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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第三章 クランのわちゃわちゃ
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チュチュVSチュリスター

 次の日、ペットとなったチュー子(仮)の名前を、みんなで考えることにした。

 チュー子はちゃんと受け入れられ、名前の候補を上げていったのだが……


「どう考えてもチュチュが一番やろ!」

「フッ、貴様こそ何を言っているんだ?こいつの真名は前世からチュリスターに決まっている!」


 その他の候補を押しのけて、Fのチュチュと深淵のチュリスターのどちらかになった。

 さっきまでは他の人たちも二つの案で割れていたけど、Fと深淵の気迫が激し過ぎて、半ばどうでも良くなってしまったのだ。


「スター要素はどこにあるんや!?」

「星はオレンジに輝いているだろ。チュチュは語呂が悪い!」

「まあまあ、じゃんけんでもしなよ」

「我は袖から手を出せない」

「こいつの名前をそんなんで決めてええんか!?」


 どうにも堂々巡りになってしまう。

 両方一歩も引かずに、自分の意見を通しに行く。

 1時間ほど経ち、ハルヒが昼寝を始めた頃。


「じゃあ、思いの丈で勝負するか」

「どうするんや?」

「なに……思いが強い方が強いに決まっている。決闘で決着だ」

「乗った!」


 ようやく方法が決まった。





 グル参の決闘場に、Fと深淵が入場した。

 他のメンバーは観客席に座り、結果を見届ける。

 二人とも紙耐久で真っ当な戦いができないう理由から、リムスが〈守衛防曲〉で両方の耐久を上げる。


「ワイが勝ったらチュチュな」

「我が勝ったらチュリスターだぞ」

「では、スタートします。デュエル開始ィィィ!」


 ハッシュが開始宣言をして、決闘が始まった。

 二人とも遠距離型なので、離れた状態で戦う。


「〈炎槍〉」

「〈黄金砲〉」


 初手からバチバチにFの炎魔法と深淵の黄金が衝突し、互いに打ち消し合う。

 たまに被弾することもあるが、大体同じ様に削れていく。

 このままなら、MPという枷があるFの方が不利かもしれない。

 深淵の黄金にも底があるらしいが、今まで使い切ったことはなく、ほぼ無限と見てもいいだろう。

 その状況を打破するため、Fが動き出す。


「〈火の珠ストレート〉!」


 一つの火球が、もの凄いスピードで深淵に向かっていく。

 彼女は、黄金の一部を防御に回すことで威力を削いだが、それでも服の一部が焼け焦げた。

 そして、Fの方に飛んで行った黄金は……彼の炎の左足が伸び、それを全て叩き落とす。


 彼の翔具である義足[|炎肢脚[えんしきゃく] フレッグ]の効果で、近接戦闘をある程度どうにかしてくれる。

 防御は炎の左足に任せ、炎魔法で攻撃をしようという感じだ。


「どうや?降伏すんなら今のうちやで」

「フッそれはこっちのセリフだ。チェンジ!」


 言った瞬間、深淵の服が変化した。

 元から大きかった袖がさらに大きくなり、色は真っ黒になる。

 彼女の翔具[拡袖淵(かくしゅうえん) モエソデバスター]その効果は……瞬間出力上昇。


「〈大判小判〉」


 大きくなった袖から、ジャラジャラと大判と小判が飛び出す。

 その量は、さっきまでの2倍。


「うっそやろ!?〈烈脚(れっきゃく)〉〈火の玉ストレート〉」


 Fは出来るだけ左足で叩き落し、反撃の火の玉を飛ばす。

 それを深淵は、全て防ぐことは諦め、少しだけ大判小判をまわして威力を減らす。

 ……多少の防御はあるが、やはりただの殴り合いになった。

 


 段々深淵の方が有利になってきた。

 理由は、彼女がスキルの扱いに慣れたからだ。

 体積が少なくて炎球を受け止めやすい大判を防御に使い、体積が小さくて炎脚をすり抜けやすい小判を攻撃に使う。

 FのHPがあと4割で、深淵のHPはあと5割というところ。


「フッ、どうだ我の黄金は!」

「チッ……賭けに出るしかねえか。〈灰塵〉」


 Fが灰を振り撒いた。

 ダメージは入らないが、目くらましにはなる。

 その時、爆発音がした。


「うおおおおおおおおお!」


 灰をを突き抜けて、深淵に接近する。

 誰も予想できなかった接近にスキができた。


「〈烈脚〉」


 爆炎の左足を振り上げて、直接深淵を蹴るが……想像の半分くらいしかダメージは入らなかった。

 そもそもバチバチに近接戦をしようとした翔具でもないのだ。


 深淵は炎に包まれつつも袖口を、移動したFの方に向け、再び大判小判をばら撒く。

 黄金に圧し潰されそうになるFだったが、再び爆発を発生させ、反動で自分から吹っ飛んだ。

 深淵の背後に回り込み、


「〈炎弩〉!」


 最大火力で攻撃する。

 しかし、深淵ももう一度移動することは読んでいたのか、すぐに袖を向け直し、


「〈宝石槌〉」


 超巨大宝石がFの魔法と衝突した。

 双方、一歩も引かな拮抗した勝負になったが。


「〈宝石槌〉」

「そんなんアリか!?」


 深淵がもう一つ宝石を追加したことで炎は崩壊し、Fを叩き潰した。

 黄金の積み重ねと自爆のダメージもあって、耐えられる訳がなく、Fは死んだ。


 こうして、チュー子(仮)の名前はチュリスターに決定した。


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