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楽しい部屋  作者: 竜胆
36/36

料理

外泊最終日です

しばらくゴロゴロとしながら私はサクラをなでていた。

サクラは家族の中でも私にしかこころを許してなくて家族にも懐かない猫だった。

半年程に譲渡会で我が家に居た先住猫はオス猫だったが面倒見がとても良い猫で、小さな小さなサクラの面倒を見て育てたのはそのオス猫だった。

サクラも譲渡会で引き取った猫だった。

オス猫は約8キロある猫だった。サクラは3キロちょっとだった。同じ量のエサを与えているのになんでなんだろうと疑問だった。

オス猫が先に死んでしまってから、サクラは孤独だったろうなと思うと、胸がキリキリと痛むのだった。

もしも今後も一人暮らしを続けるようになっても、なるべく実家に帰るようにしよう、と私はサクラをなでながら思うのだった。



外泊届けには病院へ戻る時間を書いていたが、両親ともに連絡もなく帰ってこないので、私は困ってしまっていた。

2人のそれぞれの携帯に電話をかけてみたがでないのだった。



私は病院に電話をして、受付の方に「お世話になっております、入院してる病棟名と自分の名前を言って、外泊をしているのですが、両親がまだ帰って来なくて連絡も取れない状況なのです」と言うと、「分かりました。病棟にお繋しますね。文さん、大丈夫ですからね」と優しく言われて、電話の方がどなたなのか分かった。

入院をしてからは散歩中にすれ違う時に頭を下げて挨拶をしていて、外来通院をしている時には、受付の男性や女性職員さんに、診断書や様々な手続きがある時に手続きに必要なものを教えて頂いたり、事務の方々とも入院費用を私はカード払いをしていたのだが、名前を覚えていた。

受付の方の名前を言って「お世話になります。ありがとうございます」と言った。

電話の待ち時間に流れる音楽に切り替わった病棟の電話に出て下さったのは副長さんだった。「おつかれさまです」と私は自分の名前を言った。

「外泊よね、なにかあったの?」と問われて、私は両親に連絡がつかず病院に戻る時間に帰れそうもなくて困っている状況であることをお伝えした。

「精神的には落ち着いてるみたいだね」「はい」「8時までに戻れればいいんじゃない、先生やスタッフにそう申し送りしとくよ。」「副長さんありがとうございます」と私が言うと「いーえー。夜だから気を付けてね。また家を出る前に病院に電話をしてね。準夜帯のスタッフが病棟の鍵を開けるから」言われるのだった。

私は副長さんに「すみません、ありがとうございます。副長さんのお御足はなごうございますねっ」と言って電話を切った。

両親の携帯に「病院に電話をして届出に書いていた時間には戻れないと相談をしたら、副長さんから8時までに戻ば良いと言われました」と父にはショートメールを母にはメールを送った。

父はショートメールばかり使うし、母はメールを使うから私はそうしたのだった。

ショートメールやメールを打って頭が痛くなってしまった。



もう何もしたくなかったが、外で汗を沢山かいていたので、お風呂場を掃除をしてお風呂を沸かして、バスタオルやハンドタオル、着替えを用意をしてから、夕薬を白湯で飲んでから、お風呂に入った。頭痛薬はお風呂に入ってからも取れなかったら、服薬しようと思った。

脱衣所に日本各地の温泉の入浴剤があったが、親友から貰ったままで使っていなかった按樹(ユーカリ)のアロマオイルをお湯に数滴落とした。効能の中にリラックス効果があると説明書きに書いてあった。香りも嗅いでみたら優しい樹の香りでいいな、と思った。親友にお礼の気持ちを書いた手紙を書こうと思った。

髪を洗い、顔と身体を洗い、湯舟に使ってから、クレンジングクリームで顔やデコルテを丁寧にマッサージをして、蒸しタオルを顔やデコルテにして、ボッーっと何も考えずにいると、活発に働く脳とこころも落ち着いていくのが感じられるのだった。

ぐちゃぐちゃに絡まりあっている思考がふわんと溶けて(にじ)み落ちて、頭の中が空っぽになって身体はお湯と親和して身体の疲労やこころの中にあるストレスの塊もゆっくりとゆっくりと流れ出ていく感じがするのだった。

サクラがお風呂場の扉の向こう側から鳴いていたので、扉を開けてあげると、洗面器に水を入れてやるとサクラは飲んだ。

サクラにエサもあげてなかった、と私は湯舟から出て、髪をや身体をバスタオルで手早く拭いて、身体にバスタオルを巻いた格好でサクラに猫缶をあげた。両親や叔父が居なくて良かった、叱られてたと思いながら、脱衣所に戻ってスキンケア用品を顔や身体に塗って、下着姿で何を着るのか迷ったが、家に帰って着て帰った服を洗濯をしていたの着た。

