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辺境の死体は今日もダルい  作者: 沖田。
第十七章 子供の凱歌
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子供の凱歌2

改行一マスあけが、アイフォンでできてません。週末、パソコンで調整します!

セントラルの市長の屋敷はバザールのある市場ではなく、閑静な住宅街の一角にあり、やや高台となる場所に位置するそこは以前楽園騎士団長宅であった建物を改築してあるそうだ。


ガーランド王国遊撃隊は、さらに外れの騎士団本部は奇襲の後放火したが、こちらは無傷で残したのには訳がある。


現在のセントラルの市長は、密かにガーランド王国に繋がる男であり、自由都市であるセントラルは実質水面下ガーランド王国の支配下にあった。


「閣下、よろしいでしょうか?」


市長宅での豪勢な食事のあと部屋をノックされ、クルイーク付きのリムのミロスがクルイークを見上げる。


「マスター、事務官様です」


声はクリムト領地から着いてきた事務官のようで、クルイークは開けるよう促した。


隊長サイドも浮かれ、宴会じみた夕食にも酒を飲まず、軍衣のみは解いていたが、剣を腰に吊るしており、緊張を解けずにいる。


「失礼します。閣下…おや、帯刀されておりますか。このセントラルはガーランド王国の一部なのですが…」


丸眼鏡の事務官が笑みを浮かべて、目を細めた。


「貴様…名前は?」


部屋で豪華なソファがあるが立ち話のままのクルイークに違和感を感じていたようだが、事務官はクルイークの立ち話スタイルに従っている。


「私はガーランド王国近衛長ループス様配下の事務官、ザキと申します」


ザキは痩せた小さい男で、跳ね上がる髪を必死で撫で付けた感が少し滑稽な男に見えた。


「ループスの?」


ザキが深く頷く。


「はい。この度の進軍及び遊撃隊のクリムト侵略も、ループス様の一計にあります」


「父ではなく、ループスの策だと言うのか」


「はい、王子閣下には馬鹿馬鹿しく見える進軍ではありますが、若く見栄えのよい若く輝かしい若者が率いる軍の華やかさ、それを見せつけることにありました」


確かにそうだ…。


小規模な確かに戦いしかなかったが、戦ったあと必ず抵抗どころか配下に下った騎士たち。


「父が許しているなら、僕はそれに従うが…。統一して…その先見える未来に、父が何を見ているのか…僕には分からない」


苦々しいつぶやきに、ザキが頷いた。


「正直、小官もでございます。さて、閣下にはこのままガーランド王国へ帰還していただき、東の裕福な領地の進撃を求められております」


ザキが言葉を切り、クルイークの出方を待っているようだ。


何も反応しないクルイークに再び、


「ジュリアス王国およびグランディアス王国は現状のまま、監視下に置いて置くようにとのご進言にございます」


二つの小国をそのままに…しておく…。

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