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分水と室

 永禄三年(1560年)十月、越後、糸魚川青海にて

 海野蕎麦蔵


 海野屋にまた爺が来た。爺と言うには少し早い年だが、若い海野屋の面々からしたら中年だろうが爺だろうが皆同じだ。

 この爺の名を直江実綱と言う。もとの世界では、あの愛兜で有名な直江兼続が婿養子に入って家名を継いだことで有名な直江家の現当主だ。先々代の長尾家当主から仕えており長尾景虎の信任も厚い重臣である。


 その直江実綱が、なぜ海野屋に来たかと言うと与板を治めている人物だからだ。

 与板は信濃川の分水計画の胆となる地域で、計画を進める上でこの人を外すことはできない。

 既に宇佐美様の音頭で顔合わせや概要説明は済ませており、今日は予算と期間の詳細説明をする予定に合わせてやって来たのだ。

 何も海野屋で説明会をする事はないのだが、前回用意した昼飯をいたく気に入ったらしく今回も昼飯目当てに来たらしい。戦になれば人が変わるのかも知れないが、直江様は宇佐美や村上の爺様たちに比べたら至って普通の親父だった。


「……それで前回の繰り返しとなりますが、信濃川分水路建設の期間は調査二年、工期十年を予定しています。費用全額を海野屋が負担します」

 海野屋を代表して佐吉が説明する。

 皆が簡単に理解できるよう衝立に与板周辺を書いた地図を張り、手で指し示しながら説明する。


 海野屋からの説明会参加者は、今、説明している佐吉。

 海野屋主人の蕎麦蔵たる俺。

 あの人に繋がるなら何でも知りたいと首を突っ込んでくる杏。

 そして、その杏への失恋から距離を取りたく分水路工事の現場総責任者に手を挙げた平次だ。


 直江様方はと言うと、直江実綱本人と前回と同じ二人の配下。そして、今日初めて見る男を連れてきた。初めて見る男は、日に焼けた肌、人を嗤っているような口元、眉のない顔、全てが珍しいと言うような興味津々の目をした武人とも商人とも言えない男だった。


「うむ、続けてくれ」

 直江実綱が頷いて先を促す。


 分水路計画についての説明では、明治以後の用語を大量に使っている。理由としては、俺がこの時代の言葉で上手く伝えられない事がある。しかし、明治以後の造語であれば、直感的に内容が伝わり易いのだ。それに、参加する者たちは新しい事をやっていると言う気になれるからだ。


 大きな事を成し遂げるには、何よりワクワクドキドキと言った刺激が大切なのだ。



「はい、始めの二年は分水路の縄張りと人夫のための村造りとなります。人夫の数は最大で一万となりましょう。その人夫の家族を見込むと五万。新しい村は数十となりましょう」

「五万とな。全てを儂の知行地に増やすとなるか」

「はい。分水路の縄張り次第にはなりますが、与板の先から寺泊までの約二里に分水路を造ることになります。予定地の両岸十町毎に村を造ります。いさかいの無いよう手配いたしますのでご安心ください」

