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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第一章 始まり
6/76

リンゴリラッパンドラ

『ダンジョンに行ってみない(*/>∀<)/?』


 難しい宿題をやっていた真白の元に、一通のメールがやってきた。


『いい景色が見れるよ』

「行く行く!ちょっと待っててね」


 もう宿題のことなど頭の中から抜け落ちて、UAOにログインした。



「遅い!」

「ごめん、後で何か奢るから」


 絶対にやらなければならない要件があって、待たせてしまったツィンに両手を合わせて謝った。

 彼女は少しムッとしていたけど、すぐに戻って、


「まあいいや。行くよ」

「はーい」



 幽霊と落ち武者のコンビで数分飛び回り、とある洞窟に着いた。


「ここがダンジョン?」

「そ。ちょっと難易度高いらしいけど、」

「そこを攻略するの楽しいよね」


 そう言って、洞窟に入っていった。

 かなり広めの洞窟で、戦闘の邪魔になることは少ないだろう。

 日光が入らないせいで少し薄暗いが、ちょっと視覚に補正がかかるみたいで、ある程度は辺りが見えている。


 洞窟内を飛んで進むが……何も出てこない。


「……暇だねー」

「しりとりでもする?」

「リンゴ」

「ゴリラ」

「ラッパ」

「ヘビー!」

「次パだよ?」

「違う、ヘビ鳥が出てきたの!」


 天井に幾つかの穴が空いていて、ヘビ鳥が這い出してきた。


「私は左をやるから、シロンは右ね!」

「分かった」


 蒼いオーラを纏った拳を握り締めて、ヘビ鳥をドカドカ吹っ飛ばしていく。

 ちょっと数が多い上、一発食らったらほぼ即死だから、意識の外からの攻撃に気を付けつつ、


「霊力パンチ!」

「SYAAA!」


 ツィンも新たに購入した長剣を振り回して、間合いに入って来たヘビ鳥の首をどんどん切り落としていく。

 長剣の小回りが効かない部分をスキルの空気の刃でカバーし、その隙に長剣を入刀する。

 数十秒後には、ヘビ鳥は全滅していた。


「ナイス!」

「いいねー」


 そこから進もうとすると……宝箱が落ちている。


「宝箱だー!中身はなんだろな?」

「ダメ!」


 ツィンの顔は、青ざめを超えて白くなっていた。


「どうしたの!?」

「とにかく、宝箱は開けないで。絶対ミミックだから!」

「ミミック?」

「行くよ!」


 ちなみに、ミミックとは宝箱に化けてプレイヤーを奇襲する、一部のプレイヤーにかなり嫌われているモンスターだ。

 特に、あるVRMMOをしていたプレイヤーには、魂に刻まれるレベルのトラウマになっている。


「本当に開けなくていいの?」

「いいの!しりとりの続きするよ、パンドラの箱」

「こ、コアラ」


 その後、しりとりを続けながら洞窟を進んでいると、


ゴン バシ!


 戦闘音が聞こえてきた。


「どうする?」

「ちょっと見てみて、ピンチだったら助けよう」

「そうだね」


 前の戦闘を少し覗いてみると……金髪のデカい男性と小さな少女の二人組が、大量のヘビ鳥に囲まれて、大変なことになっていた。


「……これ、助けた方がいいんじゃない?」

「行こう!」


 洞窟の岩の影から飛び出して、一番近くにいたヘビ鳥を吹っ飛ばし、首を斬り飛ばす。

 

「加勢いりますか?」

「おお、頼んだ!」


 そうして、後ろ側のヘビ鳥をシロンとツィンで討伐し、前の奴を金髪のデカい人が蹴り飛ばす。

 もう一人の金髪の小さい少女は……謎の白い盾で攻撃を防いでいた。


 

 

「ふう。助けてくれてありがとな、俺はヒロ。ほら、ハルヒも」

「ピヨ(ありがとう)。ピヨ(私ハルヒ)」


 ピヨとしか聞こえないのに、頭の中に何と言っているか分かる。

 何かの能力が働いているのだろう。

 大きな男性はヒロ、小さな女の子はハルヒというらしい。


「私はシロンで、」

「私はツィンです」


 シロンたちも軽く自己紹介をして、


「私たちも二人だと不安だし、ここで会ったのも何かの縁。一緒に攻略しませんか」

「願ってもない。よろしく頼む」

「ピヨ(アニキ?)」

「いいだろ別に。俺だけじゃ火力が足りないんだよ」

「よろしくねー、ハルヒちゃん」


 シロンは、ハルヒの身長に合わせてしゃがみ、ニコッと挨拶した。

 当のハルヒはヒロの足に隠れてしまったけど、チラっと目を出して……


「……ピヨ(よろしく、シロン姉)」

「かわいー!」

「ねえ、私は?」


 ……何故か、ツィンに挨拶することはなかった。


 この小説内で、ステータスの実数値を書く予定はありません。

 理由は面倒だから。最初は書くつもりだったけど、難し過ぎて断念した。要望が多かったら頑張る。

 こっちの方が速いとか、レベルとかには触れていくので、その辺から推測してください。


 あと、特殊なスキルが絡んでいない限りは、『どこかが高いステータスになっている時は、どこかが低い』という認識でお願いします。


 例 攻撃と素早さが高い→防御は低い

   全部バランス的に上げてる→特化には負ける

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