11 血無しの子
魔力を持つのは、基本的に貴族だけ。魔力は血統によって受け継がれていくからだ。
ではなぜ希に平民の間で魔力持ちがうまれるかというと、単純な話で、先祖の誰かが貴族であったことにより、隔世遺伝などで受け継がれるからである。
実際、エドガーくんの母方の祖父は元貴族だったそうだ。
その子孫から、エドガーくんのように強い魔力を持つ子が産まれたというのは、珍しいことではあるが、まったくない話ではないそうだ。
「おかしいなぁ。エドにはちゃんと、魔力コントロールを覚えるまでうちで預けるって説明、サリバンくんからしてたはずなんだけどねぇ」
「お母様に怪我をさせてしまったあとだったのでしょう? 混乱して、説明をちゃんと聞いていなかったのでしょうね」
サリバン親子が今度こそしっかり話し合えるように、と談話室を貸し出したため、応接室の暖炉の前で温まる僕らに、何故か混ざっているエヴァローズ子爵ことレイナードさん。
「しかし、夫人の不貞を疑うような言葉を子どもの前で言うなんて、サリバンさんに報告しておいた方がいいですかね」
「うーん、どこにでも口さがない連中はいるものだけど、小さい子の前で言うことじゃないね。ワシからそれとなく伝えておくよ」
「お願いします」
レイナードさん、大神警視、僕、の並びで暖炉を囲んでうずくまり、なんとなく小声で話す。メイドたちは下がらせているので部屋には他に誰もいないのだが、本当になんとなく、だ。
僕らは薄着で外に出たせいで身体が冷えていたからこうしているのだが、レイナードさんは吹っ飛んだ窓を雑に板で塞いだだけの研究室で、でんでん伝言水晶の改良版を作成してたらすっかり冷えてしまったそうだ。他の部屋を使えば良かったのでは、と思ったが、他の研究室はもっと酷い状態だったり、発明品で埋まっていたりで使えないらしい。
それにしても、エドガーくんのお祖父さんの話を聞いて、なんとも言えない気持ちになってしまたった。
この世界では、魔力の多寡が非常に重視されている、というのは聞き知っていたが、僕の思う以上に、貴族にとっては重大事であったのかもしれない。
エドガーくんが、母親の不貞を疑う周囲の言葉に不安を覚えてしまったのは、祖父の出自を知らなかったというのが大きな理由だろう。エドガーくんのお祖父さんは、エドガーくんに強い魔力があると判明するまで、自分が貴族の出であることを、妻子にすら秘密にしていたのだという。
家を出たのは、魔力がないに等しい程少なく、実家での扱いが酷いものだったからで、虐げられ、蔑まれて生きるくらいなら、いっそ親兄弟も家も全てすて、平民として生きようと考えたからだという。
それだから、お祖父さんはエドガーくんに魔力が受け継がれたと知ったとき、なんて皮肉なことだと大笑いした。そうして、自分の実家にこのことが知られないよう、注意するようにとサリバンさんに忠告したそうだ。
その為、サリバンさんは、レイナードさんにも自分の父親の実家を明かしていないという。
「レイナードさん、ひとつお伺いしたいのですが……。【血無し】というのは、この国でどのような意味を持つ言葉ですか」
エドガーくんのお祖父さんの話を聞いて、思い当たることがあったのだろう。大神警視が口にしたのは、僕にも聞き覚えのある単語だった。
少し前に奴隷商に捕まった時、連中がハンス・グローリアを指して言っていた言葉が【血無しの子】であったはずだ。
「……どこでその言葉を?」
「先日捕らえた奴隷商が口にしていた言葉です。そのご様子では、口にするのも憚る類いのもののようですね」
あからさまに顔色をかえ、声音も強張らせたレイナードさんに、大神警視は答えたくなければ結構です、と言い添えた。しかし、レイナードさんは弱々しく首を横に振る。
「いや……。ディアナとケインとして過ごす以上、君たちにも知っておいて貰わないといけないね。その言葉はね、貴族の家に生まれながら、魔力を全く持たない者への侮辱語なんだよ」
「それじゃあ、血無しの子というのは……」