母が買ってくれたお洒落な服たちは、退院をしてから着ればいいと思った。

2階は熱気が残っているだろうと、階段を登り2階に行きたくない気持ちもあった。

また病院のクローゼットの荷物もなるべく増やしたくない気持ちもあった。

髪をドライヤーで乾かした。

そして丁寧にヘアーブラシで髪をといた。

髪が伸びたな、私の髪は伸びるのが早いな、と思いながら、といていた。



携帯を見たら両親から数回着信があっていた。

父に電話を掛けたら、何故か母が電話に出た。

「ごめん、お風呂に入ってた」と私が言うと、母は「ごめんね、私たちも何も連絡をしないで。メール読んだよ。あと15分くらいで帰れると思う」と母は運転をしている父に時間がどれくらいかかるか問いながら私に話すのだった。

「分かった。気をつけて帰って来てね」と母に言って電話を切った。



もう何もする気が起きず、サクラをなでながら、麦茶を温めて残っていたぶどうを食べた。

私は果物と野菜が好きなのだった。

ぶどうを食べてちょっと生き返った感じがした。

病院に持って行くものは何かなかったかな、と考えた。

ぶどうや西瓜を持って行きたい気持ちがあったけれど、カット西瓜を今から作るのには面倒にも感じた。西瓜のことは母に私としては西瓜を友だち家族にあげたいけど、その行為はかえって友だちや旦那さんに気を遣わせてしまうように思うし、両親と叔父で食べるのならば、西瓜は身体に利尿作用が高い果物だから、血圧が高めの父が食べると身体に良いし父は西瓜が好きだから言わないでも食べると思って、私はちょっと笑ってしまった。父の西瓜を食べる様子が頭に浮かんでいた。西瓜のことは母に任せようと思った。

ぶどうは傷みやすいから、ヘタ??枝??ギリギリでカットしてパウチ式のビニール袋に入れて冷凍をすると長持ちする方法をぶどうを送ってくれる友だちが教えてくれていたので、母にその保存方法を教えようと思ったが、手間が掛かるのでたぶんしないだろうなぁと思った。なので、私はぶどうを洗ってからキッチンハサミで、ちまちまと房から果実を1個ずつ丁寧にカットをした。

友だちは5種類のぶどうを送ってくれていた。

今日食べた皮ごと食べられるぶどうはナガノパープルで皮が黒っぽかった。友だち家族と食べてしまって、残ったものは私がさっき食べてしまった。

緑色のはシャインマスカット、赤色のはクィーンルージュ、黒色のはナガノパープルとピオーネ、紫色の巨峰の5つを友だちは送ってくれたんだな、と私が今までに食べたことがないのはナガノパープルとクィーンルージュだった。どんな味がするのだろうと赤色の皮ごとクイーンルージュを食べてみた。果汁たっぷりでとても美味しかった。これも皮ごと食べられるぶどうだった。

高級なこれらのぶどうが安価で買えるというのは、その産地に住んでいるこそだからだろうな、と私たちは互いの産地のお互いの好物を物々交換のようにして、送り合っていた。それにしてもすごい名前だなと思った。

おぉ、1日で食べたことがないぶどうを2種類も食べれてちょっと興奮してしまった。

私はちまちまと黙々とぶどうを1個ずつカットをした。

パウチ式のビニール袋に、それぞれを小分けして入れてそのぶどうの名前も記入をし、日付も書いてから冷蔵庫と冷凍庫に分けて入れた。



マスカットフレーバーのフルーツティーを選んでお湯を注いでゆっくりと飲んだ。

全種類のぶどうを2粒ずつ硝子の器に入れてそれを食べながら、今日の出来事や思ったことを日記をつけた。

そうしていたら、外から両親が話す声が聞こえて来た。

一気に賑やかになった気がした。

時計を見たらもうすぐ6時になろうとしていた。

「ごめんね、文。遅くなって」と母は私に言った。

父はシャワーを浴びにお風呂場に行ったようだった。

両親は疲れている様に見えた。

「ごはん作ってるよ、食べよ」と私が言うと、母は「ありがとう、文。助かるわ」と言って、両親の部屋で誰かと携帯電話で話していた。

何かしらあったのだろう、私に聞かせたくないことが。。。と私は思いながら、テーブルを拭いて料理を並べた。

友だち家族を待つ間に作った、ししとうの煮浸しを入れたタッパーと、サラダが入ったサラダボウル、から揚げはオーブントースターで温めた。

ミニパプリカの中にとろけるミックスチーズを入れて、フライパンでカットした厚切りベーコンと一緒に炒めた。

お皿と並べて、料理を盛り付けて、箸置きはどれにしようかなぁと、母が集めた物の中から、料理と季節に合ったものを選んだ。箸は各々好きな塗り箸や、竹箸などを選ぶので、取り箸だけ置いておいた。飲み物用のグラスもそれぞれで選んでいるようだったから、私は自分用にとグラスを選んで、やはり頭痛がするので頭痛薬を飲んだ。



