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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第一章 始まり
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芽衣 参戦

『今からログインするね(ू•ω•ू❁)』

「分かった、最初の所で待っとくね。白い髪が目印だよ」

『……楽しんでるねー』


 今から芽衣がUAOに初ログインする。

 設定の時間もあるから、すこし遅れてくると思うけど、待ちきれないから真白も同時にログインしておく。


「そういえば、芽衣のスキルって何になるんだろう?」


 二人で冒険するなら、ピーキーな……本当だったら対応力高めのはずなのにピーキーになってしまった【始祖鳥】とバランスを取るために、安定性がある物にしたい。

 まあ、ある程度性格に合う能力になっているけど、ほとんどランダムだからどうしようもないのだが。


 そんなこんなで芽衣を待っていると、一人の少女がシロンの目の前で止まった。


「……もしかして、真白?」

「そうだよ、芽衣」


 現実の顔立ちは残しつつ、リアルとちょっと変えるため、黒髪のポニーテールに目が赤色になっている。


「似合ってるね~」

「そっちこそ。こっちではツィンね」

「私はシロンだよ。スキルは何になったの?」

「【ツバメ】だよ。効果は見てからのお楽しみ。……それで、今はどこに向かってるの?」

「最初のモンスターのところに」

「……武器屋とか寄らないの?」

「パンチして倒してた」


 武器屋はリスポーン地点と初心者用狩場の道中にあり、大体の人は武器を買ってから行く。

 殴って戦うのはごく少数である。


「じゃあ、良いのを選びなよ。私は武器屋半出禁になってるから」

「え……なにやったのよ」


 まあ、流石に出禁にはなっておらず、ただ店主さんに顔を合わせにくいだけなのだが。


 そうして数分後、武器屋から出てきたツィンは、1本の刀を持っていた。


「おー、刀だ」

「スキルが刀に関係するからね。行くよ」


 シロンの誘導に従って、二人でハイエナ鳥の住処まで飛んでいく。

 早速、一匹のハイエナ鳥が現れた。


「GAOOO!」

「え、これ本当に一番弱い敵!?」

「うん……心理的負担まで考えたら、一番弱いモンスターだよ。大丈夫、最悪私が助けるから」

「……ならいいや」


 ツィンは正眼で刀を構えて、ハイエナ鳥と相対し……


「ハッ!」

「GAOO!」


 突進してきたハイエナ鳥が間合いに入る寸前に、ツィンの刀が空振りしてしまい、


「ツィン!」

「大丈夫、計画通り」


 そう言って……空振りした刀の路線を辿るように、空気の刃が逆向きに通り過ぎて、ハイエナ鳥の首に当たり、


「GUO!?」

「ヤッ!」


 態勢を崩したハイエナ鳥に、ツィンの刀が刺さった。


「おー(パチパチパチ)」

「これが【ツバメ】よ」


 ツバメの能力は、刀や剣が通った道を、逆向きに空気の刃が辿るというものである。

 空気の刃の威力は刀本体より少し落ちているが、態勢を崩すには十分だ。

 急旋回するツバメの、燕返しが元ネタになってます。



「そろそろ私もやろうかな?」

「ほう……見せてもらおうか、攻撃スピード特化を」


 両手を握り締めて、蒼いオーラを纏った。

 そのままいつも通りスピード特化で近づき、オーラが当たる直前に攻撃特化に切り替え……前よりも派手に吹っ飛んで行った。


「……思ったよりやばいんだけど」

「でしょ!」

「私も頑張ろう」



「っていうか、服買わないの?」


 シロンはまだ服を買っていないので、ダサい初期装備のままだった。

 

「いやー私センス無いから、ツィンに選んでもらおうと思って」

「任せてよ」


 目を光らせたツィンに連れられて、服屋に入っていく。

 鎧にしたら防御力は上がるけどスピードは下がるし、動きやすい普通の服装にした方がいい。


「それじゃあ……とりあえずコレとコレとコレ着てみて」


 あー、スイッチ入っちゃったか。

 言われた通り、ツィンに押し付けられた白装束、セーラー服などなど、白を基調とした服を試着していく。


「でも、ナース服は無くない?」

「うん、それは私の趣味」


 結局、白くて短めの黒いフリルがついた、可愛らしい感じワンピースに……


「……この三角巾は?」

「よく幽霊が付けてるやつだよ。シロンは霊力で戦うんでしょ?ちょっと羽を閉じてみてよ」


 広げていた羽を閉じて、目立たないようにしてみると……低い身長も相まって小さな幽霊ができました。

 シロン自身も気に入ったので、そのままワンピースと白い三角巾、天冠を購入しておく。


「よーし、じゃあツィンの服は私が選んじゃうぞー」

「えー、シロンのセンスは……参考にはしてあげるよ」


 そして、シロンが持ってきた服は、


「ナニコレ?」

「メイド服」

「却下」

「じゃあ、このポリス装備は!?」

「……自分で選ぶね」


 数分後、ツィンが着ていた服は……昔の武将が着ている、紺の長裃と肩衣半袴だった。


「どうよ?」

「いーねー」

「でしょ!シロンが白っぽいから、黒でバランスを取ってみた」


 自慢気にそう言って、料金を支払い


「でも、幽霊コスチュームの私の隣にいたら、落ち武者に見えちゃわない?」

「あ……」


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