表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第一章 始まり
3/76

お待ちかねの特攻構成

 視界が真っ白になって……次に目を開けた時には、始まりの町、(イチ)ミルに着いていた。

 雲の上に様々な建物が建っていて、ラ〇ュタみたいな感じ。

 そして、町行く人たちには、一対の翼が付いていた。

 頑張って首を曲げて、振り返ってみると……シロンにも翼が生えている。


「おー」


 試しに肩甲骨を動かすようなイメージで、翼を動かすと、飛ぶことが出来た。

 さらに、旋回、一回転など、アクロバットな動きもできる。


「そーらーを自由に、とーびたーいなー♪」



「あのー」


 十数分ほど飛び回ってから、女の人に話しかけられた。


「あ、はい、なんでしょう?」

「ここは飛び回る所じゃないから、町の外れでやってくれますか?」


 確かに、他に飛び回って人はいなかった。


「す、すみません」

「よくあることですから。行くところがないなら、あっちに初心者用狩場があるから、行ってみるいいですよ」

「ありがとうございます」


 ちょっと恥ずかしくて顔を赤くしながら、女の人が教えてくれた方に逃げるように飛んで行った。





「えっと、これが弱いモンスターが出てくる所?」


 何人かの人が、飛びながらモンスター……猫に羽を付けられた猫鳥というモンスターと戦っていた。

 しかし、


「うー、可愛くて戦う気になれない」


 普通の猫に翼がついただけなので、むしろ天使のようで、攻撃できない。


「NYAA!」

「か、可愛い」


 猫鳥の中の一匹が襲い掛かって来たけど、やっぱり可愛くて攻撃できず、避けることしかできない。

 しかし、このまま連続で避けていると、


「SYAAA!」


 いきなり猫鳥の毛が逆立ち、目は黄色く光出して、野良猫のような風貌になっていく。

 運営もシロンのような人がいることを見越して、段々醜くなるようにしていたのだ。


「ヒッ!」


 無意識のうちに殴ってしまって……殴られた猫鳥は倒れてしまった。


「猫さーん!」


 もう猫は倒したくないと思い、場所を変えることにした。

 町の反対方向に飛んでいくと、鋭い牙を持った血まみれのハイエナ鳥がいて……


「GAOOO」

「キャー!」


 こっちの方が強いけど、倒しやすい。



「ふう」


 周囲のハイエナを倒して、一息つくために一旦町に戻る。

 メニューを開いてみると、レベルは7まで上がっていて、ステータスは全体的に上昇していた。

 【始祖鳥】の効果で、二つ目のステータスも表示されたが、そっちも同じようにバランスよく上がっている。


「うーん、バランスよく上げるのもいいんだけど、せっかく二つステータスもあるんだし、尖らせた方がいいと思うんだよね」


 普通ならペンギンから言われたように、HPと防御を高くした耐久ステータスと、攻撃と素早さを高くした攻撃ステータスにするところだけど、


「これって一瞬で切り替えれるんだよね……」


 試してみると、ステータスの変化はないが、切り替わってる感覚はする。

 何回でも一瞬で切り替えられる仕様だ。

 そして、


「……素早さ特化と攻撃特化にして、攻撃する瞬間に切り替えたら強いんじゃない?」


 悪魔的な発想に辿りついた。





「GUOOO!」


 新しく出てきた、凶暴なシカ鳥の突進を回り込むように躱して、横から拳を突き出し、


「とー!」


 素早さ特化のステータスから攻撃特化のステータスに切り替え、横腹に拳がヒットし……シカ鳥は、すごいスピードで吹っ飛んでいった。

 真白は中学時代にテニスをやっていたので、攻撃するタイミングで切り替えるのはそこまで難しくない。

 ちなみに、平和的な性格が災いして、大会ではあまりいい成績は残せなかった。


 さて次に出てきたモンスターは……ヘビ鳥だった。


「SYAA!」

「へへ、掛かってきな!」


 調子に乗って挑発し始めたシロンに向かって、ヘビ鳥が喰いかかり、さっきと同じように素早さ特化で近づいて、攻撃特化で殴り飛ばしたけど、


「え、HPが減っていく!」


 調べてみると、どうやら毒を持ったモンスターだったらしい。


「あー!HPが低いせいで、すぐに毒が進む!」


 ステータスを切り替えても、両方HPは低いので……ポーションの延命も虚しく、死んでしまった。




「あー、油断しちゃったー」


 現実に戻って来た真白は、もう一度ログインしようとしてみたけど、死んだら一時間はログイン仕直せないらしい。

 まあ、一時間ならネットサーフィンしてたらすぐ終わる。

 スマホを開いてみると……芽衣からラインがあった。


『楽しんでる?』

「うん、楽しいよ(^O^)」

『よかった。スキル何になった?」

「【始祖鳥】だよ」

『え、あの?(゜Д゜ノ)ノ』

「知ってるの(´・ω・`)??」

『……よく受験受かったね(つд`;)」




 この後も他愛のない会話をしていると、いつの間にか1時間経っていた。


「そろそろ再ログインできるからいくね」

『了、毒に気を付けて、武器の一つでも持っときなよ』

「(*≧∇≦)ノ ハーイ♪」

『私も明日になったらプレイできるから、よろしくね』

「(≧ω≦)b OK!!」


 よし、一時間経ったし、再ログインしよう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