「宇佐美殿が人夫は多いとは言っておったがこれほどとはな。全て銭で雇うと言うか」

「はい。始めの一年は五万貫、二年目は十万貫、三年目からは十五万貫の予定です」

「いやはや、言葉も出ぬわ。それで海野屋は立ち行くのか」

「はい、御屋形様から矢銭は免除頂きました。分水の普請だけですので大事ありません」

「いくら免除とは言え、矢銭を出した方が安かろうに」

「ええ、全くその通りで」

 直江様が佐吉の返答を聞き苦笑する。


「して、人夫はどこから集める。周辺から集めたら揉めるぞ」

 人という労働力はどの領主も離したがらない。労働力は戦力でもあるからだ。


「主に信濃、越中、上野から集めます」

「越中か……」

「ご心配されているのは一向宗門徒かと。秘策があります。門徒たちを越後には入れません」

「ほほう、秘策とな」

「はい、秘策です」

 笑顔の佐吉。秘策を聞きたい直江様。更に笑顔になる佐吉。


「……まあ、良い。他国の間者は如何する」

「秘策があります」

「ほほう、それについても秘策があると申すか」

「はい、秘策です」

 笑顔の佐吉。秘策を話せという目をする直江様。更に笑顔になり「秘策です」としか言わない佐吉。


「……分かった。その方らに任せる。では五万の民は海野屋が治めるのだな」


 佐吉が勝った。

 偉いぞ、佐吉。秘策なんて無いのに直江様を押しきった。偉い、それでこそ商人だ。

 海野屋の面々も一向宗門徒や他国の間者対策を検討したが良い考えは出なかった。であれば対策はしない。でたとこ勝負だ。


「いえ、六万程度を見込んでおります」

「直江津の町の倍ではないか」

「計画では人夫相手に商いするものも集まるかと。鍛冶屋、味噌屋、窯元などでございます」

「いやはや」

「普請の間は海野屋が治めますが、終わりを見込んで徐々に船乗りや領民へと振り分けて行きます」

「なるほど分水が上手く行けば、新しい農地ができ領民が増えると言う寸法だな」

「はい、与板より先の湿地を農地に変える事ができましょう。そこに移住させます。なに、分水が上手く行かないときは、皆海野屋で雇いますよ。十年間も雇うのです問題ないでしょう」

 佐吉が大見得を切ると、直江様が「頼むぞ」と心配そうに言った。


 下手すると十年後に一揆を起こすかも知れない集団を抱え込む事にやっと気がついたのだ。成功したら広大な農地が手に入り、失敗したら一揆が待っている。


 駄目だ、額に汗を浮かべた直江様を見ていると笑ってしまいそうだ。我慢、我慢。


「ほほほほ、面白きかな、面白きかな。越後商人とはこれほどに面白きかな。ほほほほ」

 眉なし男がいきなり笑い出した。


「直江様、失礼ですがどなたでしょうか。初めてお目にかかる方とお見受けいたしますが」

「蕎麦蔵、聞くな。本来、ここには居られない御方だ」


 眉なし男は直江様の息子ぐらいの年に見える。しかし、直江様の気の使いようから身分がかなり上なのだと伺い知れた。


「実綱、気にせずとも良い。麿はそのような事は気にせん。教えてやれ」

 眉なし男が一枚板の長机をなで回して言葉を続ける。

「それにしても、この机や椅子は気に入った。なかなか良いものだ。平安の昔には宮中にもあったと誰ぞの日記に書いてあったと記憶しているが今はない。惜しいものよ」


 説明会部屋は板張りのため、広い長机と椅子を人数分用意してあった。長机は南蛮船を造るときの木材から一番良い木目の大板を切り出し、磨き上げ、天板とした逸品だ。椅子も肘置きの付いた椅子で無骨であるが丁寧に造られている。

 海野屋で決算や新たな事業を始める時の打ち合わせで使っている代物だ。打ち合わせで天板に資料を広げ、情報を共有しながらケンケンガクガクと議論できるからだ。

 武家は陣中で簡易的な机と椅子を使っているから違和感はない。それに杏の様な和服でも全く問題ない。文明開化した明治時代初期でも和服だったのだから。


「宜しいので」

 直江様が困った顔で問うが、眉なし男は意に介さない。


「良い、良い、下々と交わるのも一興よ。この者たちも、これから世話になる景虎殿の家臣であろう。そうだ海野屋、新しく居を構えたら知らせるゆえ、これと同じ物を届けよ」

 眉なし男は机をコツコツと指で叩く。


 年上である直江様への言い種といい、海野屋への物の頼み方といい世間を舐めている態度だ。どこのボンボンかは知らないが二十代中頃の青年に見えるのに今まで苦労を知らず思い通りの人生を謳歌してきたに違いない。


