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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
最終章 空海決戦
73/76

決戦①

 《チーム・スカイマウス》VS《海馬組》(相手の大将クラン)

 上から降りてきたので、上から見下ろしている状態。


「突っ込まないでよ?シロンが死んだら負けなんだから」

「わ、分かってるよ」

「……言わなかったら、絶対に突っ込むつもりだったでしょ」


 一先ずシロンは温存して、他のメンバーで戦っていく。


「じゃあ、とりあえず私はもう搭乗しとくね。【地球侵略軍 侵略開始】」

「俺も。【SPACE STATION】」


 おもちゃのUFOが巨大化し、ユーが搭乗。

 ラウルが光り輝き、巨大化していって、太陽光パネルを展開した宇宙ステーションが出てきた。


「【顕幻・イクチ】」

「【顕幻・ヒュドラ】」


 相手も、大型系は先に出しとくつもりなのか、細長い蛇みたいなのと、首が九つに分かれた化け物が誕生した。

 両方ともモンスターっぽいので、ハッシュのモンスター特攻に任せたい。


「僕も早めにやっときますね。【真達羅合奏団】」


 リムスが、最終戦っぽい壮大な演奏をして、こっちの全員のステータスを向上させた。

 そして……もう何も言わずにUFOに搭乗していった。


「ツィンは領域展開しないの?」

「まだ隠したいからね。あと領域展開はやめて」


 さて、戦いの準備は終わり、遂に二つのクランが衝突する。

 まずは、遠距離攻撃の打ち合い。


「〈マグネッターΩ〉」

「【魑魅魍魎☆百鬼夜行】」


 相手の弓使いが矢を飛ばしたが、深淵の魑魅魍魎が身代わりになって受けつつ、

相手に怪物を送り込んだ。

 敵クランには、怪物を一気に倒せる手段がないのか、近接タイプの人たちが一匹一匹倒していく。


 そして……アンペルが銀のコインを構えた。

 アレの威力と脅威は、シロンが良く知っていて……故に、対策は組んである。


「【RAILGAN】」

「【火設炎操・自焼】」


 黄色のラインがシロンを狙うが、途中でFの炎が焼き尽くした。

 彼が生み出したのは、自動でレールガンを焼く、完全メタ炎。

 音速の五倍で動くそれを捉えるのは難しかったが、リムスの強化と、シロンの方に飛ばされるのを読んでいたお陰で、なんとかなった。


 他にも、九本の首があるヒュドラが、毒を撒いてきたが、リムスの音楽のお陰で毒状態にならない。

 さすが、強化特化の必殺技だ。


「頑張れ深淵!」

「ああ!」


 大量の魑魅魍魎を撒いて、少しずつだが相手を削っていく。

 さて、相手はどう動くのか……


「【夢の繁茂する珊瑚ドリーム・オブ・コーラル】」


 相手のお姉さんみたいな女性が、地面に手を付け……結界の半分くらいまである、巨大な珊瑚が生えてきた。

 相手はそれを遮蔽にして遠距離攻撃を撃つ。


「【火設炎操・焼距】」


 試しに、Fが炎を撃ってみたが……その珊瑚はかなり硬い。

 だが、深淵の魑魅魍魎にとっては、少し遮蔽ができたくらいでは、ほぼ変わらない。


「ユー、追加」

『地球外生命体、投下開始します』


 さらに、ユーの地球外生命体を出して、モンスターの群れを増やした。

 これで、相手にとってはかなりキツ


「【不老不死海月ノ異名】」

「【偽りの魚群】」


 ……どうやら、まだ見せていなかっただけで、近接タイプもまだまだいたらしい。

 アンペルと共に戦った、再生能力の女の子が本髄を発揮し……どこかで見たことがある少女が、百人くらいに分身してモンスター軍団に対抗する。


「うーん、分身されたのが辛いね」

「私が前に出よっか?」

「いや、どうやら、あっちが動き出すみたいだよ」


 ツィンが前に出ようとしていると……相手が動き出した。


「〈油爆発〉」


カチ


 巨大モンスターの、細長い蛇が歯を鳴らすと……周りが爆発し、シロン達全員が、炎に包まれた。

 シロン達は知らないのだが、細長い蛇イクチの能力は、油を操ること。

 少しずつ油を送り込み、たった今、一気に起爆した。

 全体的にダメージが入り、一瞬前が見えなくなる。


「みんな、大丈夫!?」

「ちょっと静かにして!何か聞こえる!」


「〈GROW〉」


 炎が無くなり、視界が確保されると……シロン達の周りまで珊瑚が生えていた。


「……綺麗だね」

「ピヨ(ぼやっとするな!来るぞ!)」


 ぼんやりしているシロンを、ハルヒが叱咤する。


「〈立体起動〉」

「【Orcinus(冥界から) orca(の使者)】〈冥転〉」


 再生の女の子と……なんか強そうなオーラを放つ女性が、距離を詰めていた。

 珊瑚を伸ばしていたのは、ぬいぐるみを珊瑚に喰らいつかせて、高速で移動するためらしい。

 凄い速度で迫り、未だに混乱しているFに攻撃を加える。


「冥紅葬撃」

「あ」

 

