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さしゅごしゅ! ~好き好き大好きご主人様~  作者: にーりあ
第二章 目覚めよと呼ぶ声が聞こえ。晴耕雨読な『二度寝の人生』を決め込むぞっ!

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①-2-1

新旧世界樹の管理はディオネが行い、その補佐役をマルギットが行うことになった。


烏女の統率はスライドしてリコとなったらしい。


町の火消しの役職に例えるなら烏女会会長がディオネで組長がマルギットで若頭がリコという感じか。


ディオネが俺の元に詰める代わりにマルギットが結界に守られた本家世界樹に基本詰めることになり、リコは魔の森の新世界樹に基本詰めると。


ちなみにジュンコは神樹庭園に詰めたいと要望。幼木より成木の方が量も質も良いからという理由だ。巣をそっちに作ったからというのもあるらしい。


大転移門を維持するためジュンコが眷属を大量に魔の森に放ったことで世界樹からキルヒギール邸までの道での魔物遭遇率はほぼゼロとなった。


ジュンコ無しで道を維持するための【子蜘蛛が魔物を食べることで得られる魔力の一部を大転移門に奉納する】という仕組みは一石二鳥にも三鳥にもなる策だ。俺はその功績を認めジュンコに神樹庭園居住の許可を出した。


「さて早速だがディオネ。細かい引継ぎを行う前にリコと儀仗兵役の烏女を借りたい」


「はいご主人様、いかようにもお使いくださいませ。リコ」


「はっ!」


と、大仰に言ってはみたものの、やってもらいたいのはただのお掃除だ。主に今まで手入れがされていなかったお屋敷の。ダスキンさせたいのだ。


俺はキルヒギール邸の掃除及び管理にリコ以下儀仗兵役烏女を使いたいことを述べる。


ディオネ含む残りの烏女は全員大転移門で神樹庭園に帰ってもらって、農作業の継続をお願いする。


「キルヒギール邸に大転移門に繋がる子門を設置する。ジュンコ、できるな?」


「容易きことでありんす。お任せあれ主さま」


「リコ以下儀仗兵役烏女については今日より基本キルヒギール邸勤務とする。ただしリコは毎日大転移門を使って神樹庭園にいるマルギットの元まで出向き情報を共有するように」


「はっ! 任務謹んで拝命いたします」


「うむ。では、ここから館までは犬で移動するか。眷属召喚するのでお前たちは少し離れていろ」


俺はその場でむーん、と、眷属召喚。


召喚に応じた眷属の犬どもが正面の空き地に発生した虹色の蜃気楼の中に映し出され、徐々に実体化していく。


『お呼びに従い参上いたしました大親分!』


代表挨拶はギン。相変わらずでかくて威圧感がある魔狼っぽいケルベロス。


「うむ。あぁそうだ。ついでだから紹介しておくか」


俺はディオネらをちょいちょいと手招き。そそくさと彼女らがやってくる。


「ギンよ。私は世界樹を植えるにあたってこの森を整備することにした。彼女がこの森の整備計画の統括責任者だ」


俺はディオネを犬どもに引き合わせた。


身の丈の倍以上ある大きな杖を持った浅黒い肌の小さな女の子が、恐ろしい形相の巨大な犬らに対峙するというちょっと面白い光景。


ガンビビりしてるリコやマルギットに比べて全くビビってないディオネにはちょっとだけ新鮮な驚きを覚えた。ディオネってばすごく女帝然としている。


「お前たちのうちオルトロスらについては世界樹を中心とした半径五キロ内の魔物の駆逐と烏女らの護衛を頼む」


『承知しました大親分』


『大親分、狩った獲物はここに運びやすかい? 肉の美味いのは献上させていただきやすぜ』


リキがしたり顔で提案してきた。


え。肉って、魔物の肉ってことだよな。


それって食えるの? っていうか美味いの?


一抹の不安をおぼえる。


「そうか。ならばお前たちの狩りの成果を期待しよう」


『そうこなくっちゃ! 大親分の期待以上のものを納めさせていただきやす!』


『ちょっ! 親父! ……失礼しました。我ら一家総出で、お役目務めさせていただきます』


一礼し、その場で簡単な打ち合わせを始めるリキとギン。


恐ろしい唸り声からの吠え合いをする二頭に、見守る烏女達は顔を引きつらせていた。


ちなみに彼女らには理解できない会話の内容はこんな感じだ。


「親父の当てってどこだよ」「ケカリフの曲角鹿だな最初は」「げ、マジかよアレやんのかよ」「もうそろそろあれくらいイケよ楽勝だろうが」「親父らと比べないでくれよこっちにはまだ――」「馬鹿野郎やることはやる時にやるんだよはえぇえとかおせえとか言ってる場合じゃねーんだよ」「いや新しい子分らには段取りが」「うるせーそんなもん知るかそんなもんは得物を見てから考えやがれ」「親父は考えたことねーだろ! ――」


今にも戦いが始まるのではないかというこの険悪な絵面が、まさか人で言う談笑だとは思うまい。無駄にビビってる烏女らちょっとかわいそう。言葉がわからないばかりに気の毒な事である。


「さて、色々相談事はあるだろうがまずは移動だ。ギンよ。烏女らを騎乗させる――」


ギンに移動の足を見繕ってもらおうとしたところで俺は俺の元にふらふらと近づいてくる人影に気が付いた。


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