表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さしゅごしゅ! ~好き好き大好きご主人様~  作者: にーりあ
第一章 魔王倒して勇者退職、悠々自適な『第二の人生』を楽しむぞっ!(敗残将掃討編)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/70

世界変革の鬨 ④-2-3

キルヒギール領の領主の館に第三王女ことエリザベート王女殿下が強制搬入されることになった。が、荷物だの使用人だのと一緒に護衛をたくさん引き連れて大名行列しながら来るので準備にしばらくかかるらしい。


王都からキルヒギール領伯爵邸までは1153kmの距離がある。


王族専用馬車で日が昇る朝六時に出発し日が暮れる夕方六時までで走らせたとしても移動できる距離はおよそ百キロか。


旅程なんかも考えるとこっちにつくまで一か月くらいかかると思われる。


その前に館の大掃除をしなければ。


そうだよ、そのためにディオネを雇ったんだよ。今までなんか色々あって放置してたけどもうそんなこと言ってられない。夏休みの宿題を終えていないのに夏休みが終わりかけているかのような切迫感に急き立てられ俺は大慌てで帰郷する。


王都を出るまでは威風堂々とゆったりと。王都から十分に距離を取った辺りで部隊を解体し馬車や旗などの荷物を回収。集団転移するため転移ポイントを設置し烏女らを神樹庭園までピストン輸送。犬どもはダッシュで帰らせた。


別に動物虐待をしたかったわけじゃない。同じ魔法を連続使用するとリキャストタイムが雪だるま式に増え一定回数を超えるとしばらく使えなくなってしまうからだ。スキルの都合で一度に五人までしか運べないため往復で九回も使う羽目になった。


もうしばらくは転移を使えないが、それでも俺には急ぎ烏女を運ばなければならない事情があったのだ。


うん、そう。家の掃除です。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




神樹庭園に帰還し、俺は次元門座標点がある世界樹の近くでボケっと休憩しつつ一度着替えに帰った烏女らを待っていた。


そうしたらふと、長くなった雑草に紛れて元気なく生えている見慣れない苗木が目についた。


一本だけ、何の木だろう。


気にはなったが調べる程ではない。俺はまたぼんやりと烏女らが戻ってくるのを待つ。


そこへディオネと、遅れてマルギットが駆けてくる。


「ご主人様、ご相談させていただきたいことが。新しい世界樹の苗木の扱いについてなのですが」


一本だけ生えていた木――それはまだ十センチ程度の苗木。


言われてよく目を凝らして見れば、世界樹同様うっすら光っているような。


これって世界樹の子供だったのか。自己主張が控えめでわからなかったよ。


「聖域において世界樹二柱は生きられません。このままだと現役の世界樹の影響で苗木は枯れてしまいます」


ディオネのご相談は世界樹の生存競争について。


世界樹はその根に独自の聖粒輝変換障壁を持ち、周辺大地の性質を自分の都合に合わせて変質させてしまう能力を持っているらしい。


なのでいかに自分の種から育った木であったとしても大地を巡った領域争いを回避することは出来ず、負けた方は栄養失調を起こし枯れてしまうんだそうだ。


なんでそんなことに? という俺の疑問にディオネが続けて答える。


「そもそも世界樹とは本来、元気なうちには種を作らない植物なのです」


寿命などで弱った時に一粒だけ種を吐き、親木が枯れた後その役割を引き継ぐかのように若木が育つというのが世界樹の世代交代の習性らしい。ここの世界樹はついこの間まで寿命間近であったというから、恐らくは既に種を吐き出していたということなのだろう。


そしてたぶん、種は成長しないままその辺に転がっていた、と。


「土地の力が不足していると種は芽吹かないまま種であり続け、やがて死にます。大地そのものが世界樹の生育基準に満たなくなってしまった場合、世界樹は親子共々死んでしまうのです。かつて結界外で何本も生きていた世界樹も、それが原因で滅んでしまいました。しかし、今回はそれとは逆なことが起こってしまって――」


ところが今回、自然には起こりえない現象が起きた。


死にかけていた世界樹が生まれ変わってしまったことと、土地に膨大な力が注ぎこまれたことで大量の力の循環が発生し、周囲に力が溢れたのである。


――つまりこの一件。俺のやり過ぎが原因なのか?


土地の力がみなぎった余波で種が目を覚ました。その結果が目の前のそれである、と。


「そうか。ならば植え替えるか」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