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Universal Sky and Sea Online 空中のVRMMO  作者: カレーアイス
第二章 クラン結成編
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Fallen down

 3人(まだあまり仲良くないので、シロンとツィンが並んで前、リムスは一人遅れる形)で数分ほど飛んでいくと、下向きの風の通路があった。


「ここが第二の町への入口?」

「うん、ピポ弐アは地上にあるらしいから。結構強いモンスターがいるらしいけど、なんとかなるでしょ」

「……本当に大丈夫かなぁ」


 一抹の不安を抱えつつも、風の通路を飛んでいく。

 少しすると……


「IMO!」

「キャー!」


 気持ち悪いイモムシが、羽を生やして飛んで来た。

 思わずシロンが先行して、霊力でぶん殴る。


「うわぁ……シロンはよくこんなの殴れるね」

「ま、まあね」


 この後、シロンの動きが少し悪くなったのは言うまでもない。

 長剣持ちの芽衣が主体となって、そこまで強くないイモムシ鳥を討伐していく。



 次に出てきたのは……


「DAN!」

「わっ!」


 丸まったダンゴムシ鳥が飛んで来た。

 いつも通り迎え撃とうとしたが……嫌な予感に従って、避けるだけにした。

 その予感は的中していて、真正面からダンゴムシ鳥を殴っていたら、一撃では倒せず、逆に腕が外れていた。


「とー!」


 いつも通り殴ってみたが、倒しきるには数発いる。

 ツィンの方はさらに攻撃力不足になっていて、次第に増えてくるダンゴムシ鳥の処理能力が足りない。


「っていうか、リムスも何かしてよ!」


 リムスはついて来てるだけで、今のところ全く貢献していない。

 彼は、遂に言われたかと言うように頭を抱えてから、


「……引かないで下さいよ」


 そう言って、何かのアイテムを取り出し……ギター。

 コードは繋がっていないが、エレキギターのファンキーな音楽が段々とボルテージを上げていく。

 長かった前髪をかき上げ、黒かった髪が紅色に染まって……若いバンドグループにいそうな、ファンキーボーイが完成した。


「イエー!盛り上がっていこうぜぇぇぇ!」

「……誰?」


 といいつつ、ダンゴムシ鳥を殴ってみると……2発で倒せるくらいに、ステータスが上昇していた。

 リムスのスキルは【緊那羅(キンナラ)】といい、インド神話に登場する音楽の神(もしくは精霊)だ。

 能力は、音楽で強化(バフ)が撒け、演奏の腕によって強化の質が変化する。

 そして、チャイコは楽器を持つと性格が変わるタイプだ。


「イエエェェ!」

「……誰?」


 二重人格かとも思える程の変容に、少し……いや、かなり驚きつつも、音楽によって強化されたステータスでダンゴムシ鳥を倒していく。


「いいぜいいぜ!ガンガン行こうぜぇ!」

「アイアイサー!」

「……テンション高いわ」



 さて、既に地上も見えてきて、もう少しで目的地に着く時、新種のモンスターが出てきた。


「MUKAA!」

「……このゲームって、子供向けのはずだよね?」


 ムカデに羽がついた、ムカデ鳥が飛んで来た。

 「どれくらい硬いか分からないから、殴ってみよう」とムカデをぶん殴り……結構硬いけど、ステータス強化もあって確定3発は取れてる。

 ツィンは5発いるけど、ムカデ鳥の数はそこまで多くないので処理落ちはしていない。

 だが、


「MUKAA!」

「うわ!」


 ムカデ鳥は、口から紫の霧……十中八九毒だ。

 弱い毒でも致命傷になるシロンにはキツイ。


「うわーん、どうしようツィン!?」

「生存優先で、できるだけ毒に触らないで」


 ツィンが必死に食らいついていくが、一人だとどうしても火力が足りない。

 次第に処理能力が足りなくなってきて、ムカデ鳥に囲まれるようになってきた。

 背後からツィンに噛みつこうとするムカデ鳥を、


「危ない!」


 殴り飛ばした。

 だが、その口には毒が用意されていて、毒霧が……


「〈大気の奔流(エアートレント)〉」


 風に流されて、霧散した。


「この風は……」


 風の出所を見ると、


「フッフッフー。困ってるようですねー」


 予想通り、薄く緑に光った女性の、間延びした声が聞こえた。

 もう分かっていると思うが、イベントでシロンと一対一で張り合った、風の人である。


「何の用?」

「嫌だなぁ。困ってる人をヘルプするだけですよ。あと、あなたたちがやられると、三―も面倒になるんですよ」


 どうやらこの人、シロンたちの後を付けて、楽していたらしい。


「どうでもいいからさっさと突破しようぜぇぇ!」

「そうそう、話は後で」

「イエス!」

「……まあいっか」


 楽観的3人に押し切られて、慎重派のツィンもOKし、先にムカデ鳥を突っ切ることになった。


「〈(ストーム)〉」


 風の人が……


「そういえば、何て言う名前なの?」

「マイネームはハッシュです」


 ハッシュが周囲に風を巻き起こし、毒を霧散させる。

 これでシロンが自由に動けるようになり、さらに一歩足りなかったツィンの火力を補う。


「MUKAA!(遠吠え)」

「とー!」


 最後のムカデ鳥を倒して、


「着いたー!」



 後は、テンションがいつも通りに戻った陰キャリムスとハッシュとフレンドになり、解散になった。


【シルフ】


 能力:風魔法強化


 ハッシュのスキルで、風の大精霊。

 緑に薄く光ってるのも隠しステータス。

 本人の性格も精霊っぽい(?)遊び好きそうな性格になった。

 

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