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他愛のない日常譚αアーティファクト愛好会part2

続きです。


アーティファクト愛好会の五人の前に、一冊のファイルが置かれていた。


「こっ、これが新しいアーティファクト!?」


ミリアが息をのむ。


「……ただのファイルにしか見えないわね」


アストリアが冷静につぶやく。


正直、僕にもただのファイルにしか見えなかった。

しかも、アーティファクト特有の、あの吸い込まれるような感覚もない。


そう考えていると――


「何言ってるんだ? これは、アーティファクトの情報がまとめられたファイルだぞ」


カイが真面目な顔でそう言い放つ。


「ややこしいことするんじゃねーっ!」


僕を含めた四人が、一斉にずっこけた。


「じゃあ、その肝心な本体はどこにあるの!?」


ミリアが問い詰める。


「いや、顧問の先生が後で持ってくるって言ってた。そろそろ来る頃じゃないか?」


カイが時計をちらりと見やると、タイミングを計ったようにドアの開く音がした。


「悪い悪い、迷ってしまってね」


そう言いながら現れたのは、特徴的な長い耳を持ち、黒い布を被せた物体を抱えた人物――

僕たちアーティファクト愛好会の顧問、フィー先生だった。


エルフであるフィー先生は、相変わらず人間の建物の構造に不慣れらしい。


「先生、遅いよー!」


「こんにちは、先生」


ミリアと僕たちが次々と挨拶する。


「先生、それ早く見せてよ!」


ミリアは待ちきれない様子だ。


「先生も急いできたみたいですし、あまり焦らせてはいけませんよ。早く、こちらの椅子にどうぞ」


アストリアもやや言葉が支離滅裂になっていて、やはり待ちきれないようだった。


……僕も含め、みんな目を輝かせている。


フィー先生が席につき、机の中央に黒い布を置く。

そこからは、アーティファクト特有の、ほんのり空気の重さを変えるような気配が漂っていた。


「じゃあ……新しいアーティファクト、発表しちゃうよ」


「おーっ!」


ぱちぱちぱち、と僕たちは拍手を送る。


先生がそっと布をめくる。

その下から現れたのは――一冊の、古びたハードカバーの本だった。


表紙には、金の文字でこう記されていた。



『ミステリー解くまで出られません。in館篇』



「な、なんかタイトルが物騒じゃない……?」


アストリアが目を細める。


「どう見ても、脱出ものじゃん……!」


「これって、館ってことは……屋敷とか?」


ミリアが目を丸くする。


僕たちは本を覗き込んだ。


その瞬間か窓から強い風が吹く。


ページが、勝手にめくれた。


そして――


《ルール:本を開いた時点で、全員クラヴィール館に閉じ込められます。》


クラヴィール館? 


僕たちの中でアーティファクト内の世界をリブラリアと呼んでいる。


今回のアーティファクトのリブラリアの名前がクラヴィール館という事か。


《条件:館にあるすべての手がかりを使って、“殺人事件の謎”を解くこと。》


《成功:扉が開く。》


《失敗:一生この館で暮らしてもらいます。》


《魔法の使用は禁止されています。》


《館内の人に危害を加えることができません。》


《役割は自分で決めることができます。》


……静寂が、部室を包んだ。


「……え?」


僕の口から、乾いた声が漏れた。


※ここからは好きにかきます。

今日は特にないですかね。

本当はあったはずなんですがね

やれやれ

この物語があなたの日常の一幕となりましたら光栄です。

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