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辺境の死体は今日もダルい  作者: 沖田。
第十四章 それぞれの戦い
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それぞれの戦い2

改稿済

「黒のリムは基本的に光と闇を操り、騎士様の防御に当たる」


 俺は両手を祈るように組み、それから広げて明け方の光を集め小さな四角の光の板を作った。


「こ…うですの?」


「あー、胸のリムに集中して…」


 小さな光の塊がクリムトの手に集まり、板状にはならないでいた。


 防御向きのリムではないのかもしれないと、俺は少し考えてしまう。


 だから光の盾の使い方を変更した俺のやり方を伝えることにした。


「騎士の動きに合わせて光の盾にするみたいなんだが、俺は防御には使わない」


「え?」 


「あの…シャルルやラビットのような長い剣に間合いを取られる奴らならば、部分的な光の盾が有効だがな」


 戦闘経験もリムとしても未熟だが、知識に貪欲なクリムトが身を乗り出して聞いてくる。


 これは俺が戦闘時に複数の力を使っていたから生み出されたものなのだが…。


「ハイムは近接戦闘を得意とするし、動きが変則的になりつつあ?光の盾では追えないぞ。だから、俺はファナ自身の体に薄い光の盾を纏わせて、防御をしている」


 まるで薄いベールのような光の盾だが、浅い踏み込みの刃や、遠方矢など浅いものは避けされるのだ。


「まあ…薄く…?」


「ああ、ファナの身体を傷付けると、ティータが怒るからな。身体に合うようにぴたり纏い動きやすくしているから、問題はない」


 クリムトがやおら立ち上がる。


「では、隅々までマスターの身体を触ったほうが、ちゃんとした光纏いが出来るわけですねっ!」


 興奮した様子で俺の手を握ると、クリムトがとっても嬉しそうに笑った。


「あ、いや、防御だけではなく…クリムト?」


 立ち上がり興奮した様子のクリムトが


「お触りし倒しますわ。隅々まで!なんて素晴らしい嫌がらせでしょう」


と小さな声で囁き、早朝の寝室へと戻っていく。 


「ファナ様もまだお眠りにくださいましね」


 そうクリムトに言われ、まだほんの明け方にあくびを噛み殺した。


 このまま早起きのティータを待っていたかったが、一人になった俺はクリムトが残していった掛布を引きずりながら、心配になってハイムの部屋をノックする。


「あっ…いやっっ…だ!だめだ、そこは…クリムト…ダメだっ…いっ…はあっ…あああああっ…ああんっ…」


 悶えるようなハイムの声がして、俺は扉を開けられずに掛布を扉の前に置き、死体の重吾とティータが眠る部屋に入った。

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