仮〇ライダーとは
「〈大気の奔流〉!」
ハッシュが風でシロンを吹っ飛ばし、白着物はプレゼントに着火する。
「すみません、後は任せます」
「……合体技やりたかった」
プレゼントが爆発し、元から削れていたハッシュ、深淵、着物の人は死んだ。
まさかの事態に頭がフリーズしたシロンに飛んで来た飛び道具を、ギリギリでハルヒが防いだ。
「ピヨ(頭を冷やせ。あいつらの為にも……勝つぞ)」
「……うん、分かった」
年下のハルヒよりも動揺していることを恥ずかしく思って、気合を入れなおす。
そして、やるべきことを考えた。
後衛二人が居なくなって、遠距離の戦いは1対2で不利になってしまう。
となると……
「突っ込んでいいい?」
「ピヨ(それしかないか……これ持ってけ〈軽殻〉)」
ハルヒから選別の盾を受け取り、正面に相手チームを見据える。
足へと霊力を移動させ、
「〈ゴーストジェット〉」
霊力のジェット機で、突っ込んでいった。
途中、プレゼントやマッチョなマッチが飛んで来たが、ジェットを上手く調整し、ハルヒからもらった盾で押しのける。
そして、爆発の方が危ないので、お爺さんの方から攻撃しようとしたけど、まだ能力が分かっていなかった、黒い人が間に入った。
「〈爆霊覇〉」
「〈黒羽〉」
黒い人に爆霊覇を打ち込み、少し削る。
しかし、さっきハッシュと深淵の攻撃が当たった時より、硬くなっている気がする。
カウンターを仕掛けられたけど、一旦引くことで躱した。
ドン ガン
空中でシロンと黒い人がぶつかり合う。
少しだけシロンの方が速いお陰で攻撃は食らっていないが、いつやられるか分からない不安感はある。
「やるな」
「そっちもね」
黒い人は、一時停止して話しかけてきた。
他の相手さんも攻撃してくる様子はないので、それに応じることにした。
「俺のスキルは【卑怯なコウモリ】。こっちの方が人数が多いと、全ステータスが上がるんだ」
「へー」
「今は、こっちの方が一人多いだけだが……ライダー対決が終わったらどうなると思う?」
「ッツ、〈ゴーストジェット〉」
もう一度ぶつかり合って攻撃を仕掛けたが、そこまで大きく削れない。
だが、もしヒロが負けたら……人数差が大きくなり、シロン以上のスピードになるかもしれない。
◇
「〈滅脚〉!」
「〈美翼〉!」
フィールドの一角にて。
ヒロの足と相手ライダーの翼がぶつかり……やはり、ヒロが押し負けた。
足の装甲にヒビが入り始めている。
「チィ!」
「お前のライダー愛はそんなものか!?」
相手の腕を足で受け止めたが、その後の足は防げない。
状況としては、おもいっきりヒロの方が不利だ。
相手の猛攻に両足で対抗する。
「もう諦めろよ。パワーも防御もスピードも、全部こっちの方が上だぞ」
「……お前、何でそんなに焦っているんだ?」
ただ強気で攻めている説もあるが、それにしては異常に攻めている気がする。
勿論、早く終わらせて味方を助けたいという可能性もあるが、ライダー同士の戦いにそれはない。
「例えば……時間制限があるとか」
「ッツ〈美脚〉!」
「〈滅脚〉!」
本家でも稀に見るライダーの脚の交錯。
右足の装甲は完全に剥がれたが……相手の足は、折れていた。
「……時間切れか」
相手ライダーのスキルは【醜いアヒルの子】。
一時的に強くなれるが、その分制限時間外だと弱くなる。
直ぐに本来の美しさを隠してしまう、醜いアヒルの子。
「お前……それは」
「だろ。これだと、仮面ラ〇ダーじゃなくて、ウルトラ〇ンじゃないかって。笑えるだろ?」
彼は、自嘲気味に笑ったが……その目には涙が潤っていた。
それを見て、ヒロはゆっくりと近づき……攻撃するのではなく、拳を握り締めて彼の胸に当てた。
「そんなことねえ。仮面とベルトを着けて、自分の大切な物の為に戦えれば、それはもう仮面ライ〇ーなんだ」
「……」
「制限時間なんて関係ねぇ!その心のあり方が、本物になってないんだよ!」
「……心のあり方か。そうかもな」
彼は、納得した様子でニ、三歩(飛んでいるが)下がった。
それを見たヒロも二、三歩と下がる。
「じゃあ……俺の仲間の為に戦うとしよう」
「ああ。それでこそ仮面〇イダーだ!」
二人とも足を光らせて、スキルの用意をする。
同時に駆け出し、足と足が激突する。
「〈醜脚〉!」
「〈焼脚〉!」
その一撃は、今までで一番強力だったが、
「ダメだったか」
「ライダー同士の戦いらしいだろ?」
「……ありがとな。これで俺は、仮〇ライダーになれそうだ」
そう残して、相手ライダーはホログラムと化した。
◇
「な!?」
一気に黒い人が遅くなった。
相手ライダーが死んだことで人数差がなくなり、【卑怯なコウモリ】の強化がなくなったのだ。
「ヒロ……〈ゴーストジェット〉〈爆霊覇〉」
「あいつ負けたのかよ!」
負けたライダーに悪態をつき、黒い人はやられていった。
あとは、残りの爺さんとマッチの人を、シロンの高機動力で倒した。
最後に自爆したせいでシロンは死んだけど、ハルヒとヒロが生き残っていたお陰で、一回戦を突破した。




