6話:土志田恒夫の優しさ
何でと言うと米山さんのご夫婦が、古い家に住んで、米山建男さんが、毎週3回
もベッドに5時間も寝かされ続けるんだぞ可哀想じゃないか、せめて可愛い孫達
と短い間でも一緒に住まわせやりたいとは、思わないかと冷静な口調で言うと
勇の目頭が、熱くなり、わかりましたと言うと、思わず、父の優しさに涙が
こぼれてしまった。
この話は、他には、言うなよと、父が言うのでわかりましたと答えた。
そうして勇が、奥さんに4月から母屋に5人で住んで、両親がこっちに住むから
と言われたと告げると、そんなの悪いわと言ったが、これは父から言われたと
伝えて4月1日、母屋に移動した。
その後、父が、母屋と離れの風呂とトイレを新しくしてくれた。勇がお金出すよ
と言うと、父が笑いながら、俺の方が金持っているから大丈夫だと言ってくれた。
その後、5月になり土志田勇と種子と子供達で米山家をお見舞いに訪ねた。
その時、勇が父から、お前達5人で、離れは小さかろうと言われ、母屋に入る
ように言われ、両親が離れに入ると指示されたと話した。
母屋は古い作りですが5LDKと広いので、そのうちに良かったら一緒に
住みませんかと誘うと、そんな事出来ませんわと、米山幸子が言った。
すると、その話を静かに聞いていた米山建男が目に涙を浮かべて、そんなに
気を使わんで下さいと言い、どなたが言いだし存じませんが、非常にありがたい
申し出、本当にありがとうございますと目にいっぱいの涙を浮かべて話した。
その姿を見て、大人4人が涙を流し、米山建男が勇さん、あんたは、本当に
心優しい、素晴らしいお父さんに育てられて幸せですねと言った。そして、
お父さんに、ありがたい申し出、痛み入りますと答えておいて下さいと言った。
このお話、もう少し、考えさせていただき、お答えしますと言った。
わかりましたと勇が言い、くれぐれも無理なさらず、可愛い孫達も、米山さん
ご夫妻が来られるのをお待ちしていますと言うと、たまらず、米山幸子が、
土志田一男、和子、二男を泣きながら、1人ずつ抱きしめた。これを見ていた
種子は、号泣した。
そうして、少し落ち着いたところで、勇が、それでは、お待ちしていますと言い
、失礼した。そして、1週間後、米山建男さんから土志田恒夫に、お礼の電話
がかかり、来月6月から、お宅の母屋に住まわせいただきますと言い、お情け
痛み入りますと何度も何度も、お礼を言ったと勇が聞かされた。
その後、米山建男さんから勇に今の家を売りたいのだが、不動産屋、工務店
など知り合いはいませんかと聞いてきたので、父の友人の親戚の新井工務店
の新井伸一社長を紹介した。数日後、米山家の売却の広告を中古住宅。現状渡し
1800万円で地元の不動産屋3件に出した。そうして6月から米山夫妻が
8畳2間を提供し、残りの3間を土志田勇一家5人が使う事になった。
新品のお風呂とトイレを見て、改修されたのねと言い、気分良さそうに、
お風呂に入ってくれた。そして、料理上手な米山幸子さんが腕を振るい、魚の
煮付けや中華料理を作っては、離れの土志田恒夫の所へ、おっそ分けを持って
行くと喜んで食べてくれた。また、孫達も、楽しそうに、米山のおじいちゃん
、おばあちゃんと遊んだ。




