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さしゅごしゅ! ~好き好き大好きご主人様~  作者: にーりあ
第一章 魔王倒して勇者退職。悠々自適な『第二の人生』を楽しむぞっ!(オマケ:第二章トレイラー)

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幕間 付録① 勇者の挑戦

多勢に無勢というのだろうか。


ボッチ歴の長い俺としては、ソロで戦うことは普通なことだし、それはいい。


相手が二人以上三人以上なんてそんな珍しいことではない。


けれど、それが強化魔法を使わざるを得ないレベルの相手となると話が違ってくる。


自身の強化が必要になるなんて上位の魔物を相手にする以外ではあまりない。


ではそのクラスの相手なのかといえば、それも違う。


これは多分、相性の問題なのだと思う。


戦闘中、こっちがちょっと漏らしただけで、相手のMPが回復する。


ドバっとやったら大回復した感じがする。


しかも技ゲージが溜まる。結構あっという間に溜まってる感じがする。


こっちが小技でやりくりしてるのにデカい技を使ってくる。


特にディオネの超必殺技がやばい。


俺はその技に、真空俵締め(ルナティックソーン)と命名した。


これをまともに食らうと意識を刈り取られかける。


そのつもりはなかったのに意思とは関係なくドバっといってしまう。


特にカウンターで吸い出されるのがやばい。2レベル肉体強化の使用を余儀なくされる。


現状回避策がなく、このカードを切られたら吐き出すしかない。現在対応方法検討中である。



また、マルギットの超必殺技もやばい。


俺はその技に、いばら千本桜(ヘブンズインフェルノ)と命名した。


俺が回転剣舞六連アオシフラッシュで仕留めに行った時閃いたらしい。


彼女の特性を十二分に引き出したスキルの威力は想像を絶した。


この技もまともに食らうと意識を刈り取られかける。


結跏趺坐で「オーム」された時点で勝負がつく。目を開いた金色の人による輪廻転生が放たれたが如きな事態になるのである。


なので出の見極めが肝心だ。


うっかりマウントを取られたが最後、なし崩し的に持っていかれる。


マウントを取られただけなら落ち着いて急所攻めなど対応を工夫すれば何とかなるものの、一手のミスが命取りになる。対応を誤るとドバっといってしまう。



おかしいな。


奴隷に対する主人としての勤めだったはずが、いつの間にか俺の修行みたくなってる。


しかも奴隷らのほうが強い。強化無しでは無理だ。


主人風吹かして二人いっぺんに相手をするとか馬鹿だった。侮ってはならなかった。


こういう戦いで敗北すると、勇者なんて所詮ただの暴力装置に過ぎないんだなって痛感する。


俺は井の中の蛙だった。全然強くなんかなかった。


英雄でも何でもない。偉そうになんかできない。


世の中って広いんだ。素直にそう思える。


もっと謙虚になろう。出来ることを精一杯やろう。悔いを残さないよう毎日を大切に生きよう。




戦いは終わり、夜明けがやってくる。


独りベッドの上で勝利に酔う。


故にその生涯に意味はなく


その体は、きっと剣で出来ていた。


もうしぼんでるけど。


あぁ、今日も頑張るぞ。


そんなことを思いながら、俺の意識は眠りへと落ちていくのだった。

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