表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第四章 超インフレ編
56/76

インフレの先へ

「〈爆霊覇〉」

「GARI!」


 火星に赴き、〈爆霊覇〉で氷鳥を倒した。

 これで深淵の必殺技に必要な分の、氷鳥の氷が集まった。

 それを伝えるため、深淵にメッセージを送る。


「終わったよ」

『感謝する』

「あと集めた方がいいのある?」

『大丈夫、ヒロとハルヒのも全部集まった』



 必殺技を解放したシロン、ツィン、ヒロ、ハルヒ、深淵の5人は、再び神殿のダンジョンの前に集まった。

 前と同じ要領でカミ鳥を倒していき、金色の雲のところまで辿り着いた。

 ちなみに、ここまでの道のりでそれぞれの必殺技を共有している。


「よし、今度は勝つぞー」

「おー!」


 指揮を高めて、金色の雲を通過した。



 戦闘にヒロとハルヒ、中衛にシロンとツィン、そして後衛に深淵のいつもの構成で挑む。

 そして、また影が濃くなっていき……筋骨隆々の神が降臨する。


「GOOOODEM」

「作戦通りに行くよ。【巣構築・美燕嶺徹(びえんりょうてつ)】」


 真っ先にツィンが必殺技を発動させた。

 半透明な鳥の巣の様な物が広がり、周りにツバメが飛び回る。


「次!」

「【魑魅魍魎(ちみもうりょう)百鬼夜行(ひゃっきやこう)】」


 次に、深淵が必殺技を発動させ……彼女の袖から打ち出されたのは、巨大なヘビやカラス、妖怪的なモンスター達。

 それらが、標的である神に襲い掛かる。

 体中にヘビが噛みついて毒を入れ、カラスが肉をついばみ、化け物達が様々な攻撃を加えた。

 その巨体からか小物に対応しにくい神は、顔をしかめている。


 昔話の舌切り雀では、小さなつづらにはこれまで深淵が使っていた黄金が入っているが、大きなつづらには魑魅魍魎が入っていた。

 そうやって、強欲な者が裁かれる昔話のいつもの流れになっている。

 ……ネットで無料で読めるから、分からない人は読んで下さい。

 多分3分くらいで読めるから。



「GOOOODEM」


 魑魅魍魎を剥がすより、こちらを攻撃することを選択したのか、また腕を振りかぶった。

 それに対抗して、ハルヒが必殺技を使用する。


「ピヨ(【ヒギョウ様】)」


 目を大きく見開いて、神を睨み付け……奴の動きがとても緩いものになった。

 その貧弱な攻撃を、軽く殻盾で受け止める。

 動揺したように、蹴りや溜め攻撃を放つが、殻盾にはヒビすら入らない。


 ヒギョウ様とは、昼と夜の12時に生まれるヒヨコのことだ。

 人間の目をしていて、それと目を合わせると廃人になってしまう。

 一応直す方法も存在しているが、それは以前の人と違う人間になると言われている。

 現在でも、12時に生まれるヒヨコの卵は捨てる養鶏場もあるらしい。

 この伝説がスキルとなり、ハルヒに睨まれた者には強烈な弱体化が掛かる。


「ピヨ(余裕だ)」

「私の領域を活かしたいから、少し下がって」

「ピヨ(了解)」


 全く押される気配がないハルヒは少し下がって、ツィンの巣内で戦う様になった。

 地味な能力だからもう紹介してしまうが、領域内ではツィンのステータスが倍増し、ついでに彼女の仲間のステータスも上がる。

 ツバメの巣作りが元となったものだ。


 ツィンは倍増したステータスで回り込み、


「〈燕刀一文字〉」


 ハルヒの弱体化で弱った筋肉を貫いて、腕の半ばまで切れ込みを入れた。

 そして、その動揺に付け込んで、今度はヒロが必殺技を使う。


「【()喰い()り】」


 日曜ライダーの如く大きく飛び上がって足を突き出し、グレーのオーラを纏った。

 瞬間、蒼、赤、グレーの色が混じった閃光が走る。


「ラァ!」

「GO!?」


 ヒロの必殺技は、文字通り必殺の一撃。

 全てを貫いて破壊する、最強の蹴り。


 直撃する瞬間に姿勢を変えられたせいで少しズレたが、神の胸元にぽっかりとした穴が開いた。

 心臓破壊は失敗したが、深淵が継続して魑魅魍魎を撃っているのもあって、奴のHPが半分くらいまで削れる。



「すまん、しくじった」

「まあ、大丈夫でしょ。ちょっと面倒なことになるけど」

「GOOOOOD」


 HPが減った神は、咆哮を上げて三色天使を呼び出した。

 天が光り、天使たちが降り立つ。


「じゃ、行ってくるね〈ゴーストジェット〉」

「よろしく」


 作戦通り三色天使を倒すため、シロンは上空に飛び上がった。

 そして、彼女の必殺技を発動させる。


「【古代凱装羅骨(こだいがいそうらこつ)】」


 シロンの体から、白い鎧……骨が這い出してきた。

 体、足、腕、指先、全てが骨で包まれ、羽は完全に骨製になる。

 頭にはドラゴンの頭蓋骨の様な物をかぶり、目がキラリと光った。


「〈ゴーストジェット〉」

「WATER」


 いつもの……いや、いつもより激しいジェットで青色に突撃する。

 水魔法で攻撃してきたが、腕の外骨格で払いのけ、


「〈霊界の招き手〉」


 ゆっくりとしか動かなかった霊力の腕が、凄まじい速度で伸びていき、一瞬で奴の心臓をもぎ取った。

 他の赤と黄色は、驚愕しつつも魔法を放ってきたが、全て骨で弾き飛ばす。

 そして、両手から霊力の腕を伸ばし……一気に二つの心臓を握り潰した。


 シロンの必殺技は、古代の力を活性化させるというもの。

 骨のアーマーで全身の防御力を上げ、霊力を数倍に上昇させる。

 さらに、謎の力で状態異常無効もつき、元の防御力も上がり……凄い強化状態になることができる。


「終わったよー」

「……お疲れ。ついでにこっち手伝って」

「分かった〈ゴーストジェット〉」


 ツィン達を手伝うために、神の方に向かって行った。

 そして、同じく回り込んでいたツィンと同時に翼を破壊した。


「〈霊爪(ソウルネイル)〉」

「〈ツバメ返し・乱〉」


 両方の翼を破損し、さらに深淵の魑魅魍魎も絡まって上手く動けない。


「ピヨ(今度は外すなよ)」

「分かってるよ。【牽喰い倪り】」


 二回目のヒロの必殺技が心臓部を貫き、神を倒した。

 ドロップアイテムは、[特能ツバサ]と虹色綿あめだった。


 ……なんか古代って骨のイメージあるよね。

 ちなみに、ヒギョウ様の話はマジ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