表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/100

42.感謝の気持は行動で

 前回までのあらすじ。

 今日は俺とフラウだけでなく、かしわもちとユースとくーちゃんの5人で冒険をしている。かしわもちは俺と弟ユースのリアル母さんで、おもしろトラブルメーカーである。そのおかげで、楽しくピクニック気分で冒険をしている。さて、とある洞窟にたどり着いたあたりでちょうどお昼になりました。


「みんな、一旦休憩しよう。お昼をしっかり食べないとな」


 特に異論もなく、集合時間を決めて皆はログアウト準備を始めた。

 フラウは自宅からゲームに繋いでの初ログアウトになるな。


「フラウ、長時間冒険をする時はこんな感じで一時的に現実世界へ帰還したりするんだ。食事やら休憩が必要だからな」


「なるほど。あちらの世界の肉体はこちらのものと違って欠点が多いものね。ところでお昼はどうするの?」


「まあ適当に済ませるかな」


「ならば作りにいくわ。待っていて頂戴」


「ああ、助かる」


 なんかもう恋人同士の会話だよなあ。

 これを聞いていたかしわもちがほにゃらかな顔しちゃってるし。

 弟子は師匠のお世話をするとか説明しても、きっと意味不明に思われそうだし何も言うまい。


「ゆうすけ、お昼は親子丼とラーメンどっちがいい?」


「親子丼食べたいけど手間じゃない? ささっとラーメンでもいいよ」


「どっちだってすぐだよ。親子丼だね」


「美味しそう……お母様の手料理いつか食べたいです」


「うん、いつか食べにおいでね」


「はい!」


 あちらも楽しそうである。

 親子丼美味しそうだなあ。

 カツ丼を美味しく作れるフラウならば親子丼も余裕で作れそうだ。

 ま、何ができるとしても絶対美味しいに違いない。


「ではあちらの世界で」


「ええ、すぐ会いにいくわ」


 相変わらず恋人同士としか思えないような言葉を発するフラウと同時にログアウトである。

 はたから見て恋人同士ならば、もう本当に恋人同士でいいんじゃないかと思いつつ現実に帰還した。



 目を開けると、よく知ってる天井である。

 ベッドから起き上がって台所へ麦茶を飲みにいく。

 花ちゃんはちゃんと起き上がって何か飲んでるかなあ。

 横に水を入れたペットボトルとか置いとくといいってアドバイスはしといたけど。

 いつも俺が飲み物を渡していたので、それをしないだけで不安になる。


 とりあえずそこまで心配しすぎる必要もないので、まずは部屋をささっと掃除だ。

 基本的には綺麗にしてあるので、あとはコロコロをかけて変な毛とかを根絶やしにするのみ。

 ある程度やったら綺麗なシャツに着替え、花ちゃんを待つ準備はバッチリ!

