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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第三章 クランのわちゃわちゃ
32/76

とある少女の恋愛事情

 ……ごめんなさい。なんか良く分からないけど、なんか読みにくいです。

 最悪後書きだけ読んでください。

「フー、ギリギリでしたね」

「もう一人くらい欲しかったな。F以外で」


 Fがいたら、モチが撒かれた時点で連鎖爆発が起こっていただろう。


「さて、ドロップアイテムを確認しますか」

「イエーイ」


 ボスが消えて、モチから解放されたシロンは、真っ先にドロップアイテムに飛びついた。

 そこには、予想通り虹色に光るモチと……あと一つよく分からない、鳥の羽の様な物があった。


[特能ツバサ]


「なにこれ?」

「さあ?調べるのも面倒です、アフターにツィンから聞きましょう」

「それでいいのか……」






「ってことがあったんだ」


 昨日はもう遅かったので、次の日、学校で芽衣に聞いてみることにした。


「……そのくらい、自分で調べなよ」

「いやー、仕事を奪ったら悪いかなって」


 悪態つきながらも、少し嬉しそうに話し始めた。


 芽衣によると、[特能ツバサ]を武器に使うと、翔具(しょうぐ)というという特別なものになるらしい。

 翔具には能力が付与されていて、スキルを使わなくても燃える剣が使えるとか、髪飾りで変身能力を得られるとか、そんな感じ。

 その能力も、なんとなく自分が願ったものになると。


 要するに、今までほとんど差がなかった武器に、自分に合った能力を付与できるということだ。


「でも、私の武器たちは、元から能力が付いてたよ?」

「さあ? 先行体験でもしてたんじゃないの?」

「……まあいいや。今日すぐ入れる?」


 真白としては、今すぐに帰って、すぐにUAOにログインしたい気分なのだが。


「ごめん、今日の帰りは遅くなりそう」

「えー、どうして?」

「これよ」


ドン!


 教室に掲示されていた、一枚のポスターを叩いた。

 それは、生徒会イベントの告知。

 内容は……京都の某映画村にある日本刀を使った劇を、この学校の生徒会長と副会長が演じるらしい。

 これが入学時に楽しみにしていた、月に1度のイベントだ。

 ちなみに、先月は謎のス〇ブラ&マ〇カ大会が行われ、真白は1回戦敗退。

 芽衣は良い所までいったけど、後に優勝する化け物カズヤにボコボコにされた。


「とにかく、面白そうな劇を見るから、今日は遅くなる。真白も見ていったら?」

「そうだねー」


 UAOをしたい気持ちもあったが、月に一度しかない生徒会主催のイベントを優先することにした。





 学校で勉強し……ほとんど勉強ではなく、芽衣や他の友達と喋るだけだったが、イベントが始まる午後8時となった。

 ほとんど全員の生徒が学校に残って、劇が行われるというグラウンドを、各階のベランダから眺めている。


「そろそろ始まるかな?」

「ん、アレ見て!」


 芽衣が指さした先には……暗闇で顔が見えないが、誰かが階段を降りて、グラウンドの中央へと進んで行く。

 その顔を見ようと、目を凝らしながらベランダに身を乗り出して……危ないからと芽衣に引っ張られる。

 運営の方も、見えにくいのは分かっていたのか、屋上からスポットライトが当てられた。

 その人物は……巫女服の様な着物を纏い、帯刀したこの学校の生徒会長だった。

 入学式の時にも見たが、やはり綺麗な人だ。


 彼女は、服に挟んでいた扇子を広げ、


『人間五十年……』


 なにか良く分からないが、凄い舞を始めた。

 長い髪と垂れた振袖がなびき、緩急のある劇が、客達を引き込む。


「……?なにこの音楽」

「知らないの?桶狭間の戦いの前に、織田信長が舞ったと言われる、結構有名なやつだよ」

「へー」

「まさか、桶狭間の戦いを覚えてない?」

「……あれだよね、織田信長がザビエルを倒したっていう」

「……うん、そうだよ」


 珍しく芽衣が匙を投げた。

 とにかく、会長の美しい舞が続いていき……途中から刀も使って、華やかな幕引きを迎えた。

 鑑賞していた生徒たちが、多くの拍手を送る。

 真白と芽衣も、笑顔で大きな拍手をした。


「凄かったね」

「……いや、まだ終わらないみたいだよ」


 疑問に思った真白が、芽衣の視線を追ってみると……鬼がいた。


「芽衣、鬼だよ!鬼がいる」

「よく見て!ただのお面だから」


 どうやら、お面を着けただけの、普通の人らしい。

 彼(鬼)はこれまた帯刀していた刀を抜刀しつつ、巫女服の会長に向かって歩いていく。

 BGMも変わり……某鬼狩りアニメのオープニングが流れ始めた。


「あ、本編こっから?」


キンッ


 BGMが早くなった瞬間、鬼が横薙ぎに刀を振るい、会長が上段から刀を振り降ろした。

 基本は会長が押して、刀回しやバク宙などで、一つ一つの行動に歓声が上がる。

 しかし、アニソンがサビに差し掛かった頃。


ギン!


 刀の応酬が一気に激しくなった。一気に金属音が5倍くらいに増える。

 少し火花も見えてきた。

 鬼が横向きに刀を振り、下からそれを受け止めた会長が、一瞬鬼の刀を止めて、彼女の体を射程外にどかしてから、振り上げた刀を振り降ろし、鬼が間一髪で横転する。

 

 一泊置いて、鬼が全力で刀を振り上げて……会長の刀が真上に飛ばされ、一瞬彼女は素手になった。

 だが、刀がなくても、彼女は鬼の刀を全て避けきり、たまに刀の側面を殴って軌道を捻じ曲げる。

 そして、刀が落ちて来る時に飛び上がり、真剣なのにも関わらずピッタリ柄を握って、そのまま俺に振り降ろし……ギリギリ斜めに流した刀が、お面の片角を切り落とした


 サビも終わり、アニソンもクライマックス。


 両方一歩引いて、俺は刀を振り上げ、会長は一旦刀を鞘に収めて、抜刀術の準備をする。


「ハッ!」

「ヤア!」


 鬼の首に、思いっきり刀が振るわれ……彼は倒れた。

 真剣を使っていたので、鬼の生死が不安だったが、会長が蹴るとすぐに起き上がって仮面を外し、会長と共に頭を下げた。

 鬼は生徒会副会長だったらしい。

 先ほどよりも、大きな拍手が巻き起こった。


「凄かったね。……真白?」


 芽衣が真白の方を見ると……ベランダの端でうずくまっていた。


「……何やってんの?」

「なんでもないよ」


 体調でも悪くなったのかと、顔を覗き込もうとしたが、真白は力ずくで振り払う。

 しかし、あることに気付いて、芽衣は放っておくことにした。


 何故なら、壁に反射した真白の表情は、少女の顔をしていたから。


 とりあえず、なんか生徒会の人が凄いことをやって、真白にあるの感情が灯ったと思ってくれれば結構です。

 ちなみに、敦盛は刀を使いません。


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