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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第一章 始まり
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……詐欺に気を付けよう!

 初期リスと同じ所にスポーンした。

 レベル上げもいいけど、先に装備を揃えようと思い、町巡りから始める。


「武器屋ってここかな?」


 標識にWEPON SYOPと書かれている店に入店し、多種多様の武器に出迎えられる。

 剣、槍、弓などなど色々あるが、


「どれにしよう?」


 試しに、一番近くにあった剣を手に取り、ステータスを攻撃特化にして素振りを……


カラン


 剣が耐えられずに、半ばで折れてしまった。


「何やってんだ!?」

「すみません!弁償します!」


 素直に折ってしまった剣の分の代金を払った。

 攻撃特化にも耐えられる、頑丈な武器にしなくてはならない。

 それを踏まえて、次に手に取ったのは、巨大なハンマー。


「これなら耐えられるでしょ」


 ブンブン振ってみても、折れる様子はない。


「おい、危ないから振り回すな!」

「すみません!これ買い……」


 移動するために、素早さ特化に切り替えると……重過ぎて、とてもじゃないが持ち歩けない。

 これを持って、今までのスピードを維持することは不可能だ。

 つまり、そこらの武器では攻撃特化に耐えられず壊れてしまい、耐えられる武器だとスピード特化で持ち歩けない。


「……どうしよう?」


 お金もあんまりないし、しばらくは素手で毒を持ってなさそうな敵と戦うしかない。

 諦めてお金稼ぎに行こうとすると、


「そこの嬢ちゃん、ちょっと見てかないかい?」


 屋台の様な車を引いた、おばあさんが現れた。


「お嬢さんって……私?」

「そうじゃよ。ちょっと見てかんかね?」


 ちなみに、服装はまだ初期装備なので、とてもお嬢さんと呼ばれるような容姿ではない。

 ただの客の機嫌を良くする商売方法の一つなのだが、純粋なシロンは引き込まれてしまった。


「えへへ。ここではどんな物を売っているんですか?」

「色々な雑貨じゃよ」


 そう言って開かれた屋台には、よくわからないアクセサリーが沢山並んでいる。


「えっと……武器はありますか?」

「それなら、これがお勧めじゃな」


 そう言ってお婆さんが手にしたのは……真っ黒でガタガタした表面をしている一対の腕輪だった。


「これは?」

「[エイジリング]じゃ。なんと、霊力が使える」

「れ、霊力!?」

「そうじゃ。身体の奥底からこう、グワーっと力が沸いて来て、どんな敵でもバッタバッタと薙ぎ倒す」

「え、すごい!」

「さらに、ここでしか買えない限定品で、いつもなら10万円のところを……」

「ところを……」

「今ならなんと1万円!90%オフじゃ!」

「買います!」

「毎度ありー」


 一万円を渡して[エイジリング]を貰うと、お婆さんと屋台は煙の様に消えてしまった。

 実を言うと、あのお婆さんは詐欺師だ。

 霊力とか、限定品を強調したり、急な値引きをしたりするのは、詐欺の常套手段である。


 さて、普通なら「あ、これUAOであった詐欺だ!」という風に、詐欺への警戒心を高める教育的価値の高いゲームになるのだが、



 両腕に[エイジリング]を装備し、さっきと同じ所で、レベル上げ兼消費してしまったお金稼ぎをしてみることにした。

 

「SYAAA!」


 さっきやられてしまったヘビ鳥が出現した。


フォンフォンフォン


 シロンの腕回りに蒼いオーラが纏われ、


「とー!」


 ヘビ鳥の顎にアッパーが入って、攻撃特化でワンパンし……オーラで殴ったお陰で毒になっていない。

 というか、攻撃力も相当上がっている。


「SYU!?」

「待てー!」


 逃げ出すヘビ鳥を追いかけて、接近してから攻撃特化に切り替え……少しタイミングが早かったけど、オーラが伸びて殴ってくれた。

 ある程度は自由に動かせるらしい。


「すごい!いい買い物しちゃった」


 ……普通はこうはならない。

 ほとんど付ける意味はなく、その辺の空き缶で殴った方がまだ強いくらいの性能になっている。

 このガラクタ詐欺装備がこんな馬鹿出力を出せる理由は、隠しステータスにある。

 UAOには結構隠しステータスが存在していて、例えばよくロシアに生息している【白鳥】は氷魔法に耐性がある。

 そして、シロンの【始祖鳥】には、名前の通り先祖の霊力が詰まっており……そういうことだ。


「SYAAAAA(絶叫)!」

「どーん!」


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