 いつものように玄関待機。


 しばらくすると、隣の家のドアが開く気配。

 それに合わせて俺の部屋のドアを開けて外へ出る。

 すると花ちゃんがちゃんといて、俺を見ていつものようにニヤリと微笑む。

 いや、いつもより嬉しそうに見えるのは俺の思い込みだろうか……。


「これが当然のことなのに嬉しく感じるわ。だから言わなくてもわかると思うけど言っておくわね。ありがとう」


「ああ、言葉は大切だ。いつだって言ってほしい」


 なんかいつもと違うパターンの会話で何か新鮮、そして嬉しい。

 花ちゃんから当たり前のように荷物を受け取り俺の部屋へと2人で入る。

 うん、間違いなく恋人同士の行動。


「では休んでいてちょうだい。急いで作るわ」


「時間に余裕はあるからゆっくりでいいよ」


「そうは言ってもお腹が空いてるのでしょう? あなたの魔力の流れからそれがわかるわ」


「そうか、お見通しだな」


 実のところ、そこまでお腹が空いているわけではない。

 ただ、花ちゃんの手料理を早く食べたいとはすんごい思ってる。

 それが伝わったのであれば嬉しい限り。

 さて、休むフリしてちょっと準備するか。


 俺はノートパソコンをテーブルに置き起動する。

 このゲーム、冒険は当然フルダイブしてからなのだが、ちょっとしたことなら外からできたりする。

 例えばマップに印をつけるとか、メモ書きをするとかである。

 お昼から骨の化石やらを採掘するので、皆がわかりやすいようにマップに目印をつけておくのだ。

 いい感じにリーダーを努めるためには、こういった陰の努力が必要なのである。


 10分ほどかけていい感じに仕上がったので、妄想タイムに突入することとする。

 休みの日、隣に住んでいる女子高生がお昼ご飯を作ってくれている。

 これまでの人生でありえなかった事態だが、これは間違いなく現実なのだ。

 一言で言うと幸せの極みである。


『よーし、今から台所に押しかけて後ろから抱きしめようぜ』


 心の中の悪魔が遊びに来て、いつものようにできないとわかっていることを提案してくる。

 ここへ天使が来てきつい一言をくれるのだろう。


『ちゃんと両手が塞がっている時を狙うのよ。火を使っている時こそ狙い目ね。相手はあなたの思うがままよ』


 なんか予想と違うことを言ってきた。

 確かに……焦げちゃうからだめ……とか言われるのは男の憧れ的なところがある。

 でもそんなのだめだよな。

 心の中の母さん、この天使と悪魔になんか言ってやってください。


『2人はあんたのことを信じてるんだよ。昨日までのあんたなら出来なかったことを、今のあんたはできるはずだってね』


 え? そうなのか?


『ああそうだ、だからこそ今俺たちの心は1つになった』


『ええ、なんかキモいけどその通りよ。さあ、あのドアを開いて新たなるステージへ進みましょう』


 なんてこった……あんなにもいがみ合っていた天使と悪魔が手を取りあって同じことを言っている。

 こんなあり得ないことが起きた今、俺も今までと違ってあり得ないことを実行できる気がしてきたぞ。

 よし……勇気を出して忍足で台所の扉前まで移動する。


『よし行け!』

『御心のままに!』

『孫の顔を見せとくれ!』


 みんなの応援を受けつつ、扉に手をかける。

 さあ……開けるぞ!


『……だめだ……だま……てる……』


 不意に何者かの声が頭に響いた。

 何か言ったか?


『何も言ってねえぜ』

『気のせいよ』

『あれ? 悪魔ちゃんの頭から熱気が……そんなアクセつけてたっけ?』


 心の中の母さんが何か言っている。

 俺も心の中に意識を集中させて心の中を覗き見る。

 なんと悪魔の頭にアンテナのようなものが刺さっている。

 さらに言うと天使がリモコンのようなものを持っている。


『ちっ、ばれたわね。もう少しでうまくいくところだったのに』


 天使が悪魔を洗脳して操っていたのか?

 一体なぜそんなことを……。

 そんな非道なことをする奴だったなんて……。


『あんたの背中を押すためよ』


 俺の背中を?


『わたしたち天使はね、何があろうと悪魔に同意なんてできないの。だから悪魔とわたしの意見が一致した場合、わたしは否定するしかないのよ。だからこうするしかなかったの……』


 つまり……?

 天使は悪魔と同じ意見を持つことは許されない?

 だから本当は悪魔と一緒の意見を言いたかったけど、それが出来ない掟なので悪魔を操る形を取ったと?