「ハンスのことだね。あの子が小さな頃から投げられていた言葉さ」
いかにも痛ましいと言わんばかりの溜息が、レイナードさんの複雑な心境を物語っているようだった。
「グローリア家の家系図は見たかい?」
「はい」
「ハンスとセレスティアはいとこ同士でね。本当なら、血が近すぎると兄上たちはふたりの結婚を歓迎してはいなかったんだよ。それでも結婚を許したのは、セレスティアが強く望んだのと……。僕ら兄弟みんな、ハンスには負い目があったからでね」
ぱちっと爆ぜる薪の音。揺れる暖炉の火を眺めながら、レイナードさんは敢えて感情を抑えるかのように淡々と語った。
ハンスの父、ダリウスは、アーネストの兄で、本来ならば長子としてグローリア辺境伯家の跡取りとなるはずだった。しかし三歳の祝福の儀で、ダリウスにはまったく魔力がないことが判明したのだ。
それからは、家の中でも外でも、ダリウスの居場所はなくなった。
両親は彼を家の恥ととらえ、まともな教育も施さず、離れに軟禁したのだ。
末の子であったレイナードさんなどは、長兄の存在すら、長いこと知らずにいたという。
「兄上たちは何度も父上に意見していたけれど、それがダリウス兄上の待遇を変えることはなかったよ。父だけじゃない。分家の者達も、誰にとっても、魔力を持たないものは貴族ではない……存在してはならないモノでしかなかったのだからね」
家の中で蔑まれ、役立たずと何の期待も寄せられない。
それでも生きていられればまだ良い方で、酷い場合は、魔力を持たないと判明した時点で、間引かれることすらあったという。
昨今では、そこまでするのはあまりに非人道的だと世間にも非難されるが、家の中でいないものと扱われるくらいは、珍しくもない話で誰も問題視すらしない。
そもそも血無しと呼ばれる者がうまれる確率は非常に低いが、運悪くそう生まれついた者のほとんどは、早い内に家を出て行く。それを止める者は誰もおらず、行方を捜されることもない。
……ダリウスもまた、そうだったそうだ。
アーネストやセドリック兄弟は、父に隠れて兄に食事を運び、最低限の読み書きを教えていた。それを知った両親は、離れでは近すぎると判断し、ダリウスを遠方の神殿へと出家させようとしたのだ。しかしその道中、ダリウス・グローリアは行方不明となった。
その後の彼の人生がどのようなものであったか、詳細はわかっていないが……十数年後、ダリウスの息子と名乗る少年が、グローリア辺境伯家を訪ねてきたのだ。ダリウスの遺髪と、形見の指輪を持って。
面差しはダリウスそのもの。形見の指輪は、アーネストがダリウスが家を追い出されるとき、こっそり持たせた家紋入りのもの。いざというときに売って金に換えてくれれば、と考えて持たせたものだった。
最初は追い出そうとした父も、ハンスが決して少ないとは言えない程度には魔力を持っていたことから、孫として認めることにしたという。とはいえ、手放しで本家に迎えられたわけではなく、分家の家……グラスベリー子爵家に養子として迎えさせたのだ。
「あれ、でも、グラスベリー子爵家には既に男子がうまれていたのでは? 良く養子に迎えましたね」
「ああ、フランツだね。あの子は、ハンスが養子に入ってすぐ産まれたんだよ。おかげであちらの家でも、ハンスはずっと肩身が狭かったはずだよ」
「あぁ……」
現グラスベリー子爵の顔を思い浮かべる。見た目から三十代だと思っていたけど、よくよく聞けば、彼はまだ二十四歳らしい。ハンスとは六歳差。……え、老けて見えるな。僕が東洋人で、この国の人間は欧米人と人種的に同じようだからそう見えるだけかもしれないけども……。
「まあ、そういったわけでね。ダリウス兄上のことを少しも助けて上げられなかったから、僕らはハンスに対して負い目があるってわけさ。けれど、だからってハンスがディアナやケインをないがしろにするのなら、それは抗議しなくてはいけないことだけどね」
「……そうですね。親の代の確執など、子どもには関係のないことですから」
