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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第二章 クラン結成編
19/76

ゴリゴリ、ウホー

「UKKII!」


 木やツタを伝って、大量のサル鳥が飛び出してきた。


「オメーら全然羽使ってないやんけ!いらんやろ!」

「文句言ってないでやるよ〈ツバメ返し・弐連〉」


 先頭を飛んでいたツィンが長剣を抜刀し、『=』を書くようにして二回振るった。

 サル鳥は一瞬だけ加速して躱し、反転してキックをしようとしたが、ツィンの返しの刃でそれを咎めた。

 サル鳥には、加速した後はすぐに攻撃する習性があるみたいで、ツバメ返しが刺さる。


「〈破膜〉」


 リムスの音魔法が鼓膜を破壊して怯ませ、


「〈爆炎〉」


 Fの広範囲炎魔法で、燃やし尽くした。


「……私も戦っていい?」

「ダメ。大人しくジッとしてなさい」


 実は、これまでに何回かサル鳥と接敵しているのだが、シロンは毎回突っ込んで、毎回カウンターを食らいそうになっていた。

 これではいつやられるか分からないので、ツィンから突撃禁止令が出されたのだ。


「毎回サルだけに〈炎槍〉するワイの身にもなれや」

「うー」


 何だかんだで、サル鳥は全滅していた。

 もう少し進んでみると、いつの間にか、巨大な2本の大木が、門のように並んでいた。


「多分、この先にボスがいる」

「やろうな」


 ツィンの意見に、すぐにFが賛同した。

 さすが幼馴染と言うべきか、息ピッタリである。


「よーし、ガンバロー」

「「「おー」」」


 4人で大木の門をくぐった。

 全員がくぐった瞬間、逃げれなくするように、光の円が出現する。

 そして、その中央に魔法陣が浮かび、


「UHOOO!」


 巨大なゴリラ鳥が出現した。


「凄い筋肉やなぁ」

「ねえ、突撃していい?」

「……あの図体じゃ素早い動きはできないだろうし、いいんじゃない?」

「いや、ちょっと待って下さい」


 リムスがギターを握り締めて、演奏を開始した。

 ボルテージと髪とステータスが上昇していく。


「イエェェアアァァァ!突撃ィィィ!」

「いっきまーす」


 上昇したステータスに振り回されつつも、直線でゴリラ鳥の素晴らしい大胸筋にたどり着き、掌打を叩き込んだ。


「〈霊破〉」

「UHOOO!」


 ゴリラの咆哮が鳴り響き、腕を振り回してシロンを捕えようとしたが、素早さ特化で離脱する。

 背中に回って、もう一発。


「〈霊破〉」


パーン!


 この二発で、ゴリラのHPは8割まで削れた。


「UHOOO!」


ドンドンドン!


 ゴリラの少し怒った様な声がして、胸のドラムが唸った。

 すごい音量で、リムスの演奏は聞こえなくなってしまう。


「オイオイ、俺の演奏に抗うってかァァ!?いい度胸じゃねえか、〈爆音〉!!」


 リムスの演奏が大きくなって、聞こえる様になった。

 彼の強化は演奏が聞こえなくては効果がないので、これは結構助かる。


「ねえ、うるさいんだけど!」

「俺は止まれねえからよォォォ!」


 とか言いつつも、ツィンの文句を受け入れ、少しだけ音量が下がって、ゴリラ鳥のドラムと演奏が拮抗するような感じになった。

 すると、木の間から、大量のサル鳥が呼び出された。


「KIKI!」×無数


「……これって、音を打ち消してたら出てこなかったんやないか?」

「う、うるさい!全部倒せばいいでしょ、行くよ!」


 演奏しているリムスを置いて、周囲から飛び出してくるサル鳥に、ツィンとFで対応していく。


「〈ツバメ返し・弐連〉」

「〈爆炎〉」


 ツィンの返しの刃が一太刀目を躱したサル鳥を切り裂き、Fが放った炎が、加速しても避けられないくらいに広域に広がった。


「サルは私たちで倒すから、シロンはゴリラを倒して!」

「任せて〈霊破〉」


 次は頭に〈霊破〉を叩き込み、一気に2割ほど削る。

 シロンを殴ろうと拳を頭まで持って行ったが、得意のスピードで逃げられて、自分の頭を殴ったお茶目なゴリラに笑顔をこぼしつつ、様々な方向から〈霊破〉を入れる。


「GORIRORI!」

「ゴリラはゴリゴリ鳴かんやろ!」

「おー、本場関西人(三日目)のツッコミだぁ」


 ゴリゴリ言い出したゴリラに感動していると、奴は謎のポージングを始めて……


「GORI!」


 バナナを取り出した。


「強化アイテムかな?」

「ちゃうわ、あれは……」


 ゴリラ鳥は、バナナを振りかぶって、シロンの方に投げた。


「おいしそ~」

「じゃねえよ!避けろ!〈炎槍〉」


 Fの炎の槍が、ゴリラのバナナを貫いて……爆散した。

 距離が近かったため、少しダメージを食らったが、まだそこそこ余裕はある。


「え、あれ爆弾!?」

「連投してくるぞ、気を付けろ!」


 ポージングしながら、さらにバナナを沢山取り出す。


「あのポージングいらんやろ!」

「冴えてるねぇ」


 これまでのシロンの積み重ねで、ゴリラのHPはあと4割まで削れている。

 だが、ある程度の賢さは持っているのか、ゴリラは常にバナナ爆弾を一つは常備していて、自爆特攻されるとシロンはやられてしまうだろう。


「……あれ、どうする?」

「誘爆させればええやろ。〈炎槍〉」


 Fが炎の槍を投げたが、投げようとしていたバナナ爆弾で防がれてしまった。


「どうする?」

「……サル鳥を全滅させて、みんなでかき乱してから誘爆を狙うとか」

「いや、無理や。そろそろワイの魔力無くなるわ」

「しゃあねえなァァ、俺に任せろォ!」

「……あ、いたね君」


 ……チーン。

 好きな人に忘れられてたことで、一瞬演奏が止まったが、すぐに持ちなおして、


「クッソ……記憶に刻み込んでやるぜェェ〈撃威羅〉」


 曲が変わった。

 音程は低く、音量は大きく、音速は遅めで……何故かギターから大太鼓の音が聞こえてきた。


「それどうやってんの?」

「んなこたどうでもいいィィ!」


 これまでの曲だと、全ステータスが上がっていたが、


「すごい、力が溢れてくる」


 この曲だと、力が大きく強化された。


「やれェェェ!」

「任せて!」


 スピード特化でゴリラ鳥に向かって突っ込んでいく。

 投げられたバナナ爆弾は、炎の槍で撃ち落とし、


「ついでにこれも貰っとけ〈炎纏い(ファイア・ポーター)〉」


 霊力の上から、炎を纏い、さらに攻撃力を上げる。


「仕留めそこなったら自爆で死ぬ。一撃でしとめろよ」

「関西弁は?」

「ワンパンや!」


 進む先々の爆風を通り抜けて、猫の手を振りかぶり、


「〈霊炎破〉」

「UHOOO!」


 ゴリラ鳥の鳩尾に霊炎を送り込んで、討伐した。

 同時にバナナも爆発したが、ゴリラ鳥の死体が爆風を防いでくれたお陰で、助かった。


 筆者のリアルテストがあるので、2週間ほど休みます。

 中間やばかったから、もしかしたら流る(留年する)可能性まであるんだ。

 マジでやばいんだ。

 ……ブックマークしておくと、再開が分かりやすいよ。

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