表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/17

高校生編 終

「あ、ああ・・・。」

全部思い出した。真澄の事を、母の死を・・・。痛みを、悲しみを、今まで経験したはずの無い辛い記憶が私を支配した。

「ごめん、ごめんなさい・・・。」

彼の謝罪は私に届かない。それどころではない。

涙が止まらない。苦しい。

私達は嗚咽が止まる事なく、外で夜を過ごす事になった。


「・・・。」

夜通し泣いて私は疲れ果てた。もう何もかもどうでもよくなった。

「ごめん・・・なさ、い。」

彼も謝り続けて疲れている。それでも謝ることはやめなかった。

もう終わりにしよう。

直正・・・君も、私も自分の自己中心振りに嫌気がさしているんだ。

「そんなに、責任感じてるならさ、私も悪い事してるし、一緒に死のうよ。」

彼は驚く様子も無く、頷いた。

何処で死ねばいいだろう、もう何処でもいいか。綺麗に死にたいとか思わないから、せめて私以外の人達が幸せになれたらそれで。


場所は一番簡単な学校の屋上から飛び降りる事にした。

「生まれ変わるなら、何がいい?」

私は直正君に訊いた。

「・・・。」

彼は黙っている、もう喋る元気も無いみたいだ。

屋上に忍び込むのにも体力を使ったし、もうヘトヘトなんだろう。精神的にも。

屋上は寒く、景色だけが綺麗で自分の汚さが身に染みた。

「あのさ、もう私の気持ちとか分からなくなっちゃったけど、飛び降りる時は手を繋いでいいかな?」

そう言うと彼は黙って手を繋いでくれた。

「ありがと。」

深呼吸をして、緊張を解す。

後一歩踏み出せば遥か先の地面に一直線だ。

そして私達は一歩を踏み出した。

高校生編なげーよ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