「分かりました。……」

 直江様に視線を投げる。


「近衛前嗣公でいらっしゃる」


 近衛? 眉なしは公家かな。あとで九郎左衛門に聞こう。


「近衛様、家具のこと承知いたしました。ご指示をお待ちしております」

「うむ」

 満足そうに眉なし男は頷く。


 下手な返事でからまれるのも嫌なので素直に返した。それに、眉なし男の態度に隣の杏が腹を立てているのが分かっていた。

 両者、触らぬ神に祟りなしだ。まるで時限爆弾を抱えているような気持ちだ。さっさと話を進めるに限る。


「では佐吉、続けてくれ」

「はい。それでは次に……」

 佐吉が初年度の詳細について話し出した。






「以上を持ちまして本日の説明は終わらせていただきます」

 佐吉が丁寧に頭を下げる。

 佐吉に合わせて海野屋の面々も頭を下げるとお客たちが横柄に頷いたのが感じられた。

 海野屋が銭を出す普請で雇用が生まれ、金が知行地に落ちるので特に不満も出なく無事終了。

 眉なし公家の近衛様も面白そうに話を聞いていた。

 俺たちも事前にしていた話なので特に異論がある訳ではない。

 頭を上げると直江様はやっと終わったかと言う顔だった。


 ふう、終わった。やっと昼飯にありつけるぞ。

 ん? 今日は近衛様がいるから帰るんじゃないのか。


 一向に立ち上がって帰ろうとしない直江様たちに困り、視線を向けると直江様が少しばかり頷いた。


 昼飯を出せと。公家がいるけどいいのかな。


「直江様、もし宜しければ拙い海野屋の食ではありますがご用意させて頂きたく」

「うむ、良かろう」

 直江様が嬉しそうに大きく頷いた。


「分かりました。では皆様こちらにて」

 直江様たちが食事する間に案内しようと立ち上がる。直江様とその家臣たちは続いて立ち上がるが、眉なし男の近衛様は立ち上がる素振りを見せない。


「海野屋、ここで良いぞ」

「公、このような場所で」

「実綱、良いのだ。唐や南蛮の国ではこのような机と椅子で食事を取ると言う。麿も試したい」

「しかし」

「それに、その女にも用があるでな。女、同席を許すぞ」

 眉なし男、近衛様が杏に顎を向けた。


 何か言いそうになった杏の前に手を出して止める。


「お前たちは案内して貰え」

「佐吉はこちらへの配膳手配を、平次はいつもの間に案内を」

 直江様と俺の阿吽の呼吸でこの場に不要な者たちを追い出す。四人は不穏な空気を読み取り、部屋からすごすごと出ていった。


「近衛様、直江様、暫くお待ちください」

「その方たちも座れ。せっかくの机と椅子じゃ、麿は楽しみたい」

 近衛様がトントンと指で長机を叩いて座れと命じた。

 直江様が頷いたのを確認して座る。


 杏、お前も座れ。


 眉なしの公家を見るのも嫌なのか、杏が明後日の方を向いているので袖を引いて座らせる。


「女、名は何と言う」

 眉なし公家が杏に聞くが、杏は顔を背けたまま返事をしようとしない。


 直江様、杏の事を説明していないのかよ。てか、目を反らしやがった。


「ほほほほ、女、もう一度だけ訊く。景虎殿に迷惑をかけたくなくば答えよ。名は何と言う」

「くっ、…………杏」

「杏か、良い名ではないか。さすが信濃の出であるな」

「ん」と声を出し、眉なし公家の顔を見つめてしまった。

「おや、知らぬのか、お前たちは海野の出であろう。信濃の千曲は杏子あんずの産地だ。熟した杏子も旨いが、熟す直前の酸味の強い杏子の方が麿は好きじゃ。どうやら景虎殿も同じようだがな。ほほほほ」