 この感じだと、天使は俺を騙そうとしたのではなく、俺のために行動したように思える。


『ええ、その通りよ。今の洗脳状態ならば悪魔といえども天使の使徒。同じ意見を言えるわ』


 そうか……本当はお前は悪魔と仲良くしたかったんだな……。


『そ、そんなんじゃないわよ! ただ、たまには同じ意見だねーって盛り上がりたかったって言うか……えっとえっと……』


 しおらしくなった天使はなにか可愛らしい。

 そうか、きついことばかり言うこいつも実は優しい子だったんだな。

 天使という悪魔と相入れない存在に生まれたばかりに苦しんでいたわけだ。

 とりあえずお前の気持ちはわかった。

 でも悪魔が苦しそうだからまずは解放してあげよう。


『そ、そうね……ポチッ』


『ぷはぁー! なんなだよこれは……頭に恐ろしい言葉が響いてきて狂いそうだったぞ』


『それが天の讃美歌よ』


『何を賛美してるんだよ……悪魔たちの罵詈雑言の数百倍は恐ろしいぞ……』


 なにか酷い目に遭っていたようだが、悪魔は正気のようだな。

 んじゃー説明するか。


『いや、それには及ばないぜ。だいたいのことは聞こえてた。とりあえず怒ってないぜ。なんか嬉しいしな』


『ふ、ふん……あんな目にあって嬉しいとかマゾなの? そもそもさっきのは、怒られないためについた適当な嘘だし』


『ああそうだよな。わかってるって』


『あんたなんかにわたしのことがわかるわけないじゃない』


 なんか悪魔さんがかっこいいっす。

 そして天使がツンデレキャラになってしまった。

 なんにせよ一件落着だな。

 では母さん、最後に一言お願いします。


『ぐーすかぴー』


 疲れてたのか眠ってしまっていたようだ。


『こんなところで寝ると風邪ひいちまうぜ』


『ふん、わたしがついてるんだから大丈夫に決まってるでしょ』


『けっ、いい子ちゃんがよお』


 天使が母さんに布団をかけてあげている。

 このお互い反発しあっているようで、実はそうではない関係。

 こんな関係もあっていいよな。

 ん? 今更思い出したが、これより前に天使と悪魔の意見が一致したことは何度かあったような……?

 よし、どうせ脳内設定なんて適当なので深くは考えるまい。


「お待たせ、できたから持っていくわね」


 台所の戸が開き、花ちゃんからお声がかかったので妄想終了。

 考え事をするとあっという間に時間が経つようだ。


「運ぶの手伝うよ」


「だめよ。これはわたしの役割。あなたは座っていてちょうだい」


「そうか……」


 弟子としての役割なのだろうが、俺の脳はこれを嫁としての役割と変換する。

 専業主婦になってもらうと考えると、収入を上げるべく仕事に精を出さねばならないな。

 いや、はじめのうちは共働きが今の時代にはあっているのだろうか……。

 いろいろ妄想しているうちに、食卓は素晴らしき景色と香りに包まれた。


「今日はあなたのお母様に習って親子丼よ。口に合うといいのだけど」


「これだけいい香りしてるんだから、間違いなく美味しいよ」


 本日うちの実家では親子丼を作ると母さんが言っていた。

 実はそれを聞いて食べたくなっていたので、嬉しさが150%アップである。

 さらにお味噌汁や漬物にミニサラダもあって豪華な定食となっているのも高ポイント。


「味もだけど、作るものはこれであっていたのかしら?」


 真剣な表情で俺を見つめてくる。

 えーと? おまかせで作ってもらったのであってるも何もないような……。

 あ! 俺の食べたいものを当てられたか聞いてきたのかも。

 うん、間違いない。


「そうだった。よく俺の食べたいものがわかったな」


「そうなの? ならばもっと驚いてくれると思ったのだけど……」


 花ちゃんに合わせて言っているだけと誤解されている?

