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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
最終章 空海決戦
72/76

突撃

 空海決戦が始まる時。

 特に作戦などは定めず、各クランで自由にやってもらう予定だ。


「勝てるかなぁ」

「大丈夫。なんとかなるよ」


 シロン達、《チーム・スカイマウス》のメンバーは、遥か上空にいた。

 詰められた時に、連携が取りやすいように見知ったメンバーで固めてある。

 そして、相手の本陣は海底にあるらしい。

 こっちが上から始まる分、少し有利かな?

 ちなみに、大将の位置情報はバレるので、隠れたりはできない。


 開始時間が迫り……本陣に、最前線の様子を見ることができるモニターが出現した。

 結界で包まれた海面を挟んで、鳥人間と魚人間が睨みあっている。

 こう見ていると、壮大な映画みたいだ。


「おー、凄い」


 シロン達は、画面を食い入るように見ていると……海面にザ・バードと、ザ・フィッシュが現れた。

 今回は合同のイベントなので、二人で開始宣言をするらしい。


『そろそろ始めます。デュエル開始ィィィ!』

『そろそろ始めるよ。デュエル開始ィィィ!』


 二人の叫び声で、海面に張られていた結界が解除され、決戦が始まった。

 すぐに多くの人が必殺技を発動させ……


「【顕幻・セイレーン】」

「【顕幻・リヴァイアサン】」

「【顕幻・海坊主】」


 Sea側は、怪物達が最前線に並んだ。

 UAOの中で、【顕現・〜】というのは、その生物になる必殺技のこと。

 例えば、【顕現・ドラゴン】だと、発動させた本人はドラゴンになる。


 もしかして……相手は統制がとれてる?


「ひ、怯むな。撃て!」

「【接着粘着汎弩】」

「【The power of God】」


「【王水 NOCl】」

「【音響指高破膜】」


 最初は遠距離一撃必殺の打ち合いになったが……相手は、怪物達の影に隠れたせいで被害は少なく、こっちは結構集まっているせいで、数十人が一気に持ってかれた。

 しっかり作戦を立てて行動している、あっちが有利だ。


「え、ヤバくない?」

「ノープロブレムです」


 シロンは不安になっていたが、ハッシュは何故か余裕そうである。


「……どうして?」

「こっちには、頼りになる戦士がいるじゃないですか」



「【フェアリー戦士 ファイアレッド】」

「【フェアリー戦士 ウォーターブルー】」

「【フェアリー戦士 ランドイエロー】」


 最前線に、3人のフェアリー戦士が現れた。

 そして、それぞれが魔法を放つ!


