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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第四章 超インフレ編
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神罰

 祝、200pt

 金色に光り輝く雲の上で。

 ここまでの道と同じく、前衛にヒロハルヒ兄妹、中衛にシロンとツィンで、後衛に深淵という陣形を組み、ボスへと挑む。


「……で、肝心のボスはどこにいるのかな?」


 金色の雲の上には何もいなかった。

 いつもなら中央辺りから魔法陣が出て来るのだが、いつまで経っても出て来ない。

 ボスを探して、全体を見渡していると……ヒロが叫んだ。


「上から来るぞ、気を付けろ!」


 中央に影が現れ、段々と濃くなっていき……この上空のさらに上から……ギリシャの石像に居そうな筋肉質の神が降りてきた。

 とても巨大で、雲に立って移動している。


「GOOOODEM!」

「ピヨ(なんか強そう)」

「突撃しないでよ?」

「わ、分かってるよ」

「我が先陣を切ろう。〈大判小判〉」


 深淵の袖から大判小判が波の様に飛び出し……ジャラジャラと攻撃がヒットする音がしたが、ほとんどHPは減っていなかった。


「……手加減してる?」

「いや、してないぞ。翔具も発動させてるし、これが全力だ」

「誤差程度にしか減ってないんですけど……」


 かなり耐久が高いタイプなのか、深淵の攻撃でも全然効いていない。

 それなら攻撃力はない……と思いたかったが、


「GODEM!」


 神は、腕を振りかぶり……目に見えてその筋肉が収縮した。

 なんとなく神力を使った魔法攻撃をすると思っていたが、思いっ切り物理タイプらしい。

 奴の足場である雲が高速で迫る。


「ッツ、ピヨ(〈殻盾雛型(からたてひよこがた)〉!)」


 ハルヒがヒヨコが彫刻された卵の殻を展開し、神の拳を受け止めた。

 しかし、


ピキピキ

「ピヨ!?」


 ハルヒの盾にヒビが入り、どんどん広がっていった。

 目を細くして、カルシウムで盾を補強するが、すぐにヒビが入る。


「ピヨ(不味い……)」

「行くよ!」

「うん」


 ハルヒのピンチに、後ろにいたシロンとツィンは飛び出した。

 横に回り込んで、盾に伸ばしている腕を同時に攻撃した。


「「爆霊燕一覇(ばくれいえんいつは)」」


 神の肌が少し裂け、ハルヒの盾からずらす。

 そして、さらに後ろにいた深淵が、次に出したのは数本の金の鎖。


「〈金鎖〉」


 神の腕や足に絡みついて、動きを拘束する。

 その筋肉からすぐにヒビが入った。

 長くは持たなそうだ。


「今度はヒロも合わせて」

「ああ……三人の合体技名は考えてないぞ」

「みんな思い思いのを叫んで!」


 シロンの霊拳とツィンの刀とヒロの足を重ね、


「爆霊脚・燕の型」

霊燕覇脚(れいえんはきゃく)

脚覇燕一(きゃくはえんいつ)


 ……技名は全く揃っていなかったが、合体技自体は成功し……一割くらい削れた。


「硬いなぁ」

「あと十発打ち込むまでよ。もう一回やるよ」


 再度合体技を食らわせようとした、その時。


「GOOOOD」


 神が咆哮を上げ……空が眩く光り始めた。

 そして、上空から背に羽がつき、黄色の輪っかを頭に添えた、3体の天使が降りてきた。


「……取り巻きか」

「〈大判小判〉」


 硬さ調べの大判小判がヒットし……2割程度削れる。

 集中すれば倒せるけど、時間を掛けなければいけない強さ。


「シロン、アレ全部お願い」

「え……」

「お願い」

「……分かった」


 鎖を破った神と相対するツィンとヒロを置いて、シロンは上空の天使3体へと飛び上がった。


 3体の特徴はそれぞれ、青色、赤色、黄色の色三原色構成だった。

 とりあえず、一番近くの赤色に突撃する。


「〈爆霊覇〉」


 天使の鳩尾辺りに爆霊覇を叩き込み、かなりのダメージを与えた。


「WATER」

「わっと!」


 青色が水魔法で攻撃しようとしたが、高速で躱す。

 そして、今度はその青色に向かっていくが、


「FIRE」

「THUNDER」


 赤色の炎魔法と黄色の電気魔法が飛び交い、上手く動けない。

 割と範囲が広い魔法を使うので、1回も被弾できないシロンには厳しい。

 そもそも、シロンは背後に目がついている訳ではないのだ。

 囲まれると普通に被弾してしまう。


「〈ゴーストジェット〉」


 そうならないように、囲まれそうになるたびに離脱し、逆に天使たちの後ろをとり、


「〈霊界の招き手〉」


 爆霊覇でも火力が足りていないので、心臓があるのかも分からないが、霊力の透手を使うことにした。

 魔法をギリギリで躱しつつ、黄色の胸を弄り……心臓を発見した。


「〈クラッシュハート〉」


 心臓を握りつぶし、黄色い天使を倒した。

 魔法の弾幕は薄くなり、残り二人を倒そうとした所で、


「GOOD」

「え?」


 神が来た。

 ツィン達が相手をしていたハズだが……幾ら探しても彼女らの姿は見えない。


「もしかして、やられたの!?」


 一人になった孤独感と絶望感に打ちひしがれつつも、一人でも戦う覚悟を決めた。


「GOOODEM」

「〈ゴーストジェット〉」


 その筋肉で振るわれる腕を霊力のジェットで躱し、ガラ空きの腹部に爆霊覇を叩き込んだ。

 全然削れないが、こっちも被弾しなければいいだけだ。


「行くよ!」


 流石に第三の手を使う暇はないので、天使を無視して神に攻撃を加えていく。



 10 MINUTS LATER


「ゴーストジェ……あれ?」

「GOOOODEM」


 かなり粘ったが、まさかの霊力が尽き、やられてしまった。



 一応、神だから少し霊力に耐性がある。

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