母が台所に来て「美味しそう!」と言いながら、母はビール缶をプシュッと開けてくっくっくと飲んだ。

「は〜生き返るわぁ」と母は本当に美味しそうにビールを飲むのだった。

父も台所に来て「おお、美味しそうだな、文が作ったのか」と、テーブルに並べた料理を見てニコニコ顔だった。

「ご飯を食べてから病院に行こう。文、病院に電話をしてくれたから助かった」と、父はノンアルコールビールを冷蔵庫から出した。

父は母に「俺が文を送って行くから、食べたらシャワーを浴びて家でゆっくりしていたらどうだ」と言いながら、椅子に座りノンアルコールビールを飲んで父ははぁーっと大きく息を吐いた。父も疲れてるんだな、と私は思った。

母は「大丈夫よ。文、料理上手ねぇ。文の料理、私好き」と言いながら母は料理を食べては、それぞれの料理の感想を言うのだった。

父は「お前の娘だな。味付けが同じだ」と母に言い、「おいしい、おいしい」と言いながら父は料理を食べていた。「作った料理を食べてもらって、美味しいと言われるのってうれしい」と私が言うと父はは「そうだな」母は「私にも言ってください」と父に言って、3人で笑ったのだった。

私は父に「そうめん流しを作っくてくれてありがとう。すごく喜んでたよ」と私が言うと「そおかぁ」とニコニコとしていた。「うん。友だちも、子どもさんも初めてだったんだって。友だちもはしゃいでたよ。ガーデンーブルとかチェアーも洗ってくれていたからね、そこでピクニックもしたの」と私が言うと、「今日は陽射しが強かったから、日陰で休むだろうと思ったからな」と言う父に「流石ですね」と私が言うと、「だろ」とニヤリと父は笑った。

母はビールを飲みながら、私が作った料理をゆっくりと食べていた。

父も母も帰ってきた時に、疲れ果てている様子だったから、今日何があったのか気になったが、やはり私は自分からは両親に聞けずにいたのだった。。。

叔父が帰ってまだ帰って来なかった。

叔父は週末は温泉仲間と居酒屋で飲むと以前母から聞いていた。会社の飲み会には参加をあんまりしないとも。

叔父はどのお店で飲んでいるんだろう、と私は思った。叔父の酒量の多さと酒癖を私は前から気になっていた。。。

叔父は普段無口な分、お酒の量の度合いが超えると辛辣な直接的な言葉や、皮肉や(あざけ)り言葉を言うのだった。大丈夫なのかな、と心配な気持ちになるのだった。だから会社の飲み会には参加をしないのだろうな、と私は思うのだった。

叔父は田舎のこの町では周りから『よそ者』と見られている印象を私は受けていた。叔父も自ら馴染もうとする気持ちがない様だった。。。

「俺はマイペースやから」と叔父は私に自身の性格を言っていた。

父は叔父の存在にイライラとしていて、叔父も父のことを馬鹿にしていて、2人は相容れない考えの持ち主同士だった。相性が悪すぎだった。それでも父も叔父も母の為に互いの気持ちに折り合いをつけて我慢をし合っていた。。。



私は食べ終えた自分の皿や器などを洗おうと、流しに運んで洗った。食器かごに立て水気が切れるようにした。

両親は話しながらまだ飲んだり食べたりしていた。

私は居間に移ってサクラをなでた。

叔父がせっかく今日友だち家族と食べるようにと買ってきてくれた大玉の西瓜を食べなかったことが叔父に好意に対して申し訳ない気持ちがあった。

また叔父と過ごして叔父の私へ対する気遣いにも感謝をしていた。

叔父に手紙を書くことにした。

居間のチェストの便箋や封筒が入れてある引き出しを引いて、シンプルな縦線が引かれたものを選んで、台所に行き母に「便箋、何枚か貰っていい?」と聞いたら、「いいわよ」と母は言ってくれた。



────────────────


前略


友だち家族とそうめん流しをしてピクニックもしました。

西瓜を冷やしていたのに、出すのを忘れてしまっていました。ごめんなさい。

叔父さんが育てた珍しい野菜を料理に使いました。

友だち夫妻は驚かれておられましたよ。野菜の味も濃くて美味しいと言われていました。

友だち夫妻に野菜を私の判断で渡すことも出来ず、渡しませんでした。

叔父さんは旦那さんと温泉友達なのだそうですね。

また来週末に私は外泊をしに帰ります。

友だち家族とバーベキューをするかも知れません。


叔父さん、叔父さんが私のことを気遣ってくれたのを感じました。

ありがとうね、嬉しかったです。

サクラの世話をしてくれるのも叔父さんですよね。ありがとうね。


では、また来週末に帰ります。

暑いからお仕事無理しないでご自愛ください。


かしこ

文より


────────────────



叔父に書いた手紙を読み返してなんだか私は照れてしまったのだった。


実家で親や叔父と暮らすとどのようになるのか考えながら実家に外泊をしていました。

お読み下さりありがとうございます( * . .)"

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