表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第四章 超インフレ編
55/76

必殺ポーズ

 真白は、久しぶりに自分の意思と関係なくログアウトした。


「やられたー!」


 布団の上でバタバタと足を動かし、悔しさを誤魔化した。

 そこで、初めて携帯がバイブしてるのに気付き、それを手に取った。

 見て見ると、ツィンこと芽衣からの電話。


「もしもし」

『負けちゃった』

「うん、見てた」


 ダンジョンでは、仲間が生き残っているなら観戦室に送られるらしい。

 ボスを倒して、ダンジョンをクリアしたら復活できるのだが、今回はそうはならなかった。


「ツィン達はどんな感じだったの?」

『普通に筋肉で圧し潰された。そもそも、あの攻撃力だと三、四発食らったらヒロとハルヒもやられちゃうし、唯一避けれる私も溜め攻撃は無理だった』

「あー……」


 神は、時々数秒止まった後に強力な攻撃を繰り出す、溜め攻撃がある。

 あれは、シロンでも霊力のジェットがなければキツかったので、ツィンにとっては特にそうだろう。


「それでさあ……アレ、どうやって倒したらいいんだろう?」

『うーん……。正直、10人全員で挑んでも難しいと思う』


 あのパワーと質量では、こちらの前衛が耐えられずにやられてしまうだろう。

 そのまま後衛まで攻撃が届き、結局シロンの一人舞台になる所まで見えた。


「え……詰み?」

『……ちょっと何かないか調べて来る』


 通話越しに、ツィンがキーボードを叩く音が聞こえてきた。

 そして、すぐにその答えは帰って来た。


『見つけた』

「本当?」

『一時間後にUFOに集合ね』

「宇宙円盤ユーフォス 試作機44号だよ」

『……そうだった』




 デスペナルティの一時間をSNSで乗り越えて、再度UAOにログインした。

 グル参からア肆ネルに移動させたUFOに行き、ほぼ同じタイミングで入って来たツィンと合流する。


「ハロー」

「うん、行くよ」


 ツィンに連れられて、UFOを出た。

 移動しつつ、ツィンが見つけてきた方法の説明を聞いた。


「今回のアップデートで必殺技っていうのが追加されたらしいのよ」

「何それ?」

「変身したり、文字通り必殺の強力な一撃を使えたりできるみたい」

「面白そう。どうやったら使えるの?」

「……必殺って叫んで、それっぽいポーズを取ればいいらしいよ」


 早速サカナ鳥の前で、カッコいいポーズを……


「カッコいいポーズって何?」

「うーん……顔に手を当てて、反対の腕を体に絡め、少し体勢を低く……とか」


 ツィンに言われたポーズを取り……ちょっと恥ずかしがりつつも叫びを上げた。


「必殺!」


 しかし、何も起こらなかった。

 ツィンの方に視線を送ると、声を押し殺しながら顔を隠している。


「……(ジト目)」

「……ジョークよジョーク」

「わー!〈爆霊覇〉!」


 その羞恥心を力に変えて、目の前のサカナ鳥にぶつけた。

 余裕でワンパンし、まだ顔を伏せているツィンに振り返る。

 まだ残っている羞恥心から目尻に涙を浮かべながら、ポカポカと両手でツィンを叩いた。

 スピード特化の方でやっているから、ダメージは入らない。


「そろそろ落ち着いて。本当のやり方を教えてあげるから」

「……今度はちゃんとしてよ?」

「はいはい。まず、メニューを開いて……」


 ツィンに言われた通り、メニューを開いて一番下までスクロールすると……必殺技という項目があった。

 開いてみると、その欄の右上には■■■■■■と六つの隠れた文字があった。

 そして、下に素材が3つ並べられていた。


ジャングルの葉×100

月の石×10

クモ鳥の糸×1


「その素材を使ったら必殺技が使えるようになるらしいよ」


 とりあえず、今持っているアイテムを確認してみると、クモ鳥の糸はあったがその他の素材は無かった。

 あと、ジャングルの葉とホネ鳥の骨が足りていない。


「ツィンの方は?」

「ジャングルの枝100と、ゴミ鳥の破片10と、コブラ鳥の鱗1だね」

「……とりあえず、ジャングルのダンジョンで、葉と枝を取りに行っか」



 久しぶりにピポ弐アのジャングルのダンジョンに行った。

 少し心が痛むが、自分にゲームだと言い聞かせて、ジャングルの葉っぱを取っていく。

 だが、その速さは並大抵のものではない。


バババババババババ


 凄まじいスピードで、手の先が見えない。

 葉っぱを取る程度ならスピード特化のパワーでもできるので、その道十年のベテランの様になっていた。


 ツィンが木を切って枝を量産し、数十本ほど集めた頃、すでにシロンの収集は終わっていた。


「はや!」

「まあね。ツィンの方も手伝おっか?」

「お願い。〈ツバメ返し・麓恋〉」



 ……気付いたら、一帯の木は無くなっていた。

 必殺技の素材として需要は上がっているので、後で売ってギリ有効活用できたが。

 後は、グル参から月に行って適当な石を手に入れ、必殺技を使える様になった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