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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第四章 超インフレ編
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決勝

「うん、なんか決勝まで行っちゃった」

『すごいじゃん』


 さすがに決勝となると緊張してしまい、落ち着くためにツィンに電話を掛けた。

 長い付き合いから、会話しているだけで安心する。


「ツィンはどうして負けちゃったの?」

『普通に変身系にやられた。私の必殺技は味方の強化能力でもあるから、一対一だと出力が足りなくなるのよ』

「あー、そっか」


 もう少し会話していたかったが、そろそろ行かなければならないらしい。

 会場に続く門が光り出した。


「じゃあ、行ってくるね」

『行ってらっしゃい』

『ユーキャンドゥーイットです』

『ちょっと、割り込んで来ないで!』

『ピヨ(頑張れよー)』


 最後にゴチャゴチャになって、ツィンからの電話は切れた。

 あはは……と笑いつつ、シロンは決勝の地へと向かった。




 決勝でも、相も変わらず殺風景な会場。

 相手は……【不死鳥(フェニックス)】のフレイドだった。


「やあ」

「よろしくお願いします」

「ああ、よろしく頼む」

「……今度は勝ちます」

「ああ、全力で戦おう」


 三回イベントで負けたのをまだ覚えていた。

 いつもより強く闘争心を燃やす。


 もう少し会話していると、中央にザ・バードが現れた。

 全ての開始宣言をしてきた彼は、少しやつれているような気がする。

 それでも声を張り上げ、最後の開始宣言をした。


『デュエル開始ィィィ!』

「【古代凱装羅骨】」

「【顕幻・フェニックス】」


 シロンはいつものをして、フレイドは……体が発火した。

 その炎が段々と大きくなり、鳥を形作る。

 火が無くなり、そこから現れたのは、体をオレンジに発光させ、翼の端を燃やしている火の鳥、フェニックス。

 尾の様な物を率い、大きな咆哮を上げた。


「Feeeeeeeee!」

「……いくよ!〈ゴーストジェット〉」


 今一度気合を入れなおし、霊力のジェットを起動した。

 燃えていない胸部に突撃して拳を振りかぶる。


「〈爆霊覇〉」


 フェニックスに莫大な霊力を流し込み、局地的に内部から爆発させた。

 そこまで硬くないのか、一気に2割削れた。

 ちなみに、フェニックスの体温はかなり高いが、鎧越しなこともあって、ダメージを食らうレベルではない。

 もう一発食らわせようと、拳を振りかぶった瞬間。


「〈発火〉」


 不穏なスキル宣言をされたので、一旦離脱し……フェニックスの体が大きく燃え上がった。

 これでは近づけない。

 さらに、その翼を羽ばたかせ、大量の炎の矢を撃った。


「〈火矢雨〉」

「っと!」


 シロンは霊力のジェットを使って回避運動をとり、炎の矢を躱す。

 時々当たってしまい、熱でダメージを食らうが、そこまで大きな損傷にはならない。

 ちなみに、骨が燃える温度は500度以上なので、この程度の熱で焼失してしまう心配はない。


 数十秒経つと、一旦炎の矢は収まった。

 しかし、まだ体は燃えたままなので、触れないで攻撃する必要がある。


「……心臓の場所は分からないけど、これしかないよね〈霊界の招き手〉」


 フェニックスに近づいて、霊力の腕を伸ばした。

 結構大きな体の中から、ピンポイントで心臓を探さなければならないので、両腕でフェニックスの胸辺りを弄る。


「〈火趾(ひし)・十字〉」

「ッツ!」


 それを見たフェニックスは、炎の勢いを強くした足を振り、十字を書いた。

 シロンは一旦霊力の腕を引っ込めて、クルっと回転してその足を回避した。

 そして、心臓捜索を継続する。


「あった。〈クラッシュハート〉」

「ッグ!」


 その巨体から分かりにくかったが、普通の鳥とほぼ変わらない所にあった。

 大きな心臓を両手で掴み、思いっ切り圧し潰す!

