他愛のない日常譚2
この物語は他愛のない日常を坦々と描く物語です。過度な期待はしないでください。
爽やかな風、風に揺らされた木々の葉の音、蝉の鳴き声が夏を運び日光の暑さを和らげてくれる。
そんな3つを贅沢に感じられるこのバス停にいる僕は世界で一番幸せなのではと考える。
こんなことでここまでの幸せを感じられるなんて僕はなんて単純なんだろう。
だけど僕はこんな僕がはっきり言えば嫌いじゃない。
目の前で一台のバスが通りすぎる。
本題に入ろう。
こんなところでバスにも乗らずなにをしているかというと人を待っている。
今週の回はテストだったため少し早めに終わったので、こうして別講義を受けている友人を今か今かと待っているのである。
本当のところなら置いて行ってさっさと家に帰りたいのものだが、今回のテストは出来がいいと感じていてなんか気分が良い。
「ピロン」
スマホに通知が表示される
「今終何処」
「我バ停待」
「了爆速向少待」
「了」
と流れに合わせテキトーに返してやった
「試出来?」
とおくってみたが既読がつかない。
どうやら本当に走っているようだ。
僕はそっと送信取り消しを押した。
その後すぐに
「我最弱」
返信が返ってきた。
走りながら打ち返してきやがるとは器用なやつだ
しかし、試験の出来はあまり良くなかったらしい。
送信取り消しした後に返信返ってくるの気まずすぎる。
あまりの気まずさに体をクネクネしていたら。
不意に声をかけられた。
篠原「よう水野。ラジオ体操第一になり変わる新しい体操を模索してるのか?」
水野「よう、篠原。初っ端からセリフなげーよ。あと、先人たちが築き上げてきたラジオ体操第一になり変わるようなものは今世紀には編み出されないぞ」
篠原「俺、テストの出来最悪だった。」
水野「知ってる。」
篠原「水野、テストの出来は?」
水野「すまんが絶好調だ。」
篠原「ちっ、羨ましいぜ。」
水野「なあ、腹すかねえか」
篠原「まあ、すいているが珍しいな?!」
篠原「お前が飯誘うなんて」
水野「そおか?」
篠原「そうだよ。お前いつも、ここで飯食うの我慢したらその分課金できるって言ったりして」
水野「まあたしかに」
水野「で、どこにする」
篠原「駅でいんじゃね?」
水野「マクドか?なんかあじけないな」
篠原「どちらかと言えばだいぶ濃いめだけど」
水野「そういうことじゃねえよ」
水野「篠原、前ここら辺で飯食ってたんだろなに食ったことあんの?」
篠原「サイゼとマック」
水野「チェーンじゃねえか!」
水野「まあ、マクドでいいか期間限定まだ食べてないし。」
篠原「そうするか」
意見がまとまった時、見計らったかのようにバスが来た。
他愛のない話をしている間に僕たちの後ろには長い行列ができていた。
幸い列の一番前にいたので僕たちはバスの最後尾五人掛けの右側に座った。
水野「なあ、俺今日バイト行くか迷ってるんだよね。」
篠原「シフト組まれてるからバイト行くか迷うとかなくね?」
水野「ヘルプだよヘルプ」
篠原「あーね」
水野「今日1人休みでそこに店長がシフト入れ忘れてたらしくてさ、仲良いやつから入ってくんねって言われてさ」
水野「ちょい迷ってる」
篠原「じゃあ、勝負するか?」
水野「それあり。俺が勝ったら行く。俺が負けたらいかない。でど?」
篠原「おっけー」
水野「なにで勝負する?」
篠原「うーん。その人がなんのお題か当てるやつにしよう。」
水野「あー、あれね」
篠原「じゃあお題をチャットくんにいくつか出してもらおう。」
篠原「チャットくんお題出して」
チャットくん「いくつかのジャンルでお題を作成しました。」
篠原「どれにする?」
そう言ってスマホの画面を見せてきた。
水野「じゃあ、食べ物で」
篠原「この中だな。」
食べ物系お題
•たこ焼き
•チョコレート
•カレーライス
•ハンバーガー
•寿司
水野「これか、どうしよ迷うなぁ。」
篠原「なあ、いっそルーレットで決めねえか?」
水野「お題をか?」
篠原「そしたら運もあいまって面白そうじゃね?」
水野「やるか」
適当にググって出てきたルーレットアプリにお題を打ち込む。
準備よし。
篠原•水野「「ルーレットスタート」」
俺は寿司だった。
水野「俺からな」
篠原•水野「「アッシェンテ」」
水野「それは粉ものですか?つまり、小麦とかじゃない?」
篠原「いいえ」
ご飯かチョコか
水野「それは日本の料理ですか?」
篠原「違います。」
水野「それは甘いですか?」
篠原「違います。」
水野「ファイナルアンサー、カレーライス」
篠原「正解!」
水野「三つも枠を、使ってしまった。やばい。これ沼っても三回くらいだから。もし、引き分けならどうする?」
水野「じゃんけん?」
篠原「ルーレットにしよ」
水野「まあ、それでいいか。じゃあ次お前な。」
篠原「安心しろ俺がお前を負かしてバイトを休ませてやる。」
篠原・水野「「アッシェンテ」」
篠原「それは米が使われてますか?」
水野「はい」
篠原「それは日本料理ですか?」
水野「はい」
篠原「ファイナルアンサー、寿ー司ー」
水野「正解」
水野「勝負に負けたのは悔しいが今日休みかー残念残念。」
水野「お前やるな」
篠原「まあ、それほどでも。」
日光に照らされ表情はよくわからなかったがなんだか嬉しそうだ。
テストの出来の良い気分展開になったみたいだ。
そんな時、降りるバス停に着いた。
バスを降り、縮こまった体をぐっと伸ばし
水野「よーし、今日帰ったらなにやろっかなー」
篠原「その前にマックだろ」
水野「おう。行くか」
僕たちはマクドに歩き出した。
―後日談というか今回のオチ―
ぼくはマクドにつくとまだ今の時間は混む少し前だったようだ。
空いているレジにかけて行き。
きせつ限定メニューを頼んだ。
彼もはモバイルオーダーで迷った末に僕と同じゼットを買ったらしい。
どうせなら別にしとけばよかった。
と感じたが、もう一度マクドによる理由と楽しみが増えたと思えば良いものだと考えた。
しばらくすると番号が呼ばれ僕は取りに行き、かれは運んでもらっていた。
他愛のない雑談をポテトをおかずにしていると電話がかかってきた。
店長からだった。
水野「お疲れ様です。」
店長「お疲れ様です。今日18時からのシフトあいてて困ってるんだけど入れたりしない?18時からじゃなくても遅れてでもいいからこれる?」
水野「あー、今帰ってる所で、19時ぐらいからなら入れます。」
店長「そっか、ありがとう。じゃあ、お願いします。」
ぷつり。
「ツーツー」
電話の切れた後だけが鳴り響く
篠原「お前、今日休みって決まってたやん。」
水野「直接電話はずるいって。」
篠原「そうだよな。」
そう言って僕の肩をポンと手を乗せてきた。
そして、急ぎ目に残っていたポテトを片付けて。
僕たちは駅に急いだ。
※ここは好きにかきます。
1日に二本立てこりゃ快挙ですなぁ。
マックを食べたはずなのに何故か脳みそは糖質を欲している。しかし、腹は膨れている。どうしようもない。
これからバイトわーい。もう脳みそ疲れた。
ちなみに今日はバイト行かないという盟約は破棄されてしまいました。悲し
この物語があなたの日常の一幕となれますように。