「えー、でもボスモンスターなら、討伐したら……」

「したい奴だけで勝手にやってろ!」


 こうして、数人のプレイヤーを残して、ほとんどのプレイヤーはどこかに散らばっていってしまった。

 去り際に、


「あれがナウのトップですか。……面白そうデース」


 そう言って、逃げる人と反対方向を向く人がいた。


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