他愛のない日常譚α-アーティファクト愛好会part1
今回は思いつきシリーズです。
その日、放課後の空気はどこか湿り気を帯びていた。教室のざわめきがしだいに薄れ、廊下に人の足音がまばらになっていく頃、一人の生徒が部室棟の階段を上がっていた。
ノフィエル──アーティファクト愛好会のただ一人の“普通の男子”と自称するその青年は、白い手袋をはめた右手で扉の取っ手に触れた。
「……先に来てたら、椅子の掃除でもしておこうかな」
誰に言うでもなく呟いて、ギィと静かに扉を開ける。部室はまだ誰もいなかった。かすかに埃っぽい香りと、古書の匂いが混ざっている。
カーテンを少し開け、柔らかな夕日を差し込ませた頃。
「……ノフィエル、早いね」
無音のような足取りで現れたのは、リュゼだった。窓の外の光を受けて、その白銀の髪がほのかに光る。彼女は言葉少なに、ノフィエルの隣の椅子に座る。
言葉はない。だがその存在は、空気を少しだけ研ぎ澄ませた。
「……今日は、ちゃんと来るんだよね、アストリアも」
ノフィエルの呟きに、返事はない。ただリュゼは、目線だけを少し窓の方へ向ける。
そして──にぎやかな声が階段から弾けた。
「おまたせーっ! わたしも今日ばかりは遅れずに来ましたっ!」
ミリカ。陽気な彼女は元気いっぱいに部室に飛び込んできて、ドサッと鞄を椅子の上に放る。
「新しいアーティファクトって、どんなのかな? しゃべったりするの? 爆発しないよね?」
「爆発はしないと思うけど……」
ノフィエルが苦笑していると、最後の二人が静かに現れる。
「……あら、もう全員そろってると思ったのに」
アストリア。副部長としての威厳をほんのり纏いながらも、その声はどこか柔らかい。整った制服の襟を正しながら部室に入ってきた。
「ふむ、揃ってるか。今日はいい日になりそうだな」
そして、最後に姿を見せたのはカイ──部長。凛とした表情で、軽く眼鏡を押さえつつ、机の上にファイルを置いた。
「今日の目玉はこれだ。例のアーティファクトが届いた」
空気が、静かに緊張した。
放課後の光のなか、五人のアーティファクト愛好会のメンバーが集った。
未知なるものに触れる、その前触れのように。
いや、本当すんません。流石だよな三日坊主なんて、、、
でも、こっからは思いついてるんで大丈夫だと思います。
とゆうことで、
この物語があなたの日常の一幕となりましたら光栄です。