大神警視の正論に、レイナードさんはその通りだと頷いたけれど……。その表情は、発明品の話をしているときとはまったく違って、憂いを含んだ暗いものだった。
ウィルソンから聴取した話によると、ハンスは彼に子どもたちのことをあえて放置するよう指示していた。シモンズさんたちだけでなく、子守も解雇したのもそう。まともな教育を施さない、というだけではない。ハンスが何故そんな指示をしたか、ウィルソンにも教えてくれなかったそうだが、死なない程度に放っておけとわざわざ言い添えたところには、無関心というよりも悪意を感じる。
もしも自分の父親への処遇で、グローリア辺境伯家に含むところがあったとしても、仮にもディアナは彼の実子だ。何を思ってそんな指示を出したのか、僕にはちっとも理解できない。
ただ、単純な無関心による育児放棄ではないのだと、認識を改めるには十分な情報ではあった。
***
「あ、そうだ。僕、レイナードさんに伺いたいことがあったんですけど」
なんとも重くなってしまった空気を変えようと、僕はできるだけなんでもない調子で甜菜について尋ねてみた。するとレイナードさんも聞いたことがなかったようで、うーん、と首を首を傾げてしまう。
「甘い蕪かぁ。ワシは聞いたことはないが……。サリバンに聞いてみたらどうかね? 彼は元は行商人だったから、いろんなモノに詳しいし伝手もあるぞ」
「そうなんですか?」
「ならあとで時間をとってもらいましょう。サリバンさんには、他にも相談してみたいこともありましたし」
「レンくんもかね?」
「ええ。ロイが、私たちが作ったシャンプーやリンスを販売したら売れるのではないか、と言うものですから」
「ほ? それはどういうものだね?」
作った、というところに反応したな、レイナードさん。この人は本当に物作りが好きらしい。まさか美容品にまで興味を示すとは……。
根っからの研究者気質なのか、老人は次から次に質問を繰り出してくる。美容品のもたらす効果にとどまらず、現代日本の科学についても質問したくでうずうずしているようだった。大神警視も、宿を提供して貰っている手前、無碍にするつもりはないようだし、聞かれたことには、差し障りのない範囲で答えるつもりでいるようだ。
レイナードさんの質問責めは、エリスが昼食の時間だと呼びに来てくれるまで続いた。
そうして午後、街に出かける予定だった僕らに、案内役として手を上げてくれたのは、なんとサリバンさんだった。
「良かったのですか? エドガーくんに会いに来たのでは?」
「ええ。ですので、よろしければエドガーも一緒にご案内させていただけましたらと。実は妻がこの街の出身でして、支店も置いてあるくらいよく知った土地です。道中、お助けいただいたお礼も兼ねて、観光案内くらいさせてくださいませ」
馬車寄せで待っていてくれたサリバンさんにそう言われ、僕らに断る理由もない。もともと彼には時間を取ってもらえないか頼むつもりでいたのだからなおさらだ。
ただ、せっかく和解できた父親との時間を取ってしまうのはエドガーくんに悪いのでは、と思ったが、彼はサリバンさんの後ろで、ちょっと気まずそうにこちらの様子を伺っていた。目があえば、ぐっと眉間に皺を寄せて睨んでくる。
「……お、おまえらきのうきたばっかだからな。うちの店みたらめずらしいものいっぱいでびっくりするぞ」
これはやっぱり不満なのでは? と思いきや、つん、とそっぽを向いてそんなことを言いだした。大泣きしたのが恥ずかしくて、態度が攻撃的になっているのだろうけど、一応こちらは貴族、あちらは平民ということでサリバンさんは真っ青だ。
「エド! グローリア辺境伯家のお嬢様方になんて口を……っ! 大変申し訳ございませんっ!」
「サリバンさん、お気になさらずに」
子どもの言うことですから、なんて子どもの姿の僕らに言われても、だよなぁ。
ともあれ、ガイド役のサリバンさん、エドガーくん、僕、大神警視、エリスの五人がボックス馬車に乗り込み、ロイと数名の騎士が馬に乗ってついてくる形で出発した。五人も乗ったら狭いかと思ったが、うち三人が六歳児と言うこともあってそうでもない。エリスが若干、先ほどのエドガーくんの態度に気分を害しているのか気配がひんやりしているのが唯一の問題か。