 眉なし公家が杏を見て笑う。


「なっ」

 ほほほほと笑う眉なし男にからかわれて杏が赤くなった。


「さて、杏。子ができたと聞いたが真か」


 直江様、話していたのかよ。誰にも漏らさぬとか言っていたのに。あっ、また、目を反らしやがった。


「あんたには関係のない話だろ」


 杏、口が悪いぞ。でも、許す。公家が眉のない片眉を上げた顔は、面白い顔だ。


「そうはいかん。麿の友人たる景虎殿の子なのだろ。庶子とは言え長尾の血を引く者になろう、只ではすまん」

「あんたが言う人が何方かは知らないけど、この子は俺の子だよ。誰がなんて言っても俺の子だ」

 杏が腹を触りながら眉なし公家に啖呵を切る。


 そうだ。杏、違うと言ってやれ。

 景虎の子だなんて公に認められたらどうなるか。杏と子供は越後の政治に巻き込まれることは必至。下手すると暗殺されかねない。


「ほう、杏、お前は景虎殿の室にはなりたくないのか。お前が望めば室にはなれるであろう。景虎殿は上杉を継ぎ関東管領となる人よ、その室になって栄誉に浸りたくはないか」

 眉なし公家が目を細める。


「馬鹿にするんじゃないよ。そんな物は欲しくはないさ。俺は今の暮らしに結構満足しているんだよ」


 そうだろう、そうだろう。自慢じゃないが下手な武家より海野屋は金持ちだ。最近の杏なんか金を湯水のように使っているしな。大満足だろう。

 決して杏に弄られるのが面倒で大金を渡しているわけじゃないぞ、決して。


「それに、仮に武家の室にって言われても俺は……」

 杏は俯いた。


「言われても? 如何した、杏」

「恐れながら近衛様、口を出させてください。杏は不束な姉でございますが、杏の子供は海野の子供です。何方様の子供ではありません。大切な、大切な、海野の子供でございます。また姉も然り、大切な、大切な、海野の者です」

「お前には聞いておらん。口を挟むな」


 眉なし公家に一蹴された。

 うぐっ。杏の助けにならなかった。

 直江様、助けてください。って、目を反らすなよ。


「どうした、先を言わぬのか、杏」

 杏を見て嗤う、眉なし公家。

 キッと眉なし公家を睨む杏。ゆっくりと口を開いた。

「あんたが俺に何を言わせたいのかは分からない。だけど、そんな事は俺には関係がない。俺はな、大切にしたいだけだ。好いている人と俺の子をな。だから、今、蕎麦蔵が言った通り、俺の子は海野の子だ」


 杏が俺に頷く。


 うん、杏、大丈夫だ、安心しろ。世界を滅ぼしてでも杏と杏の子を守ってやる。何だったら今からでもこの屋敷から一里以内を焼き払って誰も近づけなくするぞ、ふははは。

 痛っ、殴るなよ、杏。


「馬鹿な事を考えているね、蕎麦蔵」

 何故分かる?

「俺は大丈夫だから。俺は好いている人と繋がっているから大丈夫。別に室になりたくて好いた訳でも、近衛様が言う栄誉を夢見たから好いた訳でもない。ただ、大切にしたいだけだから」

「ほほほほ、おお恐い、恐い。聞いておるぞ、海野には御月衆と言う乱波がおるそうではないか。麿を如何するつもりだ。暗殺でもするか。海野屋と言えど、やはり武家の出は隠せないようだな」

「蕎麦蔵、お主……」


 あれっ、俺が悪者?


