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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
最終章 空海決戦
75/76

大決戦 シロンとイグノ

 シロンVSイグノの一騎打ち。


 デュオ大会での勝負では、引き分けだった。

 スピード特化のシロンより速い速度で動き、熱をチャージした拳は、鎧でも一撃で砕いてくる。

 シロンは、これまで自分より速い相手と戦闘したことは無かったので、どう戦えばいいのか分からない。

 ……個人的に苦手な相手だ。



「〈ゴーストジェット〉〈爆霊覇〉」

「〈木刀打樸〉」


 シロンとイグノは、正面からぶつかり合い、爆霊覇の猫の手を突き出したが……その手を木刀で殴られた。

 鎧を伝ってダメージが入り、少しHPが減る。

 木刀で押さえつけられていない左手を振りかぶり、追撃しようとするも、シロンより速いスピードで逃げられた。


 何故、刀ではなく木刀を使うのか……銀さんのファンか。

 とにかく、イグノの木刀使いは中々のもので、戦いにくい。


「とりあえず、木刀を何とかしないと。〈ゴーストジェット〉」

「行くぞ!」


 また二人は正面から激突し……


「〈木刀打樸〉」

「〈霊爪〉」


 振るわれた木刀に霊の爪を合わせ、輪切りにした。

 あわよくば、そのまま体を引き裂くつもりだったが、浅く傷を付けるだけになった。

 そのまま、左手にも霊爪を伸ばす。

 しかし、残った木刀の柄を投げられ、それを使うのに左手を使ってしまった。


 これで、今回の接触は終わった。

 一発で破壊される木刀は、あまり有効じゃないと思ったのか、イグノは新しい木刀を取り出すも、脇差にしとくだけになる。

 これからは、素手で戦うらしい。


 そして、三回目の衝突。

 直接触れるのは難しいので、霊爪の方を使うことにしたが、


「〈霊爪〉」

「〈紅蓮拳〉」


 熱い拳でシロンの霊爪は破壊された。

 そのまま、懐に潜り込み……シロンの脇腹を狙う。


 実は、右脇腹の装甲は、前々回にアンペルのレールガンによって、破壊されていた。

 そこにあるのは、紙耐久のシロンの体。

 しかし……逆に、そこが弱点だということは明確で、対策するのは当然であり順当。


「〈霊鎧〉」

「は?」


 右脇腹に霊力を集中させ、手刀を防いだ。

 そして、今イグノは、弱点を突くのに集中し過ぎて、無防備な状態である。


「〈凱正拳〉」

「グハッ!」


 思い切り背中を殴り、下に吹っ飛ばした。

 防御に霊力を回していたせいで、あまり火力は出なかったが、精神的に優位に立てた。

 今、逃げながら必死に落ち着こうとしているが、深層心理はそう簡単に操れない。

 ここに、追い打ちをかけて、一気に追い込む。


 イグノは、減速して熱をチャージしているが、追ってもどうせ逃げられるので、追わない。

 ……段々周りの水温が上がって、危機感が募るが、どっしりと構える。


「ヒート・オーバーチャージ」

「来なさい!」


 四回目の交差。

 いままではイグノが向かってくるのに合わせて、シロンも霊力のジェットで駆けていたが、今回はしない。

 他の方向にジェットを使う。

 相手もその異変には気付いてるらしいが、そのままやって来た。


「〈紅蓮拳〉」

「〈ゴーストジェット〉」


 回転。

 体の左側には前、右側には後ろ方向にジェットを噴射して、反時計回りに回転し、紅の拳を躱した。

 鎧に少し(へこ)みができるが、シロン本体にダメージは入らない。

 イグノの、真正面に拳を打つ癖を読んでいたからできた、強気の行動。

 さらに、回転なら……そのまま攻撃に繋げられる。


「〈爆霊覇〉」

「痛!」


 イグノに、莫大な霊力を流し込み、内側から爆発させた。

 一気にHPが減っていき、残り3割弱になった。

 そのまま削り切ろうとしたが、超速で逃げられる。


 大分有利に立ち回れた。

 だが、気は抜けない。

 シロンなんて、元からチャージした拳がクリーンヒットしたら即死なのだ。

 射程の長い霊の爪で、手堅く立ち回り、余裕があったら爆霊覇で一気に削りきる。


 その時、イグノは木刀を抜いた。

 右手の熱で焼けて煙が上がるが、余り気にしてないご様子。


 最後の交錯。

 交わる寸前、イグノはまた木刀を投げつけた。

 霊爪で六つに切り裂き、もう片方の手で攻撃しようとしたけど、


「〈紅蓮拳〉」


 チャージされた拳で、霊爪は破壊された。

 そこから何かするのかと思っていたが、何もせずにいつも通り通り抜けて行った。

 今回はタイミングを間違えたが、木刀とイグノの体が重なるタイミングを狙うか、木刀破壊に使ってない手を、タイミングをずらして振れば……。

 そう考え……油断してた。

 イグノのいつもの行動は、通り抜けた後、距離を取って方向転換しつつ、チャージする感じなのだが、


「〈紅蓮拳〉!」

「うわ!?」


 背後からイグノの声が聞こえ、肩口に衝撃が走った。

 グシャっと音がし、肩の装甲が無くなって、少しダメージを受ける。

 ……通り抜けた瞬間に、背後から飛び掛かったらしい。


「ご、〈ゴーストジェット〉」

「逃がさん!【リーフィーシードラゴン】〈草縛り〉」


 ジェットで加速し、一旦距離を取って体勢を立て直そうとしたが……付いて来てる。

 シロンの体に植物のツタが巻きつき、二人が固定される。

 ……背後を取られて、イグノの姿が見えない。


「〈木錬成〉木刀!」

「〈霊鎧〉」


 姿は見えないけど、嫌な予感がして、霊の鎧で肩先と脇腹の穴を覆った。

 一瞬後に、そこらに打撃音がして、危なかったことが分かる。


 シロンには今まで知らなかった弱点があった。

 鎧のせいで小回りが効かず、背後が見えなくなるどころか、背中に手が届かない。

 ……まあ、シロンの体が硬いのもあるが。

 今まではそのスピードから、背後を取られることは無かったけど、今回は……うん。


 一先ず、木刀の打撃を鎧で防ぎ切り、打開策を練る。

 試しに、縛っているツタを斬ってみたが、すぐに違うツタで縛られた。


「〈木刀打樸〉」

「〈霊鎧〉」


この時、世界が分かれた


 来た!

 スキルの後は、少し隙ができる。

 打撃を鎧で防ぎ切った瞬間、前にジェットを噴射して、背後にいるイグノに体当たりした。

 予期しなかった反撃に、イグノが一瞬怯む。


「【古代凱装羅骨】解除」


 鎧を解除して、小回りを効かせ、霊爪でツタを切り裂いた。

 ちょっと霊の爪を伸ばし過ぎて、自傷してしまったが、まだHPは残ってる。


「〈爆霊覇〉!」

「グアアアアアア!」


 振り返って猫の手を作り、霊力を注ぎ込んで、イグノのHPを削りきった。


 次回、最終回!

 目指せブックマーク数 高評価の十倍(投稿時点ブックマーク数88、高評価趨9)

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