「エリス」
「申し訳ありません」
大神警視に窘めるように名を呼ばれ、エリスはハッと居住まいを正し、表情を取り繕った。サリバンさんはそんな様子に恐縮しきりだったが、馬車が城館の門を出る頃には、原因となったエドガーくんはどこ吹く風で楽しげに窓の外を眺めてガイドを初めてしまう。
「あっちのおおどけいのあたりが、バローネしょうてんがいだ。うちの支店だけじゃなくて、いろんな店がたくさんあるんだ。そのおくにあるメイルズ神殿は、すごぉーく昔からあるんだぞ!」
「立派な時計塔ですね」
「はい。メイルズ神殿の時計塔は、三百年前からある鐘撞き塔を、エヴァローズ子爵レイナード様が今のように改築したんですよ」
「え、大叔父様が?」
「はい。エヴァローズ卿はとっぴな発明癖が有名ですが、時計だけでなく、農機具なんかもどんどん使いやすく改良してくださるので、農民達はとても助かっているのですよ」
「そうなんですね……」
サリバンさんの表情は柔らかく、その言葉に嘘はないのだろう。
「貴族様に珍しく、居丈高なところがないお方で、困り事があると親身になって相談にのってくださる素晴らしい領主様です。……まあ、ときたま、お城から凄い爆音がするのは驚きますが……」
「それは……、申し訳ない……」
一応、ケインくんにとっては身内にあたるので、つい謝罪を口にしてしまったが、サリバンさんはいやいやと首をふる。
「困惑することもそりゃございますがね、それよりずっと感謝しているのですよ。息子のことではお世話になりっぱなしですから」
「……せわしてやってるのはオレのほうだけどな!」
「こら、お前はまたそんな……」
ふん、と胸を張るエドガーくんに、サリバンさんはしかめっ面になって小言を言う。レイナードさんがエドガーくんに世話を焼かれている姿も少し見たことあるだけに、全否定はできない言葉であるのが、サリバンさんにとっても頭の痛いところだろう。レイナードさんが舐められているというべきか、ある意味慕われている結果というべきか。
ともあれ、メイルズの街見学は基本馬車による移動でおこなわれた。中心街となるバローネ商店街では、入り口にあたる広場で馬車を止め、ゆっくりと歩いて店を見て歩く。
途中豊穣の女神の祀られたメイルズ神殿を参拝し、時計塔を見学。ガラス細工の工房や、民芸品店、木工細工店などでフレアローズに残っている面々へのお土産を買い求める。
サリバン商会の支店にもお邪魔して、扱っている商品も見せて貰った。
品揃えは皇都の本店や、フレアローズ領の支店には及ばないが、ないものは迅速に取り寄せると豪語するだけあって、品揃えは幅広く豊富だ。
「食料品も置いているんですね」
「ええ、うちは何でも揃う、が売りですから」
店先に詰まれた保存食品や根菜類を見てつぶやけば、サリバンさんは自慢げに答えた。その様子は、どこかエドガーくんに似ているところがあって、やはり親子なのだなぁと微笑ましくなってしまう。
「それならお伺いしたいのですが、この近辺で、とても甘い蕪が出回っていませんか?」
「……甘い蕪、ですか?」
「ええ。我が家の料理長が若い頃、北方の山間で、甘い蕪が栽培されているという噂を聞いて、さがしていたそうなんです。当時は結局見つからなかったそうですが」
「北方の山間……。うぅーん、少々お待ちくださいね。おぉーい、ルカ! ちょっと来てくれ」
大神警視が甜菜のことを尋ねるや、思い当たる節があったのか、サリバンさんは店の奥で商品を整理していた青年を呼び出した。
はいはい、と小走りでやってきた青年は、歳の頃は三十にも満たないだろう。
「甘い蕪ですか? えぇーっと、ちょっと待ってください。なんか聞き覚えが……。あ、そうだ! そうです、たしか、オレの親父が子どもの頃住んでた村で食べたことあるって聞いたことありますよ」
「ほ、本当ですか!?」
まさかこんなにはやく有力情報が見つかるとは!
