表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
最終章 空海決戦
76/76

……恋の結末

「やった、勝ったよ」

「お疲れ」

「ナイスです」

「ワイは信じとったぞ」

「さっきまで、『もう終わりやー」とか言ってたくせに」


 先にやられて戻っていた《チーム・スカイマウス》の面々は、最後の戦いに勝って戻って来たシロンを、拠点にて迎えた。

 どうやら、中継を息をのんで見守っていたらしく、シロンに優しい言葉をかける。


 そのまま、今回のイベントの祝勝会を開始した。

 20歳を超えている、ヒロ、ハッシュ、ユー、ラウルの四人組が、シャンパンの蓋を飛ばし、Fはパンっとポ〇チの袋を爆発させる。

 ハッシュはヘタクソな癖にレースゲームの用意をし、シロンは冷蔵庫を開けてジュースを……


「ジュースがない!」

「えー。シロン、勝ってきて」

「任せて!」

「ワイはコーラで」


 未成年組からリクエストを受け、シロンはUFOから飛び出して、下のア肆ネルの町に降り立った。

 行きつけのスーパーに突入し、爆速で注文の物を買って行った。

 そして、UFOに戻ると……居間には誰もいない。


「みんなー?」


 ちょっとしたホラー感に不安になりつつも、他の通路に出てみると、すぐに全員が見つかった。

 みんな、何かを見つめている。


「どうs」

「ピヨ(静かに)」

「ビークワイエット」


 何をしているのか聞こうとすると、ハッシュに手早く口を塞がれた。

 声を発せないまま、みんなの見ている方を見ると……ツィンとリムスが向き合っていた。


「【火設炎操・字】(小声)」


 Fが小声で火を出し、文章を形どった。


『リムスの奴、イベントの前に この戦いで勝ったら、告白するって言っとったんや』


 こんなボテボテなフラグが建ってるのに、良く勝てたな。

 つまりここは……告白の現場。

 すぐにシロンも胸がトキメキ、静かに見守ることにした。

 頑張れリムス!


「……それで、話って何?」


 リムスが、中々切り出せずに黙り込んでいると、ツィンから話し出した。


「あ、あ、えっと、何も」


 彼は、少ししどろもどろになり、何もないと言いかける。

 シロン達傍観者が目を見開き、さらに注目していると、リムスは拳を握り締め……何もしていたいのに、演奏しているような表情になった。


「ええぞ!」

「ピヨ(黙ってろ)」


 うっかり声を上げたFを、ハルヒが黙らせる。

 そして、注目は再び二人へと向かった。


「どうしたの?」

「……ツィンさんに、伝えたいことがあります。

好きです、ずっと前から好きでした。僕と付き合ってください」


 リムスは、大きく頭を下げ、そう言い放った。

 それに対して、ツィンは……彼女にしては珍しく、顔を赤くして動揺している。

 これは……どうだ?

 ツィンの口が、開き、


「……ごめん」


 何故か、背景に桜が見えた気がした。

 ……リムスの顔を見ることができない。

 だが、まだツィンの言葉は終わっていなかった。


「少し、考えさせて」


 リムスはポカンとして、


「はい。前向きに検討して下さい」


 とだけ返した。

 見ているだけのシロンの胸も高鳴り、先の展開が気になる。

 後でツィンに突撃レポートしようと決意した。


「よし、逃げるぞ」

「バレてるって」


 ラウルの掛け声で、一斉に逃げ出そうとしたが、どうやら勘が良いツィンにはバレていたらしい。

 ユーの光学迷彩があったのに……。


「ほら、パーティーの続きでもしよう」

「う、うん。そうだね」


 みんなで居間に戻って、パーティーの続きをする。



 途中でツィンを連れて、パーティーを抜け出した。

 彼女も何の話をするのか分かっているのか、人が居なそうな、UFOの円盤上で町を見下ろしながら会話する。


「それで……どうするの?」

「何が?」

「例の件だよ」


 シロンがニヤニヤしていると……ツィンは諦めたように喋り始めた。


「うーん、本当にどうしようかなー。良い人なのは知ってるし、面白いけど……ちょっと頼りがいがないんだよね」

「ああ……。でも、ツィンは引っ張っていくタイプじゃん」

「確かに。……私、真白より先に彼氏を作っちゃうかもね」


 今度は、ツィンがいい笑顔になり、シロンに質問を返した。


「真白の恋はどうなのよ?」

「全然進まないよ。サインは持ってるんだけどねー」

「……そういえば、アンペルが副会長はUAOをやってるって言ってたよ」

「え?」


 一瞬、シロンの頭は真っ白になった。

 (いじ)ろうとしていたのに、いつの間にか弄られる側に変わっている。

 そして、ツィンは、最後に爆弾を投下した。


「イグノだって」

「え?」



……私たちの物語は終わらない

 ツィンの返答は、ご想像にお任せします。


 最後までご愛読いただき、ありがとうございました。


 ちなみに、考えたスキルの数は、SeaとSky、使わなかったのも合わせて、150個程です。……機会があったら、この記録に挑戦してみてね。

 絶対にこんな形式でスキルを考えない方が楽だよ。

 あと、Universal Sky and Sea Onlineの元ネタは、デュエマの「ユニバ―サル・(サメ)・アンド・シー」というカードです。

 初期ではUSOのつもりだったけど、いつの間にかずっとUAOって書いてたから、もういっかってなった。



 来週くらいから、新シリーズを掲載します。

 VRMMOではなく、ファンタジー系の重めな感じになると思いますが、気が向いたら見に来てあげて下さい。


 では、機会があれば【(てん)神 神が降りてきた世界(仮)】で会いましょう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