1/50
プロローグ
ここは玉座の間……と呼んでもいいだろうか?
遥か高くに設えられた椅子に腰掛け、こちらを見下ろす偉そうな男。
(あれを狙うのは無理か)
それならばと視線を下げて先ずは右側を見る。
玉座の男程ではないけれど、こちらもそれぞれに豪奢で偉そうな人間が数人並び、側には護衛が控えて居る。
(こっちも警備は万全……)
ならばと左側を見た時、物語に登場する魔法使いの様なローブを纏った男が一人、こちらを見ている事に気が付いた。
(何……?)
目が合うと、男は喜色満面で向かって来る。
その様子に警戒心は欠片も見られない。
男との距離が徐々に近くなる。
(向こうから来るなら好都合……これでいいか)
ぐっ……と手に力を入れて、振りかぶる。
次の瞬間、ボコッという間抜けな音が辺りに響いた。