第16話 暗躍する影
ダイン達の眼前にはウエストリアの大軍が迫っていた。
斥候『敵の数およそ一千!さらに増援があると思われます。』
ダイン『よし、作戦通り、敵を惹き付けるぞ!』
オーズ『ダイン!俺たちの役目は、悪魔で敵をトールス渓谷に誘い込むための囮だ。あまり張り切りすぎるな。ほどほどにやるぞ。』
ダイン『分かってる!行くぞ皆!』
全員『おう!』
全員鉄器兵に向かって走る。
ザンッ!
ザシュッ!
ダイン『おりゃあ!』
オーズ『どおりゃああ!』
ダインとオーズは、敵を次々に斬っていく。
一方フローラも敵と距離をとりつつ詠唱し、完成した魔法を言霊に乗せ解き放つ!
フローラ『大地よ我がまえに力を解き放て!アースクエイク!』
ゴゴゴゴッドンッ!
大きな地割れができ、敵を飲み込んでいく。
フローラ『!!この敵兵って…。まさか…。』
フローラは何かに気づいた。
敵に囲まれ背中通しをくっつけるダインとオーズ。
ダイン『なかなか強いな。』
オーズ『強さもなかなかだがひとつ気になることがある。』
ダイン『?どうした?』
オーズ『こいつらには感情がない。』
ザンッ!
襲ってきた兵をオーズは叩ききる。
ダイン『ちっ囲まれたか。』
回りを見ると善戦はしているものの、数の差で段々押され始めていた。
ダイン『ちっやっばいな。』
その時!
フローラ『ファイヤーボール!』
ドォン!
敵兵に炎の玉が着弾し爆発を起こす。
フローラ『二人とも無事?』
ダイン『ああ。そろそろ潮時だな。』
フローラ『それに少し気になることがあるわ。敵兵に感情がない。』
ダイン『!?』
オーズ『話はあとだ。予定通り退却するぞ!』
ダイン『分かった。全員退却だ!』
ダイン達は被害を被りながらも渓谷の前まで陽動に成功した。
トールス渓谷アヴァロン軍
兵士『ダイン達がうまくやったようです。後ろには大軍が見えます。その数およそ五千!』
アイン『そうか。全軍配置につけ!敵を殲滅するぞ!』
兵士『はっ!』
ダイン達はうまく茂みに隠れ、様子を見守る。
敵兵はダイン達を追って渓谷内に入っていく。
アイン『来たか。全員構え!』
崖の上に弓矢隊がたった。
アイン『放てぇ!』
ビシュシュシュ!
次々に放たれる弓矢になすすべが無い敵軍は次々に倒れていく。
騎士『団長、成功しましたな。』
アイン『ああ…。』
アインも気づいていた。敵兵たちが
あまりに手応えがないことを。敵兵を一掃し終わると、アインはその夜ダイン達を幕舎に呼んだ。
~アヴァロン軍本陣~
アイン『よくやったな3人とも。敵の被害は甚大だ。初戦で五千人も被害が出たのだから。恩賞もたらふく出るぞ?ゆっくり休んでくれ。』
ダイン『団長。その事で少し話があります。実は…。』
ダインは戦場についてアインに話した。
アイン『敵に感情がない…。か…。』
アイン『俺も同じ事を考えていた。だが操られているにしても、確証がない。とにかく確証が得られるまでここで迎撃するしかない。囮やくのお前達が便りだ頼んだぞ!』
ダイン・オーズ・フローラ『はいっ!』
それからダイン達は敵を誘い込んでは殲滅を何度も繰り返した。
アイン『余りにも攻めが単調すぎる。何か裏があるのか?』
騎士『だ、団長!』
アイン『どうした?』
騎士『た、大変です。お、王都が…。』
アイン『王都がどうした?』
騎士『王都が陥落しました。』
アイン『バ、バカな!』
それは作戦を根本から覆る出来事だった。




