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辺境の死体は今日もダルい  作者: 沖田。
第十七章 子供の凱歌
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子供の凱歌5

少し少ないですが。。

 ザキは死体を確認しながら、部屋の中をくるくると歩く。


「九人を薙ぎ倒し、一人をわざと逃す。逃げた先で閣下の雷鳴剣の話をし鮮烈に広がる噂は天をも駆け上がります」


「しかし、僕は黒曜剣の使い手に破れた」


「自分が黒曜剣に助けられたなど、無様なことなど口にする騎士などいるとお思いですか?まあ、見ていてください。今から隊長たちが駆け付け…貴方を賞賛します」


 ザキの言葉が終わらないうちにばたばたと足音が上がってきて、扉を開いた隊長たちがクルイークの足元の様子を見ると驚いた顔をした。


「これは…楽園騎士団…王子!」


 九人の血も出ていない死体を確かめた隊長たちが互いに目配せをし、ざっ…と片膝を付いてクルイークに礼を取る。


「我らガーランド王国軍、貴方様に永遠の忠誠を誓います」


 一番老齢の白髭をたたえた隊長が、頭を下げて他の若い隊長たちも一斉に頭を下げた。


 いきなりの最敬礼にクルイークはザキを見ると、ザキが大袈裟にくるくると回って見せる。


「さすが!さすが、軍神クルイーク様!さあ、リム様、妖精様、皆様に伝播を!」


 つまり…これがザキの考えだったといえる。


 敵を軽く去なした最高の長、絶対的な王者。


 それをリムと人の声で伝えることが最大の目的だったのか、ミロスに光伝達のあれこれを注文つけているザキに戸惑うミロスを促し、


「死体は丁重に」


と言い残し、クルイークは部屋を後にした。


 自身がプロパカンダに使われるとは…。


 更に広がるクルイークへの賞賛の中、クルイークは苦い気持ちで部屋を後にした。

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