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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第四章 超インフレ編
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天界の戦い

 戦いに勝ったシロンは、光に包まれてテレポートし……ア肆ネルの町中に到着した。

 少し上に飛び上がり、都市を見渡すと……海上都市の名に恥じず、辺りは水に覆われていた。

 海にぽっかりと浮かぶ孤島といった感じだ。


 地上に降り立ち、少し待っていると、ツィンが転移してきた。


「早かったね」

「まあね。結構危なかったけど……」


 まさか霊力が通らない相手になるとは思わなかった。

 

「っていうか、これ何だったの?」

「アレはSEAの世界の住人だよ。つまり、魚ね。アイテム見てみて」


 ツィンは、メニューから所持アイテムを確認し……一つ見慣れないアイコンがあった。

 タップして具現化するとタイが出現した。


「おー。めでタイ」

「相手のスキルはタイだったみたいだね。後でさばこっか?」

「よろしく」



 その後も、続々と《チーム・スカイマウス》のメンバーが転移してきた。

 やはり、決闘で負けるとア肆ネルには来れないらしいので、人によってはかなり時間がかかっている。

 とくに強化役のリムスが酷い。


「遅いね」

「もとからガンガン戦うタイプじゃないしなぁ。よほどマッチング運がなきゃキツイかもしれん」


 流石に1時間くらい経ったところで、リムスを待つ人とフィールドを探索する人に別れた。

 ちなみに、ヒロとFの強い勧めがあって、ツィンは待ち側。



 とりあえず、シロンは辺りを探索してみることにした。

 まず……なんといっても、広大な海だろう。


「トー」


 たなびく綺麗な波と、涼しい潮風は風流を感じる。

 時々サカナ鳥が飛んでくるのが少し邪魔だが、ワンパンできる程度の強さなので問題ない。



「ん?」


 少しそのまま飛んでいると、まちまちとした人の流れがあった。

 シロンもそれに付いて行ってみると……ギリシャにあるような、大理石製の神殿が上空に浮かんでいた。

 他の人たちの会話を盗み聞きしたところ、神殿のダンジョンというらしい。


「やった」


 流石に一人で挑む気にはならず、一旦みんなのと合流することにした。

 Uターンして、ツィン達が待つア肆ネルの入口に飛んでいく。

 見ると、ちゃんとリムスも合流している。


「お帰り」

「ただいま。ダンジョン見つけてきたよ!みんなで行こう」

「……まだテストの採点が終わってないんです」

「仕事が……」

「ダーリンのご飯作らないと」


 ……色々多忙な人が多く、ダンジョンに挑むメンバーは、シロン、ツィン、ハルヒ、ヒロ、深淵の五人になった。





 さっきと同じ経路を辿り……少し迷ったが、無事に神殿のダンジョンに到着した。


「みんなで頑張ろう」

「……気合の入らない声だな」

「ピヨ(可愛いからいいじゃん)」

「えへへ」


 そんな雑談をしつつ、ダンジョン内に突入した。

 神殿の内部は所々に雲があり、天界に登っていくといった感じだ。

 ハルヒとヒロが少し先行し、深淵が少し後から付いていき、その間にシロンとツィンがいる状態になっている。



「……ねえ、段々明るくなってない?」

「神に近づいているということじゃないか?」

「ちょっと、集中して!来るよ!」


 雲をかき分けて出現したのは……カミ鳥。

 形は普通の鳥だが、神々しく後光が差し、ギリシャの石像らしく凄い筋肉になっている。


「GoooD」

「〈宝石槌〉」


 深淵の宝石が刺さるが……筋肉のせいか、あまり効いていない。


「……魔法アタッカーいないじゃん」

「まあ、なんとかなるでしょ。〈ゴーストジェット〉」

「俺も行く」


 霊力のジェットでカミ鳥に急速に接近した。

 奴はその筋肉で蹴ろうとしたが、逆方向にジェットを出すことでフェイントを掛け、後から付いてきたヒロと合わせて、


爆霊脚(ばくれいきゃく)


 合体技で一気に倒した。


「足りない火力は合体技で補って行こう」

「そうだね……来るよ」


 ツィンの言葉に、前を向くと……カミ鳥が十数体いた。


「……ピヨ(割と難易度が高いダンジョンみたいだ)」

「ハルヒと深淵で牽制して、他のメンバーで一匹ずつ倒していこう」

「分かった。〈ゴーストジェット〉」



 ツィンの指揮に従って戦い、全滅させた。

 そこまで損害もないので、このままボスに挑むことにする。

 たまに雲から飛び出してくる鳥を討伐し、上へ上へと飛んでいった。

 そして……その果てに光り輝く雲の層があった。


「行き止まり?」

「いや……」


 ツィンがその雲に手を伸ばすと、全く抵抗が無いようにすり抜けた。


「多分、この先がボス部屋だと思う」

「そっか。みんな、準備はいい?」

「応!」


 前衛のヒロハルヒ兄妹から順番に、光り輝く雲を通過した。


 ギリシャの石像ってムキムキなのばっかだよね?

 ……だよね?

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