 二人の合体技で、Fが一撃で死んだ。


「シロンは出ないでよ!【巣構築・美燕嶺徹】」

「【ヒギョウ様】」


 突っ込んできた二人に、ハルヒとツィンの二人で対応する。

 こちらにはツィンの領域支援効果が、相手にはハルヒの弱体化が入り、大きなステータス差がついた。


「〈ツバメ返し・麓恋〉」

「〈冥槍〉」


キンキンキンキンキンキン


 ツィンが、両手の六連撃を放ったが……なんか強そうな女性は、それを槍で全て捌いた。

 背後から深淵が魑魅魍魎で援護して、なんとか有利に立ち回っていく。

 だが……まだ相手のターンは終わっていない。


「〈GROW〉」


 再び珊瑚が伸び……その中の一本に、男の人が一人乗っていた。


「【全てを削るノコギリ(アブソリュートSaw)】」


 彼は、ノコギリを巨大化させ……UFOに向かって振り降ろした。


ザン!


 一撃に全てを掛ける、超パワー特化の必殺技らしい。

 UFOが真っ二つになり、爆散した。

 勿論、中にいたリムスもやられる。


「深淵、そいつを逃がさないで!」

「〈魑魅〉」

「ッツ!」


 深淵は、ノコギリの人に向かって大量の怪物を撃ち出した。

 彼は乗って来た珊瑚に隠れたが、深淵の怪物はその程度では止まらない。


「IKUTYAAAAAA」


 ノコギリの人を助けるために、油を操る大蛇、イクチが前に出てきた。

 器用に怪物のみを燃やし、ノコギリの人を下がらせるが……逆に、大蛇の方が孤立した。


「【フェアリー戦士 ウィンドグリーン】〈アトモプレッション〉」


 モンスター特攻能力を持つハッシュが突出し、圧縮された空気弾で大蛇イクチを消し飛ばした。

 あとは、突っ込んできた二人を仕留め切りたい。


「引こうとしてる!」

『させるか〈放電〉』


 宇宙ステーションラウルが、電気を流して痺れさせ、動きを悪くする。


「シロン!」

「任せて〈冥界の招き手〉〈クラッシュハート〉」


 再生の女の子を、背後からシロンが心臓を握り潰すことで即死させた。

 大将のシロンが動くのは予想外だったらしく、上手く不意を突けた。

 そして、強そうな女性の方も、


「これで……終わり!〈燕刀一文字〉」

「タダでは死なない。〈死槍〉」


 途中からハッシュとヒロとラウルも加わり、ツィンと深淵と合わせて五人で取り囲んで、なんとか倒すことができた。

 だが……最後に相手の槍がツィンの右手に掠った。


「……ベリーストロングでしたねぇ」

「最後の置き土産まで残してね」


 ツィンは槍が掠った右腕を抑えている。


「どうしたの?」

「右腕が動かない。まあ、普段から左手でも刀を振ってたから、そこまで問題ない……と思う」


 これで、現状は7VS7。

 ツィンの腕が動かないのが少しアレだが、ほぼ互角の状態。


「【RAILGAN】」

「うわ!」


 ツィンの心配をしていると、シロンに向かって黄色の閃光が飛び、右脇腹の装甲が剥がれた。

 ……よく考えてみると、Fが死んだから、アンペルのレールガンに対抗する手段がない。


「みんな、珊瑚に隠れて!」

「【RAILGAN】」


 ツィンの冷静な指示に従い、こちらまで伸びていた珊瑚に隠れた。

 この珊瑚、レールガンの一発くらいは防げるし、こっちの位置はバレないしで、かなり便利だ。


「どうする!?」

「このまま、珊瑚に隠れて降りていくしか……」


「【全てを削るノコギリ】!」


 隠れて作戦を話し合っていると……いきなり頼みの綱である珊瑚がなくなった。

 どうやら、ノコギリの人が切り落としたらしい。


「【RAILGAN】」

「……ラウル、壁」

『ヴッ』


 宇宙ステーションが前に出て、なんとかレールガンを受け止めた。

 電気に耐性があるお陰か、思ったよりは持ちそうだ。


「深淵、あのヤバい奴狙って!」

「やってみる〈魑魅〉」

「〈流墜漸〉」

「〈翔流漸〉」


 深淵が、アンペルに向かってさらに妖怪を出したが、護衛の分身する人(刀使い)が複数人で斬り伏せた。

