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ラストピース  作者: わとし
第一章「はじまり」
1/4

出会い

 がやがや……

 休み時間の教室はいつも騒がしい。

「ねえ!次移動教室一緒に行こうよ!」

 友達のとわだ。もうすでに移動の準備を終えていた私は快く、

「うん!じゃあいこうか!」

 と応えた。移動しているとき、私はある男子を見かける。

 彼は同じクラスではないが、廊下でよく会うからもう顔を覚えてしまった。

 名前は知らないけど、静かでかっこいい人だ。

「あっ。」

 彼と一瞬目があって声が出てしまった。

 彼もまた気まずそうにすぐ目を逸らすのが見えた。

「ん?どうした?なにかあった?」

 とわが興味深そうに聞いてくる。

 彼が気になっているとバレるのはちょっと恥ずかしかった私は、

 少し考える素振りを見せた後に、

「う〜ん、何言おうか忘れちゃった!」

 と、応えた。

「えぇ〜残念。気になるなぁ。」

 どうやら気づいて無いみたい。良かった……

 授業が終わって教室から帰るとき、また彼を見かける。

 そして気になって彼を見て歩いていたせいで、

 前から来る人とぶつかってしまった。

「おい、どこ見て歩いてんだよ!」

「ごめんなさい、ごめんなさい。」

 ちょっと怖めの人に当たってしまったらしい。

 私は謝ることしかできなかった。

 しかし、彼は相当怒っているらしく、

 ただ謝るだけの私を見てまた怒りを爆発させた。

 そうしているうちに彼の行動はエスカレートして、

 ついに私の胸ぐらを掴んだ。その時、横からあの彼の声がした。

「庶幾は、彼女の手を放たれよ。」

 私は彼の言葉を理解するのに時間がかかった。

 きっとこの襲ってきた男子もわからなかっただろう。

 一瞬だけ時が凍るのを感じた。

「何いってんだお前」

 そう言って襲ってきた男子は私を掴む手を離して遠ざかる。

「女子には、優しくあられ。」

 彼は追い打ちをかけるようにその男子に言った。

「あぁわかったよ!」

 めんどくさそうにしながら男子は走って逃げていく。

「あ、あの、ありがとうございます」

 私は彼に薄い声で感謝を伝えた。

「否々、怪我なき由、まことに安堵いたしました。それでは、これにて。」

 そう言って彼も立ち去っていった。

「かっこいいね〜あの人。何言ってるかわからないけど。」

 とわが感心するように言う。

 それよりも私への心配はないのだろうか。

 その考えが頭をよぎったので、私はそれをかき消すように少し大きな声で、

「ねぇ〜!めっちゃかっこよかった!」

 と言った。

 その日の帰り道、彼のことを見かけた。

 私は少し気になったので彼の後を追うことにした。

 すこし歩くと彼は角を曲がる。

 何気なく思った、しかしそれは起こった。

 彼が曲がった角をすぐ後に曲がったはずが、彼の姿が完全に消えていた。

 枝道があるとか、死角となっているとかそんなんじゃなく、

 彼はただ一本道に姿を消してしまった。

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