 えーと、ここは思ったことをそのまま言えば成り立つはず。


「あまりに自然すぎて、普通に受け止めてしまっていた。驚けなくて悪かったな」


「いえ、そういうことならば問題ないわ。あなたはわたしがこれを自然に作ると考えていたってことよね。理想の形だわ」


「そうだな」


 お互いに想いが通じ合っていて、それが理想の形と……。

 もう結婚しよう花ちゃん。


「では冷めないうちに食べてちょうだい」


「そうだな。いただきまーす」


 まずは卵に箸をつけるとプルンと震えて、俺好みの半熟とわかる。

 それを口に運ぶとだしの香りが口一杯に広がり、その幸せを噛み締める。


「うん、卵の火加減が最高だ」


「ふふ、あなたのことを考えて作ったらそうなったわ。なんとなく読心の感覚がつかめてきた気がする」


 俺のことを想って作ってくれたという言葉だけでご飯が3杯はいけそうである。

 VRゲームをする前はお腹いっぱいにするのはよくないのでしないけど、この親子丼ならご飯特盛でも余裕であろう。

 この気持ちを言葉にしたいが、ここは花ちゃんを試してみよう。


「では今俺が何を考えているかわかるか?」


「そうね……」


 花ちゃんは俺を真剣に見つめてくる。

 とりあえず俺はヒントをあげる意味で食べる手を止めない。

 次はご飯と鶏肉と卵を同時につかんで口に入れる、

 最高にうまい!


「美味しいと思ってくれているのは見ればわかる。さらにその奥の思考を読まなくてはならないのよね。もしわたしがあなたたったら……」


 花ちゃんは俺の立場だったらどう思うが、って考え方をするようだ。

 これの答えで花ちゃんが普段どんなことを考えて食事しているかわかるな。

 もしここで作ってくれた人への感謝とか言い出したら、最高にいい子である。

 その場合はもちろん、理想の答えとして正解とする。


「毒の可能性を模索……いいえ、それはないわね。でも魔力による偽装で……いえ、その程度ならば返されるだけ……」


 なんか物騒なこと言ってて怖い。

 俺の理想の答えからは遠そうでちょっと不安になる。

 ちょっとヒントを出すか。


「難しく考えすぎるのは悪い癖だぞ。最初に頭に浮かんだことをそのまま言えばいい」


「最初に……。なるほど、最初に思ったことは違う気がして自らを否定していたわ。ならば……」


 花ちゃんは何故か立ち上がり、俺の方へと移動してきた。

 一体何が始まるんだ?

 緊張したまま花ちゃんを注視する。


「あなたはそのまま前を向いて食べていて」


「お、おう……」


 正直言って食べてるどころではないくらいに気になるのだが、そう言われては食べ続けるしかない。

 攻撃されたりしないよね?

 何が起きても吹き出したりしないよう、少しずつ口に運んで食べる。


「きっとあなたはこうしたかったはずよ」


 肩から背中にかけてやってくる、やわらかで温かな感触。

 唐突のことで固まっていると、俺の視界に映るは花ちゃんの白くて小さな手。

 それが俺の胸元あたりで組まれる。

 これはつまり……抱きつかれている?


 どうなっているか理解はしたが理解できない。

 抱きつかれているというのは、抱きつかれているということなんです。

 だめだ、頭がうまく働かないし何も考えられない。


「どうかしら? 間違いならそう言ってくれればすぐに離れるわ」


「いや……このままでいい……」


「そう……安心したわ」


 どうしていいかわからないが、離れてほしくはない。

 とっさに本音を言えたおかげで、この幸せな状況はまだ続くようだ。

 よし、とりあえず落ち着こう。

 考えてもわからないことは聞けばいいんだ。


「どうしてこうすべきだという結論に達した?」


「子供の頃を思い出したのよ。わたしは想いを口にするのが下手な子供だった。何を言っているのかわからない、とよく言われたものだわ」


 子供の頃がいつ頃かはわからないが、花ちゃんはかなり小さい頃から中二病的思考と喋り方だったとだろうか?