 その間にも、宇宙ステーションにはレールガンが刺さり続ける。


「どうする?」

「……俺が突っ込む」


 そう宣言したのは、ヒロだった。

 彼の突撃必殺技で押し切るつもりらしい。


「でも、ここからじゃ遠いでしょ」

『なら、近づくしかないだろ』


 宇宙ステーションからラウルの音声が聞こえ……彼は、前に進んだ。

 体中にレールガンが当たるが、それでも一歩も引かず、前に、前に。


「ラウル……」

『オイオイ、しっかり隠れてろよ。……頼んだぞ』

「オウ!」


 ラウルの献身によって、珊瑚がある所まで近づけた。

 ここまで近づければ、十分。


「【牽喰い倪り】」


 ヒロは、飛び上がって足を突き出し……光りを纏って、アンペルの方に突撃した。


「〈BRANCHES〉」


 珊瑚が枝分かれし、ヒロの行く道を阻んだが、その程度では彼は止まらない。

 次々と珊瑚を砕き、アンペルに足を向ける。


「HYUUUU!」


 その時、近くにいた、九つの首を持つヒュドラが、アンペルを守る様に間に割り込んだ。


「うおおおおおおおおおおおおお!」


 ヒロは、異形の怪物に突っ込んでいき……奴の体に大きな穴を空けた。

 しかし……ヒュドラを通過した時に、少しだけ軌道が逸れてしまった。

 数センチの差で、アンペルには当たっていない。


「……ピヨ(アニキのバカ)」

「【RAILGAN】」


 超近距離からレールガンを撃たれ、ヒロは死んだ。

 ……しかも、体に穴が空き、数本の首が千切れたヒュドラも、殺り切れていない。


「ピヨ(カッコつけて『俺が突っ込む(キリッ)』とか言ってたのに)」

「止めてあげて!」

「あそこまでやれたら、倒せたのも同然ですから〈ブリーズビーム〉」


 ハッシュが、モンスター特攻能力を活かして、ヒュドラを粉々にした。

 瞬間。


「【参億匹の仲間】〈捧命矢〉三千万」


 宇宙ステーションから顔を出していたハッシュの頭に、矢が刺さった。


「え?」

「ハッシュー!」


 少し遠くの珊瑚の影から、ガタイの良い男の人が、弓を構えていた。

 直ぐに深淵がモンスターを撃ち出すが、分身する少女が付いていたらしく、全て斬られていしまった。


 これで、人数は5対6で、少し不利だ。

 さらに、もうそろそろラウルも限界である。

 しかし……ラウルに電気はダメだった。



『……これが俺の最後の電気だ』


 今までレールガンから吸収してきた電力をフル活用し、宇宙ステーションが眩く光り始めた。

 凄まじいエネルギーに、味方のシロン達ですら恐怖心を抱く。


「〈GROW〉!」

「【全てを削るノコギリ】


 ラウルを止めようと、また珊瑚にノコギリの人を乗せるコンボで突っ込んできた。

 巨大化したノコギリが振りかぶられる。

 アレにはUFOを一撃で真っ二つにする攻撃力があり、ボロボロになった宇宙ステーションで耐えられる訳がない。


『誰か、止めてくれ!』

「ピヨ(分かった。【ヒギョウ様】)」


 ハルヒが目を見開き、ノコギリの人を弱体化させる。

 ノコギリのスピードも遅くなったが、まだ足りない。


「ピヨ!(〈殻盾(じゅう)(まい)重ね〉)」


 殻の盾を十枚も展開し、ノコギリを受ける。

 盾自体は、何の抵抗もなく斬られてしまったが、殻盾を圧縮させて、白刃取りの要領でノコギリを遅くした。

 しかし……その努力も虚しく、次々に盾は斬られ、ハルヒごと真っ二にされてしまった。

 そのまま宇宙ステーションにもノコギリが迫るが……十分時間は稼げた。


『ありがとうハルヒ。〈超電圧流散雷雷気 AΩV サンダートランジスボルト〉!』


ピカ  バチバチバチィ


 相手の能力は、Seaの方を読んで下さい。


 思ったより時間が掛かっているので、まだ人気投票は受け付けています。

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