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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第四章 超インフレ編
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第五回イベント 一回戦

 7月の終わり、もう恒例になってきた月末イベントが始まった。

 内容は告知通りタイマン。


 シロンチーム・スカイマウスのメンバーは、イベント会場の一角で駄弁っていた。

 ちなみに会場とは、決闘場みたいな場所。


「みんなそれぞれ頑張ろうね。もし戦うことになったとしても、全力で戦うのが礼儀だから」

「ピヨ(当然)」

「フッ……我が天に立つ」

「さあ、行こう」


 メンバー達は分かれて、それぞれの戦いの地に赴いた。





 シロンは会場の光る門を通り、一回戦の決闘場に着いた。

 相手は……なんか真っ黒な人だった。

 体中全て真っ黒。


「よろしくお願いします」

「は?」

「ヒィィィィ!」


 ちょっと挨拶してみたけど、見た目通り粗暴な返事しか返って来なかった。

 軽く泣きそうになっていると、決闘場の中央にザ・バードのホログラムが現れた。

 やっぱり開始の宣言はこの子なのね。


『では、始めます。デュエル開始ィィィ!』

「【古代凱装羅骨】」

「【CROW(クロウ) ARMYアーミー】」


 シロンがいつもの如く骨を纏い、黒い人は大量のカラスを呼び出した。

 その数、数えるのが嫌になるくらい。

 相性で言えば、鎧で小さな攻撃は無効化できるシロンの方が有利といったところか。


「行くよ!〈霊爪〉〈ゴーストジェット〉」


 対単体用の〈爆霊覇〉や〈冥界の招き手〉ではなく、攻撃範囲が広い霊爪を装備して、霊力のジェットで駆けだした。

 近くにいるカラスを斬りつけて、黒い人本体を狙う。

 彼はそれに対抗してスキルを使った。


「〈BECOME CROW〉」


 シロンの目の前をカラスが通り過ぎ……その瞬間、黒い人の姿が消えた。

 一応透明化などの線も追って、さっきまでいた場所を霊の爪で攻撃したが、当たった感触はしない。


 まあ、流石に勉強が苦手なシロンでも、相手が宣言したスキル名は分かる。

 確か、BECOMEは……『~になる』とかそんな感じで、CROWは……黒だっけ?


「『黒になる』……つまり黒いカラスになるってことだね!」

「奇跡的に結論はあってた……」


 つまり、カラスの大群の中の一羽に化けているということだろう。

 ……今のところどれが本体か分からない。


「どれか分からないなら、全部倒せばいいじゃない!」

「えぇ……〈THROW GARBAGE〉」


 シロンは言葉通り片っ端からカラスを引き裂き、それに対してカラス達はゴミを投げた。

 食べカス、紙屑、ホコリの塊など様々な種類のゴミが360度全面から投げられる。

 ダメージは小さいが……精神的に辛い。


「ただの嫌がらせじゃん!」

「そうでもねえぞ」


 ゴミがシロンの鎧に纏わりつき、


「カアアアアア!」


 カラス達が凶暴化した。

 自分でゴミを投げつけ、そのゴミに反応して凶暴化するマッチポンプ。


「行け!〈CROW ATTACK〉」

「わッ!」


 遠くのカラスは継続してゴミを投げ、近くのカラスは嘴でシロンの鎧を突く。

 ダメージはやはり少ないが……骨をかじるのに慣れているのか、骨の鎧が削れている。


「これちょっとやばい!?」

「へッ、ゴミにまみれて死んで行け!」

「そこ!」


 霊爪を伸ばして、右斜め後ろくらいを斬った。

 その辺りにいたカラスが真っ二つになるが……一羽だけ動きが速い奴がいた。


「クソ、何故バレたんだ!?」

「そっちから声が聞こえた!」

「あ」


 実にアホな理由で本体が割れた。

 なんとしても見失わない内に止めを刺す!


「〈霊界の招き手〉」

「なんだこの腕!?」


 霊力の腕を伸ばし、本体をピンポイントで狙う。

 しかし、いつもなら見れないハズの霊力の腕が相手にも見えているらしく、避けられる。


「もう一本。〈霊界の招き手〉」


 左手からも霊力の腕を伸ばして、追い込みにかかる。


「〈霊界の払い足〉」 

「それは卑怯だろ!」


 手だけでも殺りきれた気がするが、おまけに霊力の足も伸ばして、四肢全てが本体を襲う。

 中途半端に見える分、可哀そうなことになっていた。


「つっかまーえた!」

「ギャー!」


 カラスの小さな頭を破壊し、勝利した。


【カラス】

大群 指揮能力

群れを成して生きるから、自分で群れを作る能力。

昔は神の使いとか言われることもあったため、霊力が見えた。

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