男子会
「おし、俺らも行くぞ」
「お、おー!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「おお――ハニー……」
男組も、テンションが下がっているラウルを引っ張って、ダンジョンへと出発した。
目的地は木星。
◇
《チーム・スカイマウス》の男メンツ、ヒロ、リムス、F、ラウルの4人で宇宙空間を飛び、木星にたどり着いた。
地球よりも高い重力で、いつもより少し動きにくい。
まあ、素早さに割いてる人は少ないから大丈夫だろう。
「こっからどこに行けばええんや?」
「地面を見てみろ」
木星は薄茶色と白色で構成されていて、足元には白いラインが伸びていた。
ここを辿っていけばいいのだろう。
「よし。じゃあ、俺とラウルが前で、リムスとFが後ろで」
「せやな」
2―2で並んで木星を飛んでいく。
「そういや、木星って気体でできてるらしいけど、これも気体なのかな?」
「やってみればどうだ?」
ラウルが高度を下げて地面に足を着け……通り抜けた。
確かに気体でできているらしい。
「すげー、本当に通り抜けた」
「ああ……そういえば、白色は水とアンモニアで構成されてるらしいぞ」
「え?」
足を鼻の方に持って行って……すぐに遠ざけた。
……ラウルの足には、しっかりとアンモニアの匂いがこびりついていた。
「もっと早く言えよ!」
「はは」
「お前も落ちろ!」
「おい、やめろああああああああああああああああああああ!」
そんなこんなで、前二人がアンモニアだらけになり、少し後ろ二人に距離をとられたところで、モンスターが現れた。
黒い玉に3つの白い玉がくっ付いている、原子みたいな奴がいる。
「何あれ?」
「メタンだろ。黒が炭素で白が水素」
「じゃあ燃えるんやろか?〈炎弩〉」
後ろからFが炎魔法を飛ばし、燃え上がらせた。
割とよく燃える。
だが、燃えた体でそのまま襲い掛かって来る。
「METAAA!」
「チィ、〈電針〉」
ラウルが触れない様にして電気の針を刺した。
「もっと考えて燃やしてくれよ」
「すまんな」
「ま、まあそんなに強くないんだし、いいじゃん。ほら、また出てきたよ」
大群になって出てきたメタンを、ヒロが蹴り、Fとラウルが燃やして討伐していく。
全て倒すのは面倒なので、一点突破して切り抜けた。
「急げ、追いつかれたら面倒だぞ!」
「リムスとワイの炎音で一掃すんのはどうや?」
「燃えて火力が上がるだけだって。いいから逃げるよ!」
白い模様を辿って、振り返らずにメタン群から逃げる。
そして……ある一点でその模様は様変わりしていた。
真っ白な円になっている。
「なんやこいつ?」
「ボス戦だ。来るぞ!」
円の中央から、銀色の何かが盛り上がって……巨大なメタルスライムみたいな奴が出現した。
木星の一部では、水素が固まって液体金属になっていて、それがモンスターとなったのだ。
「METAAAAARU!」
「っし、人数少ないし、火力出してくぞ。変身!」
「じゃあ、バフもそっち方向で。〈撃威羅〉」
リムスが、重低音で攻撃力を強化する音楽を流した。
それを察したメタルスライムが、彼の方に体の一部を投げ飛ばした。
「〈烈脚〉」
それをFの炎の左足が受け止めた。
しかし、液体金属は纏わりついて離れない。
Fの左足は義足だから、一旦引っ込めてもう一度出せばいいが、体にダイレクトに当てられるとキツイだろう。
「ヒロとか気を付けろよ」
「……早く言ってくれよ」
ヒロの装甲が……液体金属に包まれていた。
良く言えば厚く、悪く言えば動きにくそうだ。
「魔法で攻めてった方がいい。攻撃は俺が受ける」
「俺もそっちの方にしとくぜェェ〈魔導交響曲〉」
「〈炎弩〉」
「〈電針〉」
リムスの曲が……フワフワした感じの不思議なものになった。
それによって強化された魔法でFとラウルが攻撃する。
そして、攻撃は全てヒロが受けた。
「なんか俺、最近こういう役割多くないか!?」
「……ほら、ヒーローってそんな感じあるじゃん」
「ヒーローの基本は自己犠牲やからな」
「全ての攻撃は俺が受ける!」
なんとか攻撃はできているが、まだ4割くらいしか削れていない。
まずまず人数が少ないし、ヒロが火力をだせず、ラウルは耐久の方にも回しているからそんなに火力がない。
実際、まともに攻撃できているのがFくらいしかいないのだ。
「……ヒロ、攻撃にも参加できないか?」
「無理だよ!金属で固められて、全然動けないからな!」
「しゃあねーなぁ」
ラウルは左薬指の指輪を光らせて……多数の太陽光パネルを展開した。
彼の翔具、[太電溜 サンジェネラル]の効果である。
「ヒロ、盾役は任せたぞ」
「お、おう……さっきからやってたけどな?」
「……俺は応援してるからなァァ〈疾嵐歌〉」
またリムスが歌を切り替え、今度はスピードが上がるようにした。
これで金属がへばり付いて動きにくくても防げるね。
「Fは、炎でパネルを照らしてくれ」
「まかせい!」
小さな炎の太陽の様な物で、充電する。
メタルスライムも危機感を覚えたのか、湯気が出ている液体金属を打ち出してきた。
ヒロが腕で受け……焼き爛れる。
すごい熱が込められてる。
「急に殺意沸きすぎだろ!」
「躱せ、全部躱すんだよォォォ!」
上手く付けられた金属を使って、沸騰していたやつを受け止めたが……結局、元々付いていた方が熱くなって意味がない。
「ねえ、マジで死ぬんだけど」
「ハルヒがいたら楽だったのに」
「大丈夫だ。そろそろ溜まる」
ラウルはバチバチと音を響かせて、電気を纏った。
そろそろ本当にキツくなってきたきたヒロに代わって、Fの義足が叩き落す。
そして、指輪が着いた左手をメタルスライムに突き出し、
「〈電磁雷導攻総〉」
バリバリバリ ドガーン!
眩い電気がメタルスライムを襲い、削りきった。
虹色食材は……水。
水か分からないが、虹色で不味そうだった。