思わず大きな声が出てしまったが、ルカさんは特に気にするでもなく、記憶を辿ってくれた。
「はい。土地がすげぇ痩せてて、貧しい村だったんで、たまに食べれるそれがごちそうだったとかしょっちゅう話してくれたんで覚えてます」
「そ、それ! その蕪と村の名前は!?」
「えぇ~……っと、すんません、その村……」
「はい!」
勢い込む僕に、ルカさんは――とても申し訳なさそうに、こう続けた。
「二十年以上前に廃村になってます……」
「えっ」
手がかりが見つかったと思ったら、現実はなかなか厳しい。乙女ゲーム世界なのにどういうことだ。
甘い蕪を栽培していたらしい村は、とっくの昔に廃村になっていた。元々北の山間部で土地も痩せており、ろくに作物も育たない土地柄。二十数年前に飢饉が起こった折、村人たちは村を捨てて散り散りに離散したのだという。
「それほど土地の痩せた村だったのに、甘い蕪は育ってたんですか?」
「あー、いや。山から取ってきてたって言ってたから、自生してたんだと思いますよ」
「そうですか……。村が離散するほどの飢饉だなんて、大変だったことでしょうね。北方ということは、もしや北の山嶺近くですか?」
「いやぁ、そこまで遠くなかったはずですよ。ここまで山ひとつふたつ越えてきたって言ってましたね。魔獣を追い払う神様の祠があって、そのおかげで魔獣なんて一度も見たことなかったそうですし」
続く大神警視の質問にも、ルカさんは丁寧に答えてくれた。
山をひとつ、ふたつ越えた先にある、山間部の廃村。
村の独自栽培していた作物ではなく、自生していたものを採取していたのなら今もそこには同じ蕪が自生しているかもしれない。
できるだけ詳細な場所を教えてほしいと頼んで、あれこれ聞いていたら、ルカさんはひとつ、不思議なことを口にした。
「親父、子どものころその蕪を山の神様の祠にお供えしたことがあるそうなんですよ。なんか、一度遭難しかけたときに、神様に助けてもらったんだとか言ってて」
「山の神様に、ですか?」
「ええ。ものすごく大きな、真っ白な狼の姿をしてたと……。まぁ、何か見間違えたか、朦朧としてて夢でも見てたんでしょうけどね」
「へぇ……」
山で遭難して、狼に助けてもらった?
襲われたならわかるけど、助けられたなら神様のお使いだーとか、神様に助けて貰ったんだー、とか思ってしまうのは、まあ良くある話か。
日本でも、山って怪談とかすごく多かったもんな。
ともあれ、有力な情報を入手することができたのだから、出かけてきた甲斐があるというものだ。エヴァローズ子爵領から山をふたつは越えるなら、日帰りは厳しいので、出かけるには許可と準備がいるだろう。帰ったらレイナードさんに相談してみないとな。
なんて思っていたら、大神警視はエリスに指示して最新の洗髪剤やら石鹸やら、いろいろ買わせていた。確かシャンプー、リンスなんかはジャックさんに作ってもらったものを持ってきていたはずだけど……。
はて、何をするつもりやら。
お気に召していただけましたら、下部の☆☆☆☆☆より評価をお願いいたします。