第10話 精霊竜の神殿へ
~宿屋フローラの部屋~
ダイン『フローラ!』
ドアを開けると起きたばかりのフローラがいた。
フローラ『は?』
ダイン『え?』
レントン『だから待ってくださいと。つい先程目覚められたんですよ。フローラさんは。それを聞かずにいくもんだから…。』
ダイン『レントンさんも人が悪い。あわてて駆け寄ってくるもんだから、何か悪いことがあったのかと。』
レントン『ちゃんと人の話を聞いてくださいよ…。』
フローラ『クスクスクス…。』
ダイン・レントン『笑い事じゃない(ありません)!』
と二人同時にハモル。
オーズ『んー?何かあったのかー?ってフローラ!目覚めたのか!』
フローラ『すみません。皆さんには迷惑をかけてしまったみたいで…。明日からは動けますから、急いで向かいましょう。』
立ち上がってアピールするフローラ。しかし足元がおぼつかずフラフラと床にしゃがみこむ。
フローラ『あ、れ?』
レントン『病気が治ったとはいえ、あなたはまだ無茶は禁物ですよ。後、2、3日は大人しくしていなさい。』
フローラ『はい。でもダインやオーズは大丈夫なの?』
ダイン『ああ。俺達も、2、3日後に武具ができるから。それまではここで待つよ。』
オーズ『そうだぞ。ゆっくり休みな。』
フローラ『ありがとう。わかったわ。でもその間どうするの?』
ダイン『ギルドがここにはある。路銀稼ぐ為にもしばらくはクエストでもやってるさ。』
フローラ『ギルド?』
オーズ『困った人のための何でも屋さんみたいなもんだ。』
フローラ『そっか。』
ダイン『ゆっくりしてろ。体力を戻してまた、旅をしようぜ!』
フローラ『ええ。わかったわ。』
~2日目の夜~
ダイン達はそつがなくクエストをこなし路銀を稼いだ。そして2日目の夜。
ダイン『はあ~、食った。食った。それにしても月が綺麗だな~。』
ダインは窓越しに月を見た。下を見るとオアシスの畔にたたずむフローラの姿があった。
ダイン『フローラ!』
フローラ『ダイン。』
ダイン『もう平気か?』
フローラ『ええ。お陰様で。迷惑をかけてしまってごめんなさい。』
ダイン『気にするな。』
ふと湖畔の方を見るフローラ。
フローラ『…。』
ダイン『?何か気になっているのか?』
フローラ『ええ。ちょっと。』
ダイン『よかったら話してくれないか?』
フローラ『私、あの神殿に呼ばれているような気がして。』
ダイン『神殿が?』
フローラ『ええ。神殿なのか他の何かなのかは分からないけど。』
ダイン『しかし気の長いやつだな。もう一週間だぞここに滞在して。会いたいなら向こうから来ればいいのにな。』
フローラ『クスクスクス。そうかもしれませんね。』
ダイン『明日は武具を受け取って、精霊竜の神殿だ。もう寝よう。』
フローラ『ええ。』
???『ちょっと待て。』
ダイン『何もんだ?おめえ。』
???『お前、ビルドから武具を作ってもらってるだろ?それはアシュトナー家の跡取り足る私に相応しい。私に寄越せ。』
ダイン『あの時ぶっ飛ばされた貴族か!断る!』
貴族『何を!力づくでいかせてもらうぞ!出て来いお前達!』
数人の追い剥ぎらしき男が物陰から近づく。
ダイン『また、金か。』
貴族『やれぇぇ!』
しかし追い剥ぎ達の実力ではダインには敵わずあっさり倒された。
ダイン『さて、と。』
貴族『ひ、ひいぃぃ。』
剣を貴族に向ける。
ダイン『どうする?また痛い目をみたいか?』
貴族『ゆ、許してくださいぃぃ。』
ダイン『情けないやつだ。早く立ち去れ。』
貴族『ひっ!ひいぃぃ。』
貴族は顔面蒼白になってその場を立ち去る。
フローラ『あいつは逃がすの?』
ダイン『あいつは腐っても貴族だ。後々、面倒だ。それよりも寝ようぜ。』
フローラ『ええ。』
~ビルドの工房~
ビルド『おう!待ってたぜ!出来てるぜ!最高のやつがよ。』
そういって二本の剣を差し出す。
ビルド『こっちはダインの両手剣リオンブレードだ。そしてもうひとつの方が、リオンソードだ。』
オーズ『これは恐ろしく軽い。まるで重さを感じない。そして物凄く頑丈そうだ。』
ダイン『俺のもだ。』
ビルド『アントリオンの牙や甲殻で作ったんだ。軽くて丈夫で攻撃力も申し分ない。』
ビルド『それにこっちもできてるぞ。アントリオンの甲殻と大鬼蜘蛛の糸で作った、リオンメイルだ。こっちも防御力もお墨付きだぞ。』
ダイン『早速装備するよ。』
ビルド『おっと待ちな。これも受けとれ。大鬼蜘蛛の甲殻から作った膝当てと小手だ。』
ダイン『何でそこまで?』
ビルド『んー?何でかなお前達のことを気に入っちまった。それよりも早く着て姿を見せてくれ。』
ダイン『ああ。』
ダインとオーズは試着室に入り、防具を着る。そして試着室から出てきた。
ビルド『おお。似合ってるぜ。二人とも。』
ダイン『何から何まですまない。』
ビルド『お前達のことを気に入っちまったんだ。なあに、気にすることはねえよ。何かあればいつでも来てくれ。歓迎しよう。』
ダイン『ああ。ありがとう。俺達はいかないと。』
ビルド『ああ。またな。』
ダイン達は工房を後にした。
ダイン『いよいよ精霊竜の神殿だ。行くぞ!』




