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第二話

今回は早めの更新です。


い、いつもこうだと思うなよ!?

現在スライムの速水 依羅です。


あれから一週間たった。


わたしの体組織は沢山のモンスターを取り込む事でその体積を増し、また力、強度も増したようだ。



しかし、時間が立つと体積は少しずつ元に戻る。


意識すれば空気中の水分を取り込んでどんどん大きくなる事も可能なようだ。


体組織の表面から水分が出入りしているらしい。


体組織は主に水分で出来ているようだ。


排泄は基本必要ではなく、体組織の表面から老廃物が剥がれ落ちる。



さて、今日は人型に成れるかを試してみた。


この黒い体組織から、人間の姿をした私が飛び出すイメージでやるとうまくいった。


・・・とは言っても、漆黒の彫像のような滑らかな身体のままだったけど。さらに人型には核が収まらず、体組織も余ってしまうため、スライムな下半身からわたしの上半身が飛び出しているような見た目だ。


いわばDGみたいな。


いやむしろストレートにスライムナイトと言った方がいいだろうか。


因みにその状態だと、人間に近い感覚で動ける。


しかも人型の部分は本体に見えるのに核が無いため、ダミーとしても優秀。


よし、基本これで行こう。


しかし、攻撃する時に形にとらわれずに刃を生み出せるってのはすごい。


上の人型で腕を振りかぶって下の本体から足下を奇襲とか。


地面の上に絨毯のように体を広げて、敵が近付いたら奇襲とか。


触手を樹や地面に潜らせてそこから奇襲とか。



・・・奇襲ばっかりだな。



でも正面から戦っても強い。

この甲殻を破れるモンスターはいなかったし、この刃を防げるモンスターもいなかった。


生きて行く上で、物理的に戦うことが必要な日が来るなんて思ってもみなかったけど、やっぱりスライムになるなんてもっと思ってなかった。


というわけで、わたしは今日も生きるために戦っている。







あれからまた一週間たった。



ここに来て驚愕の展開。


なんと魔法が使えた。


事の顛末はこうだ。



わたしがいつも徘徊していたところは森の浅いところだったようで、今日行ったところは森の深いところだったらしい。


桁違いに巨大なモンスターがうようよしていた。


わたしはあまりの光景に呆然としていたのだけど、気が付いたら巨大モンスターがこっちを見ていた。


こ っ ち 見 ん な www


ヤバい、これは食われる、と思ったら、案の定大きく口を開けて襲い掛かってきた。


これひとくちだわ。


なんて考えている余裕などなく、私は必死に空を飛んで逃げた。




!?




あるぇ!?


なんかわたし空飛んでんだけど! バロスwww




わたしはキャラ崩壊する勢いで驚いた。



どうやら不思議な力で飛んでいるようだ。


風をあやつっているのとは違うらしい。


え、風じゃないの!?


とか思って気合い入れてみたら風が思い通りに動いたので、この不思議パワーはわたしがあやつっている事が判明した。



ふと下を見ると、例の巨大モンスターがジャンプするのが見えた



ぐんぐん視界に迫ってくる。



ま、まずい、か、風!風!う、う、ウィンドカッター!?



とか内心パニクりながら叫ぶと、わたしのイメージに沿って風の塊が巨大モンスターの頭を殴り飛ばした。


わたしは内心、魔法というよりは超能力だなと思った。



た、助かった。



というわけで、なんとか無事いつもの洞窟まで逃げ帰る事ができた。



しかし魔法か・・・練習してみよう。






あれから、さらに一週間たった。



魔法も大分思い通りに扱えるようになった。



火を起こしたり、水を操ったり、凍りつかせたりと、なかなか多彩に使いこなせると自負している。


今日も日課となったトレーニングをこなしてから探索を続ける。


まるで高層ビル街のような樹海をひたすら進む。


・・・樹?


これ樹って言っていいのかな・・・


現在は例の半人型形態で浮遊中だ。


ふよふよと空中を泳ぎながらさ迷う。



今日はやけにモンスターが少ない、と思っていたら、案の定。



ドラゴンと遭遇した。



この辺りでエンカウントするモンスターの中では最強であり、周りのモンスターが逃げて行く。



しかし結構頻繁にエンカウントするため、あんまり珍しい生き物ではないのだろう。


いわばレッサードラゴン、もしくはワイバーンみたいなもんだろうか。


それでもこの辺りで最強なだけあって、10メートルを越える巨体、丈夫な鱗、鉤爪の着いた前肢とも翼ともつかない羽根、長い尾は一撃で巨木をへし折り、魔法だと思うけど生半可な物理攻撃、魔法攻撃は一切届かない。

強力なブレスは辺り一面を焼き尽くす。


何このチート生物。



しかしわたしの敵ではない。


口を開けて襲い掛かるドラゴン。


とりあえず距離をとり、体勢を立て直す。


空振りしてこちらを睨むドラゴン。


一方、わたしは身体を変形させて、一本の杭のような形になる。

杭の一番後ろあたりに核がくるようにすると、わたしは魔力を全開にして何かに語りかける。


風よ、風よ、風よ!



わたしは螺旋を描き、一発の弾丸となって突き進む。



ドラゴンは慌ててブレスを吐くがもう遅い。



一瞬で真っ正面からブレスを突き抜けると、ドラゴンの腹に身体を食い込ませた。


普通に貫通して風穴を開ける事も出来たが、単純な物理ダメージだと再生してしまい、戦いが長引いてしまうのでやらない。



杭の先端がドラゴンの体内に潜り込む。


そこから体組織を変形させ、ドラゴンを体内から侵食する。




あっという間に身体を食い荒らされ、ドラゴンは絶命して倒れ伏した。



我ながらエグい倒し方だが、一番効率が良かった。


ごめんね。


でも倒さなきゃ生きていけないのはお互い様なの。


そう、今のわたしはクワトロ・バジえふんえふん。


今のわたしはスライムでしかないのだ。


この世界の生態系の一部でしかない。


それ以上でも、それ以下でもない。




ドラゴンは、スライムがおいしくいただきました。




わたしはドラゴンを消化すると、まるで脱皮のように老廃物を脱ぎ捨てた。


・・・これ新しいダミーとして使えるかも。


表皮だけ残して本体は穴掘って逃げるなり背後から奇襲するなり。



まぁいい。



わたしはまた探索を続ける。


今日はどこまで行こうか。




ではまた次回、できるだけ近いうちに。

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