私にいきものを与えないでください。
いきものがかり。小学生の頃に一度だけ「動物が好きだから」という理由で立候補したことがあります。結果を先に話すと、挫折しました。
私が担当したのは、大きく育った一匹の金魚とウサギたち。大きな金魚は観ているととても優雅でダイナミック! クラスメートの人気者でした。ウサギは学校全体で飼っているため、みんなのアイドル的な存在でした。
私はそんな彼らが好きで、いきものがかりを立候補したのですが……先に結果を言うと、私は世話係から降ろされます。
まず臭い。金魚が泳ぐ水槽を洗う時のぬめりや臭いに耐えられなかったのです。次に意外と重労働だと気づいたこと。大きな金魚の水槽洗浄だから、水の入ったバケツの重いこと重いこと。
さらに、学校に早く登校しなければならないこと。学校から距離の遠かった私は、毎日朝早く起きることが出来なかったのです。
ウサギは手がかからないだろうということで、そっちに回ってみると、今度はコロコロうんちのお片付け。靴が汚れるし、何より金魚とは違った独特な臭い。また、ウサギって意外と凶暴なのです。
赤ちゃんウサギをかわいがっていると、親ウサギが赤ちゃんウサギの耳を傷付けてしまいました。どうやらストレスになるらしいのです。
いきものって、臭いし凶暴だし、面倒くさい。
これが私の出した結論でした。かわいいから、格好いいから、優雅だからで育てられるものでは無い。そう至ったのです。
かと思えば、いきものを上手に育てる男子(プロ太君と呼びます)が一人だけ居ました。プロ太君は、いきものについて詳しく、水槽の洗浄をしたり、プクプクを直したりが苦でなかったようです。
私が飼育小屋に入って、
「くっさ!」
と鼻をつまんだ時も、笑いながらウサギたちのうんちの処理をしていました。おかげで飼育小屋はいつも清潔。プロ太君からはいきものの臭いが移っていました。
いきものがかりは数名いたのですが、私のような人が多く、ただいきものだけを観て、あとはプロ太君に丸投げしていました。
彼はそれを嘆くことなく、黙々といきものの住む環境を整えてあげていたのでした。
プロ太君は決して目立つ人ではありませんでした。でも、彼が休んだ日は水槽が濁り、飼育小屋はうんちまみれで異臭を放ちます。
私はそれを見て、プロ太君の偉大さに気づいたのでした。
同時に、私はいきものがかりに向いていないことも解りました。かわいいの裏には汚いが隠れている。その汚さに耐えられるかどうかで、いきものを育てられるかどうかがわかる。
ちなみに、プロ太君はずっといきものがかりでした。おかげで金魚は変わらずクラスメートたちの人気者だし、ウサギたちも全校生徒のアイドルであり続けました。
いきものは臭いし汚い。だから、私は観るだけが良い。決して育てる役割を与えないでください。でも、その裏で清潔に飼育している人が居ることは意識しています。
プロ太君。今、どんな仕事をしているのでしょうか。いきものを扱った仕事だったら良いな。
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