「近衛様、暗殺などと滅相もありません。その様な事は考えたこともありません。御戯れを」


 杏も、直江様も、俺は暗殺なんて事は考えてないからね。


「ほほほほ、まあ良い。では杏、景虎殿の室は望まぬと言うのだな」

「しつこい人だね。一度も俺はそんな事は言ってないだろ」

「ほほほほ、実綱、ここまでで良いかの。麿も飽きた。景虎殿に室の一人や二人いたとて可笑しくはあるまい。寧ろ杏のような女子が側にいた方が良いのではないか。越後に降る深雪のように情けも深い女子ではないか」


 なにっ、犯人はあんたか、おっさん。って目を反らすな、直江実綱。昼飯抜くぞ。


 杏と俺の視線が向くと直江様はすまなそうに言い訳を始めた。

「公、申し訳ございません。杏、蕎麦蔵、事は長尾家、いや、これからの上杉家の大事なのだ。生まれた子が男子であれば上杉の次期当主にと担ぎだす者たちが出てくる。その時に御屋形様が存命であれば良いが……他の長尾家は納得せんかも知れん。そうなれば、御屋形様が纏めた越後が再び乱れる。それは避けねばならん、その様な事が起きれば越後は武田や北条に喰われるのだ」


 知るか、そんな事は関係ないわ。俺たちを害する者たちは月さんに頼んで焼き払ってやる。


「蕎麦蔵、その様な顔をするでない。杏の子は守らねばならぬ。それが、我らの御屋形様への忠義なのだ。お主と気持ちは同じよ」

「実綱、誰が知っておるのだ」

「某と、宇佐美殿、村上殿でございます」

「景虎殿は?」

 直江様は首を振る。眉なし公家は杏と俺にも視線を寄越すが二人で首を振った。


「ほほほほ、いやはや、なんとも頼もしい重臣どもだ。景虎殿は知らんのか」

「はい、関東征伐の支障なきようにと」

「ほほほほ、まさか麿から景虎殿に伝えよという訳でもあるまい」

「申し訳ごさいませぬ」

 直江様が素早く椅子から床に座り直って頭を下げた。


「ほほほほ、全く喰えぬ者どもよ。良い良い、実綱、立って椅子に座らぬか。ここは宮中でも景虎殿の御前でもないのだ。それに景虎殿への善き土産ができたわ」

「ははっ、有り難き幸せ」

「あのう、知らせない方が良いのでは? 知らなければこれ以上の騒動にもなりませんし」

「いや、それは悪手だ。いずれ御屋形様も気づこう」

「ほほほほ、その通りだ。麿から伝えるので心配無用よ」


 いや、そっちが心配だよ。


「杏、麿はな、そなたに逢いたかったのだ。景虎殿を変えたそなたにな。景虎殿の書く文は優雅で素朴で味わい深いものであったのに、いつの頃よりか暖かな柔らかさが加わったのだよ。何かあったなと思っていたが越後に来て、実綱を問い詰めてそなたを知った。そして逢いたくなったのだ」

 眉なし公家が優しい目で杏を見る。


「麿は景虎殿と共に戦で乱れたこの日の本の国を関東から治めるようと思うておる。麿が関東公方、景虎殿が関東管領となってな。京で景虎殿と会って話した時は夢物語だと思うたが、景虎殿の変わりようを感じて、もしやと思い直したのだ。そなたのお陰よのう」


 杏からは険が取れ、眉なし公家の話を素直に聞いている。そんな杏を見て、眉なし公家の近衛様がにやりと笑った。

「そこでだ。そなたに贈り物をしよう。何、礼はいらぬ」

 杏が何か言う前に近衛様が手のひらを押し出して杏を止めた。


「生まれる子の名よ。さきの名をそなたの子に贈ろう」

「公、その様な事は」

「実綱、これは麿と景虎殿との友誼の証だ。それに麿が生まれた子に名をつけたとなれば麿の子と疑う者も現れ、それが子を守ってくれよう。なに、麿は京の遊び人ゆえ問題ないぞ、ほほほほ。どうだ、杏、受けてくれるか」


 前途洋々の良い名だ。どうする杏。


 三人の視線が杏に集まった。

次回、星石と関東管領の就任式



さて、問題です。

直江実綱のおっさん、海野屋の昼飯を楽しみにしています。

その昼飯とは何でしょうか?

正解は、次話にて。

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