 語ってる途中で質問もあれだし、とりあえず最後まで聞こう。


「母の作る料理は好きだった。この偽りの世界を好きになれる数少ない要素だったわ。でもそれを母に伝えようとしても伝わらない。その時にわたしが選択した手段がこれよ」


「抱きついて感謝を表現か」


「そうよ。言葉ではなく、一時的接触による魔力の伝達。つい先ほどまでこの手法を忘れていたわ。あの世界の魔道兵器を見習ってやりたくなったと思ってたのだけど、実は昔から知っていたのよ」


「そうか、だからすぐに使いこなせたんだな」


「ええ……あなたのおかげよ」


 花ちゃんが俺を抱きしめる力が強くなるのを感じる。

 てか……背中にあたっているやけにやわらかな感触はもしや……。

 いやでも早とちりして喜ぶのは早い。

 もしかしたら背中に2つのかしわもちが当てられているだけの可能性もあるしな。


 背中にあたっているのはかしわもち……。

 そこからホビホビ族なキャラを扱う43歳の母さんが連想される。

 よし、こういう時は母親のことを考えれば冷静になれるというのは本当みたいだ。

 さあ、いい感じに会話をしようじゃないか俺。


「その感謝の気持ちがしっかり伝わってくるぞ。さらに美味しさが増す」


「ふふ、そんな効果もあるのね。それより、どうしてあなたはこれをしたいと思っているのにしなかったの?」


 そりゃあ、抱きつきたいからって抱きついてたら犯罪だもの。

 我慢できなかった人が痴漢として逮捕されてるわけでなあ。

 でもこれをそのまま言うのもあれなので、なんかそれっぽく言い換えねば。


「自信がなかったんだよ。それをしてもうまく伝えられるかって自信がさ。こちらの世界では、男という生き物が女性という生き物に勝手に触れると抹殺される恐れがあるしな」


「抹殺……? そのような法則がこの世界にはあったの? 初耳だわ。男だけに伝わる伝承のようなものかしら?」


 あれ……花ちゃんはほんとにこの意味がわからないのか?

 だとしたら超純粋な子でかわいい。

 じゃなくって、ちゃんと教えておかないと悪い人に騙されて変なことさせられたりしちゃうではないか。

 俺がヘタレな常識人でほんとよかった。


「いや、これを作ったのは女性側だ。男に触れられた時、それをヨシとするか犯罪者とするか、女性にはそれをする権利が与えられる」


「つまり……もしあなたがわたしにこれと同じことをした場合、わたしはあなたを殺すことが可能になる……と?」


「そうだな。殺すと言っても社会的に殺すと言う意味だが。俺の場合は大学を退学になり、決まっていた就職も取り消しになるな」


「わたしたち女性にそのような力が備わっていたなんて……。それを知らずにこれまで生きてきたなんて、無知とは恐ろしいわね」


 とりあえずこれで、世間の一般的な常識は伝えられた……のか?

 あとは自衛手段も教えておこう。


「だから覚えておいてほしい。男に簡単に触られないよう、隙は作らないようにすることだ。そのことが周囲の男を守ることにもつながる」


「そうね……下手に触れられて魔力による洗脳や操作をされては事だわ。覚えておく」


  ふう……不思議な解釈ではあるが、これで花ちゃんの一般常識スキルが上がったはずだ。

 あ、でもそれだとこの後はどうなる?

 俺がもし花ちゃんを抱きしめたいと言ったとしたら……拒否はされないと思いたい。

 とはいえ試すのも怖いし、一旦食事に意識を戻そう。


「話は逸れたが、この親子丼ほんと美味しいよ。また食べたいな」


「あなたが望むならいつだって……。では交代しましょう」


 そう言って花ちゃんは俺から離れていき、席へと戻った。

 先ほどまであった温もりが消えただけでなんとも言えない喪失感がある。

 てか、交代とは……参勤交代、政権交代、世代交代……なわけもなく……攻守交代……だよな?

 かくして、俺に人生最大のチャンスとピンチが同時に訪れたのであった……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