 一撃で完全破壊には至らなかったが、HPは一気に残り2割まで削れ、口から血を吹いた。


「〈炎珠〉」


 フェニックスは翼を上に上げ、大きな炎の玉を作ったが、もう遅い。


「〈クラッシュハート〉」


グシャァ!


 二回目の攻撃で、遂にフェニックスの心臓を握り潰した。

 勿論HPは全損し、落ちていく。

 ……だが、相手は文字通り不死鳥(フェニックス)


 さっき作った炎の珠も落ちていき……死体が燃え上がる。

 その時、シロンは思い出した。フェニックスは火で復活するのだということを。

 ゼロだったHPは回復していき、直ぐに満タンまで回復した。

 恐らく、体内では心臓も修復されているだろう。


「……やっぱりそうなるよね」

「Feeeeeeeee!」


 フェニックスは飛び上がり、死の淵から復活した。

 元気よく、咆哮を上げる。


「なら、もう一回倒す!」

「できるといいな。〈火矢雨〉」


 もう一度沢山の火矢の雨が降り、シロンのHPを少しずつ削っていく。

 持久戦になると、どうやってもシロンの方が不利だ。

 火矢は少し経ったら止むのはもう分かっている。

 出来るだけ躱して接近し、再度霊力の腕をフェニックスの心臓に伸ばした。


「〈クラッシュハート〉」


 もう一度心臓を握り、一気に6割削った。

 あと一発で倒せる。


「確二はおかしいだろ……〈火妖碑(かようび)〉」


 フェニックスは、血を吐きながら一つのスキルを使用し……辺りに野球ボールくらいの火玉が数十個作り出された。

 挙動不審に動き回り、周りが明るくなる。


「〈クラッシュハート〉」


 フェニックス、二回目の死。

 しかし、死ぬ直前に放った火の玉が死体に当たり……また復活した。


「……もしかして、復活回数無限だったりします?」

「さあ。でも、これまで復活できなかったことはないね。〈火矢雨〉」


 もう一度復活したフェニックスは、またもや火矢の雨を降らせた。

 またシロンはそれを躱し……回避運動をとっていると、浮遊していた火玉と正面衝突してしまった。


「あつ!」

「そこだ!」


 さらに、火の玉で目が眩んでいる間に、シロンの鎧に火矢が刺さる。


「ッツ、〈ゴーストジェット〉!」


 緊急全力ジェットで加速し、火矢を振り切った。

 しかし、目と空気穴に火が入り込んだせいで、かなりHPが削れてしまっている。

 残りはほんの少ししかなく……次の火矢すら怪しい。


「……次で決めるしかない〈霊界の招き手〉」


 また霊力の腕を作り出し、心臓の方に腕を伸ばす。


「〈火趾・十字〉」


 燃えた足が襲い掛かって来たが鎧で止め、残り少ないHPがもっと心もとなくなった。


「〈クラッシュハート〉〈クラッシュハート〉」

「グッ!」


 二回の握りつぶしで、フェニックス3回目の死。

 そして……ここからが勝負だ。


「〈霊鎧〉〈ゴーストジェット〉」


 霊力の鎧を纏い、さらにジェットで加速し……フェニックスにぶつかる寸前の火玉を殴って消した。

 今度は反対側の火玉を弾き飛ばした。

 次々と近づいてくる火玉を殴りつけ、フェニックスの死体に火を近づけない。


 四方八方に飛び回り、全ての火玉を弾いていく。

 30秒ほど、火を拒んでいると、フェニックスの死体は光り出し……やがて消えていった。


「勝った?」


 シロン、優勝。



 四章はここまでです。

 ブックマーク高評価お願いします。

 ……特に高評価お願いします。多分、評価数がブックマーク数の9分の1しかない作品なんてうちくらいだよ。

 10分の1を目指そうとかじゃないから。

 ……もしかして、あんまり面白くない?


 そろそろテスト期間に入るので、2週間ほど更新が止まります。

 ちなみに、文章力から分かるかもしれないけど、筆者は高校生です。

 ……筆者の進級と補習が掛かってるので、ガチります。

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