「〈メラバーン〉」

「〈バケットレイン〉」

「〈アースエンジャー〉」


 モンスター特攻能力により……相手の怪物達は跡形もなく消し飛んだ。

 強固な壁が一気に無くなり、焦った相手に、攻撃をしていく


「【鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス】」

「【鉄扇・嵐の舞】」

「【グランドクロス T セイントオーヴァー】」


 これまでの不利を覆す様に、十数人の魚を倒した。

 不利を悟ったのか、一旦体勢を立て直すために、相手は一旦引いていく。

 追撃しようと、こちらが前に出た瞬間。


「突撃ィィィ!【ワン ヒット ピアー】」

「【影の王国の住人】」

「【WHITE・DEATH】」


 フェアリー戦士達が厄介だと思ったのか、特攻要因が突撃し……3人ともやられてしまった。

 まあ、アレだけやれれば十分だろう。


 相手の殿(しんがり)を冷静に倒しつつ、前線を上げていく。


「【バード×キャット】」

「【一撃必殺針】」


 ……数人は持っていけたが、どこか違和感がある。

 例えば、『初めから下がるつもりだった』とか。

 シロンが、嫌な予感を抱いていると、


「第二陣、行きます!【顕幻・タニファ】」

「【顕幻・レヴィアタン】」

「【顕幻・栄螺鬼】」


 第二陣の怪物達が現れ、再び壁を成した。

 こちらにも【顕幻・~】系の怪物はいるが、特に考えずに単独でいるため、囲まれてやられてしまい、有効活用できていない。


「【水地雷・氷の型】」

「【バクテリア アクティベーション】」

「【Διαφανείς μέδουσες】」


 至る所で氷化する爆弾が爆発し、水を飲んだ人々が毒に苦しみ、透明だったクラゲに刺された。

 どうやら、相手は撤退する最中にトラップを仕掛けていたらしい。

 やっぱり、仕組まれたものだった。

 トラップで混乱が起こり、その隙を相手の前線部隊が刺す。

 こちらの前線は瓦解し、大きな人数差がついた。




「ダメ、人数差と戦意で押し切られてる。このままだと、残り10分くらいでこっちの本陣まで来るよ!」


 ツィンが、絶望的な現状について報告した。

 ちゃんと作戦を立てていた、相手が偉かった。


「ツィン……打開策ない?」

「……一つだけ。クラン決戦システムって知ってる?」

「何それ?」


 クラン決闘システムとは、逆転用の救済システム。

 大将にのみ使え、一定範囲内に相手の大将がいると、両方の大将とそのクランメンバー以外の干渉を受けない結界が展開できる。

 大きな人数差があっても、大将にさえ近づければクランVSクランまでに縮められるのだ。

 運営によると、大将の二人が同じ10人のクランリーダーなので、このシステムが採用されたらしい。


「つまり……相手の本陣まで行ければ、10VS10にまでできる」


 大将であるシロンが最前線に出なければならない、捨て身の戦法。

 だが、ここから勝つにはそれしかないのだ。

 シロンは、即決した。


「行こう、海底まで。みんな、力を貸して」


「付いてくよ」

「しゃーない。行こか」

「ピヨ」


 《チーム・スカイマウス》の全員が揃い、翼を羽ばたかせた。

 本陣の近くに残っていた人たちも束になり、一つの集団になった。


「目指すは一点突破!《チーム・スカイマウス》の全員を、一人も欠けることなく、相手の本陣まで送り届ける!」

「おおおおおおおおおお!」


「うわ、なんだこいつら!?」

「大将がいるぞ!打ち取れ!」

「その白い奴だ!【スターレイス ж スイレータス】」


「【ヒギョウ様】」

「【鱗粉破片粉粉目潰】」

「【ウォール オブ プラチナ】」


 弱体化や防御系能力を使って、少しでも危険を減らしつつ、脇目もふらずに海底に向かって降りていく。

 

「逃すな、打ち取れ!【ロスト アサルト】」

「【ROCKET ALTER STAND】」


 やっと入水して、残り半分といった所で、シロンの装甲が剥がれ、HPバーが少し短くなった。

 それでも、シロンは味方を信じて進むしかない。


「大将にダメージ入ってるぞ!」

「守れ守れ【絶対防護ノ障壁】」


「【ワールド ワンダー ワットレット】」


 必殺技が飛び交い、先頭のシロンはドンドン傷つき……


「【絶対切断 (ハサミ)】」


 残り少しといった所で、ついにシロンの首が飛んだ。

 相手の方は湧き上がったが……こちらは止まらない。

 相手の魚達が湧き上がっているとシロンの死体は変貌していき……いかつい男になった。


「【王武返志】」


 やられたシロンは、オウムの偽物。

 大将の位置が分かると言っても、アバウトな場所しか分からないので、それを利用して、偽物を矢じりに立てていたのだ。


「本物はどこだ!?」

「もう時間ねえぞ!」


 そう、もう相手の大将までほとんど距離がない。


「【ウォール オブ アルカトルズ】」


 最後に壁を作られたが、シロンはようやく必殺技を発動させ、


「【古代凱装羅骨】〈霊爪〉!」


 霊力の爪で壁を破り……Seaの大将、イグノを発見した。

 もうこの距離は、結界を発動できる距離。


「「クラン決戦結界、機動!」」


 二人の大将の間から、四角い結界が広がっていき、クランメンバー以外は押し出される。

 《チーム・スカイマウス》の他のメンバーも、ほとんど傷つかずに結界内に突入し、絶望的な盤面を10VS10にまで持っていけた。


「勝つよ!」


 ……みんな、オウム覚えてるよね?

 相手の全てをコピーするやつよ?


 現在Sky240pt Sea196pt

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